テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

ベタだけど、強力?

2019-01-18 22:12:09 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 げきとうゥ~だッたのでスゥ!」
「がるる!ぐるるるがるる!」(←訳:虎です!ハラハラでした!)

 こんにちは、ネーさです。
 全豪オープンでの数々の熱戦に心臓が連日バクバク……
 マリー選手の初戦敗退に涙し、
 錦織選手の対戦相手のノッポぶりに
 どうしてサッカーのGKやらないの?とびっくりもしたり。
 次戦は日本時間19日、と決まった錦織選手にエールを送りながら、
 さあ、今日も読書テイムですよ。
 本日は、こちらの競作アンソロジーを、どうぞ~♪
 
  


 
         ―― 鍵のかかった部屋 ――



 著者は収録順に、似鳥鶏さん、友井羊さん、彩瀬まるさん、
 芦沢央さん、島田荘司さん、2018年9月に発行されました。
 『5つの密室』と副題が付されています。

「ほほゥ? みッしつゥ~!」
「ぐるがるぐるるがーる!」(←訳:日本では人気のテーマ!)

 そうね、あまり聞きませんよね、
 海外の新作ミステリで密室がテーマ!というのは。

 しかし、こと密室に限っては、
 日本はガラパゴス的に独自の発達発展を遂げ、
 作家さんたちは今もなお新たな密室トリックを模索中、のようですが。

 その“密室偏愛”な点を逆手にとって、
 ユニークなアンソロジーが誕生しました。

「とりッくゥはァ、これェひとつゥ!」
「がるる!」(←訳:鍵と糸!)

 御本の冒頭で、著者のひとり、似鳥さんは述べています。

  《『トリックはこれを使います』
   と最初に宣言してしまう原稿はアリなのか?》

 それも、
 《単純》で、《使い古され》ていて、
 読者は《がっかり》してしまいそうな、
 “夢の無い”トリックで。

 そう、それはあの、
 窓やドアの内側についている鍵――
 サムターンとか、
 クレッセントという鍵。

 紐や糸を使って、
 サムターンのつまみを外から引っ張れば。

「みッしつゥ、かんせいィ?!?」
「ぐるるー!」(←訳:ベタだー!)

 ベタですけど、
 効果は決して低くないこのトリックを利用して、
 さて、作家さんたちは
 どのような物語を紡ぎ出すのでしょうか?

 不安を覚えつつ、
 まず、一番目に収録されている
 似鳥鶏さん著『このトリックの問題点』を
 読んでみましたら……

 ふふふっ、そういうことですか~!

「なァるほどォ~!」
「がるぐるるる!」(←訳:こう来たんだ!)

 トリックが固定されていることで、
 むしろ、物語の幅が広がる?
 遊びごころが刺激される?

 友井羊さん著『大叔母のこと』、
 彩瀬まるさん著『神秘の彼女』、
 芦沢央さん著『薄着の女』、
 そして、5編のラストを締める
 島田荘司さん著『世界にただひとりのサンタクロース』も、
 ひとまわり大きい《語り》の世界へと、
 歩みを進めてゆく――

「べたなァ、みッしつもォ~」
「ぐるるるがる!」(←訳:悪くないよね!)

 ミステリ好きさんに、
 アンソロジー好きさんにもおすすめの一冊です。
 本屋さんで、図書館で、
 探してみてくださいな♪
 


コメント
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