テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ そこは、癒しの花園 ~

2019-01-25 22:18:10 | ブックス
「こんにちわァ、テディちゃでス!
 ただいまァ、ぜッさんかいさいィちゅゥ~!」
「がるる!ぐぅるるるがるる!」(←訳:虎です!ショコラのお祭り!)

 こんにちは、ネーさです。
 はい、もはや1月の風物詩となっている
 《サロン・デュ・ショコラ》が、新宿NSビルにて開催中です。
 私ネーさん、諸事情から今年はパスいたしますが、
 ショコラ好きさんは年に一度のショコラの祭典をご堪能あれ~♪
 では、ここからはショコラとは関係のない……いえ、
 実はけっこう関係あるかもしれない?こちらの御本で、
 読書タイムを、さあ、どうぞ~!

  


 
   ―― 花と緑が語るハプスブルク家の意外な歴史 ――



 著者は関田淳子(せきた・あつこ)さん、2018年12月に発行されました。
 『Haus Habsburg』と独語題名が付されています。

「よーろッぱのォ、てッぺんッ!」
「ぐるがる~!」(←訳:王の一族~!)

 王家の歴史は、
 国の歴史であり、
 文化の歴史でもある、のならば、
 スイスの無名領主であったルドルフ一世の台頭(1273年)から
 皇帝フランツヨーゼフ一世の退場(1918年)に到るまで、
 およそ650年の長きに渡って
 ヨーロッパに君臨したハプスブルク家の歴史には、
 どんな文化が付随していたのかを考えると――

  《そこには花と緑があった》
 
 と、ハプスブルク家研究家の著者・関田さんは言います。

「ええッ? おはなァ??」
「がぅっるぅるるぐるがぅるる?」(←訳:ファッションや料理じゃなく?)

 王さまである、ということは、
 権力を振るい放題、
 何もかも好き放題、ではなく。

 戦争、政変、暗殺、革命、といった“危険”をも
 背負わなければなりません。

 毎日、朝から晩まで、家、就寝中にさえ
 何者かが我が身を脅かしている……!

 365日、そんな風に気を張りつめ続ける王さまたちは、
 意識してか否か、
 ひとときリラックスできる《空間》を
 手近に求めました。

 それがすなわち、庭園。

「ふァ~…なんとォなくゥ~…」
「ぐるるがるぐる~!」(←訳:分かる気がする~!)

 マクシミリアン二世(在位1564~76年)は、
 ハプスブルク家で初めて動植物の研究施設を作り、
 庭園芸術の基礎を整備し、
 植物学の書籍を収集し、
 ペルシャ原産のユリを輸入しました。

 皇帝ルドルフ二世(在位1576~1612年)は、
 王さまとしての評価はいまひとつ……なんですけど、
 画家アルチンボルドさんに描かせた作品には、
 宮殿の庭園で栽培された植物が写し入れられています。

 女帝マリア=テレジアは
 蚕の餌にするため日本産の桑を街路樹にし、
 ヨーゼフ二世(在位1765~90)は
 世界最大級の植物園を造成しました。

 そして、マリー・アントワネット王妃が愛したのは、
 プチ・トリアノンの、バラの花……。

「ちょうどォ、そのころォ!」
「がるるぐる!」(←訳:カカオ到来!)

 新大陸から欧州へもたらされた植物のひとつに
 カカオ豆がありました。

 当初は、薬として飲まれていたものが、
 少しずつ形と味わいを変えて、
 嗜好品のショコラへ。

 けれど、ショコラが世に広まった時代は、まさに。

「ゆうぐれェ、でスよゥ~…」
「ぐるがる……」(←訳:王朝のね……)

 花と人を、結ぶ縁。
 
 王冠を戴いた一族と
 分かちがたく絡まり合う花と緑の、
 数奇なエピソードで構成されるノンフィクション作品は、
 歴史好きさん&アート好きな方々、
 ガーデニング愛好家さんにもおすすめの一冊です。
 本屋さんで、図書館で、
 ぜひ、探してみてくださいね♪




 
コメント
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