テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ もしも、あの日 ~

2021-06-02 23:53:19 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ぜひにィ~およばずゥ!」
「がるる!ぐるるがる!」(←訳:虎です!剣戟の響き!)

 こんにちは、ネーさです。
 本能寺の変が起きたのは、
 天正10年6月2日(西暦では1582年6月21日)
 早朝のことでした。
 歴史の大分岐点となった一日に想い馳せつつ、
 本日の読書タイムは
 さあ、こちらの御本を、どうぞ~♪

  


 
     ―― 戦国大名の戦さ事情 ――


 
 著者は渡邊大門(わたなべ・だいもん)さん、
 2021年1月に発行されました。
 経済・文物・食料・争いごとのルールなど、
 戦国時代の《リアル》をテーマに据えた
 ノンフィクション作品です。

「おとのさまもォ、たいへんッなのでスゥ!」
「ぐーるるがっるる!」(←訳:ルールがいっぱい!)

 戦国時代、っていうと、
 誰もが自由に下克上し放題!のように
 思いがちですけれど、
 実情はいろいろタイヘンです。

 著者・渡邊さんは、
 『戦国』の時代区分や
 戦国大名の定義等を考察しつつ、
 戦さに明け暮れた大名たちが
 どうやって《家》を運営していったか、
 資料をもとに明らかにしてゆきますよ。

「くうかッ、くわれるかッ」
「がるぐるるぅがる!」(←訳:隙を見せちゃダメ!)

 序章『戦国大名の権力構造』
 に続いて、本文は、

 第一章『将兵の動員』
 第二章『軍装と武具』
 第三章『戦場の掟』
 第四章『兵糧の確保』
 第五章『軍師と戦術』
 第六章『戦いの実相』
 第七章『戦後処理』

 と七つの章で構成されていますが、
 現代の私たちにとって
 最も親しみやすい、というか、
 “思い描きやすい“のは、
 軍装と武具の章でしょうか。

 映画やドラマ、ゲームに登場する
 武将さんや兵士さんたち。

 実際の兵士さんたちは、
 どのような甲冑を着け、
 どんな名刀を佩いているか、
 どの場面でどんな武具を使ったのか?

「ゆみよりもォ、てッぽうゥ?」
「ぐるるる?」(←訳:刀より槍?)

 最先端の武具や
 流行りの鎧に身を固め、
 いざ戦場へ!
 と行きたいけれど、
 これが一筋縄ではゆかないのよね。

 軍令・軍法が
 たーくさんあって、
 このルールを破ったらアウト!
 抜け駆け厳禁!
 なんて規則尽くめで。

 毎日のゴハンだって、
 おろそかには出来ないわ。

 陣中や野営場所へ、
 朝も夕も食糧を運んで、
 馬や荷車のメンテナンスも
 サボれないし。

「……やぱりィ、せんそうゥよりもォ~」
「がるるぐるる!」(←訳:平和がいいね!)

 読み進むうち、
 天下統一まであと数歩に迫った
 織田信長公の艱難辛苦が
 少しばかり見えた……気がしてきます。

 兵を動かす。
 他国へ攻め入り、
 戦さをして、勝つ。

 そのはてに、
 ようやく大名への道が、
 将軍や大臣や関白への階段が整い、
 しかし、
 昇り詰めてはみても、
 眼前に広がるのは……?

「さきゆきィ~ふめいィ?」
「ぐるる!」(←訳:闇かも!)

 歴史の流れからではなく、
 ときに軽んじられがちな
 “細部“から歴史を見直す
 大名さんたちのリアルワールド。

 歴史好きな方々に
 おすすめの一冊です。
 もしもあの日、
 京の街が平穏な朝を迎えられていたら……
 などと夢想しながら、
 みなさま、ぜひ♫
 
 
 
 
コメント
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