テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ モフっと白く、やさしくて ~

2021-06-06 23:52:29 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 むむむゥ~! ずつうゥちゅういほうゥ~!」
「がるる!ぐるるがる!」(←訳:虎です!気象病だね!)

 こんにちは、ネーさです。
 不安定なお天気のせいでしょうか、
 頭が痛かったり、
 身体ががる~く感じられる一日でしたが、
 さあ、読書タイムで元気をチャージ!ですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

 



     ―― 犬がいた季節 ――



 著者は伊吹有喜(いぶき・ゆうき)さん、
 2020年10月に発行されました。
 2021年本屋大賞にノミネートされた長編……
 いえ、正確には連作短編集なのでしょうか。
 6つの物語が収録されていて、
 冒頭から――

「わんこッ!」
「ぐるるるぅるるがるぐる!」(←訳:メインキャスト登場だよ!)

 第1話『めぐる潮の音』。

 ここで私たち読み手は、
 “雑種“らしき或る小犬ちゃんと
 出会うことになります。

 イマドキでしたら、ええ、
 “雑種“なんて言わず、
 “MIX“と呼びますよね。

 その違いのみなもとは……
 時代性にあるようです。

「しょうわァなのでス!」
「がるるるる!」(←訳:1988年!)

 昭和63年、つまり1988年。

 三重県四日市市の八稜(はちりょう)高校、
 通称『ハチコウ』の美術部室は
 ちょっとしたパニックに陥りました。

 ……え?
 犬が、いる?

 まだ小さくて、
 なぜか砂まみれの、白い犬が?

「うッ、うごいてるゥ!」
「ぐるるる?」(←訳:どこの子?)

 どこの子なんでしょう?
 美術部員さんと顧問の先生は
 白いワンコの飼い主を探してみましたが、
 見つかりません。

 では、新しい飼い主さんを!
 と探す相手を変えてみましたけれども……
 やはり、見つからなくて。

 ここでも、顕著になるのが
 昭和の時代性ですねえ……
 ワンコがいて、
 でも飼い主が見つからない、となると
 保健所へ――

「そんなのォいやでスゥ~ッ!」
「がるる~!!」(←訳:止めて~!!)

 美術部の生徒さんたちも、
 思いは同じ。

 コーシローと呼ばれるようになった
 白い犬を、
 ……そう!
 ここで飼おう!

「うんうんッ!」
「ぐるるがるる!」(←訳:それがベスト!)

 こうして、
 難を逃れたコーシローくんは
 『ハチコウ』で暮らし始めます。
 しかし、
 彼を可愛がり、
 慈しんでくれる生徒さんたちの身の上にも
 さまざまな難事が……?

「しょうわからァ、へいせいィ!」
「がるるる!」(←訳:令和へも!)

 進路という、
 人生の重大事を向かい合う高校生さんたち。
 彼/彼女のかたわらに、
 これみよがしではなく、
 そっと、ごく自然に、
 コーシローがいる。

 第1話から最終話まで、
 どれもステキに愛らしいのですが、
 私ネーさのイチ推しは
 第3話『明日の行方』です。

 皆さまも、
 わたしはこのお話が好き!
 僕はこれ!
 というコーシローくんの物語を
 ぜひ探してみてくださいね。
 全活字マニアさんに
 おすすめの一冊ですよ♫

 
 
  
コメント
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