テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 電線愛を、形にすれば ~

2021-06-15 23:48:09 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 かッ、かゆいィ~ッ!」
「がるる!ぐるがるるる」(←訳:虎です!眼がピリピリ!)

 こんにちは、ネーさです。
 スギもヒノキもシーズンは終わり、
 花粉症患者にとって待望の平和な世界が……
 と思ったら、
 今度はイネ科の花粉が?!?
 ということで、点眼液を握りしめつつ、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  



        ―― 電線絵画 ――



 企画・編集は練馬区美術館の加藤陽介さん、
 2021年3月に発行されました。
 『小林清親から山口晃まで』
 と副題が付されています。

 アート好きな方々は御存知でしょう。
 2021年春――
 東京・練馬区の練馬区立美術館で
 『電線絵画展 小林清親から山口晃まで』
 が開催されました。

 しかし残念なことに、
 開催期間が2021年2月28日~4月18日でしたから、
 コロナウィルス新規感染者の数が
 どんどん増えていっている時期で、
 いつ緊急事態宣言が出るかと、
 皆さん不安になっていて。

「まいにちィ、しんぱいィ!」
「ぐるる!」(←訳:今もね!)

 展覧会にお出掛けしたくとも、
 願いは叶わず……

 ええ、私ネーさもその一人で、
 電線の絵画?
 面白そうだわ!と
 好奇心をそそられながらも
 結局は出かけられず、
 がっかりしたんですけれども。

 こうして、
 展覧会の図録が
 一般でも販売され、
 私たちも拝見できる!だなんて、
 ありがたいし、
 嬉しいことです♪

「さッそくゥ~!」
「がるるるるる!」(←訳:覗いてみよう!)

 電線絵画の始まりは
 想像以上に古く、
 なんと、
 嘉永7年(1854年)に遡ります。

 樋畑翁輔(ひばた・おうすけ)さんによる
 『ペリー献上電信機実験当時の写生画』がそれで、
 現代の物とは形が違うものの、
 画面中には確かに電柱が!

「ぺりィ?」
「ぐるぅ!」(←訳:黒船ぇ!)

 このおよそ20年後、
 日本で電信が実用化され、
 電信柱がこぞって
 絵画に描かれる時代がやってきます。

 明治では、小林清親さんや河鍋暁斎さん。
 
 大正では、
 川瀬巴水さんや吉田博さん、岸田劉生さん。

 昭和では、
 木村荘八さん、岡鹿之助さん、
 
 そして、近年の山口晃さんまで。

「たいせつなァ、もちィーふゥ!」
「がるるるるるぐる!」(←訳:好かれてるね電柱!)

 現在、各地で電線の地中化工事が進められています。

  もうすぐ無くなってしまうのか、
  電線も電柱も……。
  いや、
  全部が全部なくなるワケじゃないよね?

 などと、
 郷愁の念をかき立てられもする
 不思議な存在――電線、電柱。

 見応えある図版、
 各章の扉ごとの文章、
 巻末の解説もすばらしくて、
 アート好きさんはもちろん、
 近代史好きな活字マニアさんにも
 ぜひのおすすめです。

 展覧会は終ってしまいましたが、
 もしも書店さんで
 この御本を見かけたら、
 どうか手に取ってみてくださいね。
 電柱も電線も
 大好きになる一冊ですよ~♪
 
 
  
 
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