テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ スカラベたちを追いかけて ~

2021-06-23 23:41:15 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 わおゥ! とどきィましたでスゥ!」
「がるる!ぐーるるる!」(←訳:虎です!クーポンだ!)

 こんにちは、ネーさです。
 ついに私ネーさの手許にも
 ワクチンクーポンが配達されてきました。
 一日も早く”コロナ前の世界”――
 皆が笑ってお喋りできる社会が戻ってくるよう祈りつつ、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  


 
   ―― 昆虫記 すばらしきフンコロガシ ――



 著者はジャン=アンリ・ファーブルさん、
 絵はヨシタケシンスケさん、
 2021年5月に発行されました。

 《世界ショートセレクション》シリーズの
 第18巻となるこの御本には、
 ジャン=アンリ・ファーブルさん(1823~1915)の著作から、

 『すばらしきフンコロガシ』
 『本能のかしこさ』
 『本能のおろかさ』
 『未来の観察者』
 『わたしの学校』

 の5篇が収録されています。

「ふんころがしィ~!」
「ぐるがるる!」(←訳:もう代名詞!)

 こと日本に於いては、
 フンコロガシ、と聞けば、
 ああ、ファーブルさんね、
 と大勢の人が頷くのではないでしょうか。

 ファーブルさんが『昆虫記』の中で観察したのは
 スカラベ・サクレ、
 和名がフンコロガシ……

 と思っていたら、
 いろいろ誤解があったようで、
 正確な和名は、
 ヒジリタマオシコガネ、
 というらしいわ。

 この御本では、
 スカラベ、と表記されていて、
 ええ、スカラベと呼ぶ方が分かりやすいですね。

「ふらんすではァ、むしたちィもォ~」
「がるるるるぐるるがるるる!」(←訳:バカンスのために働きます!)

 ファーブルさんたちの熱い視線を
 ものともせず、
 スカラベたちが一心に肉体労働をして
 糞団子作りに励むのは、
 バカンスのため?

 そう、苦労をして作り上げた
 丸~い形の糞団子は、
 スカラベたちの朝食で昼食で夕食。

 糞団子を抱えて地中の棲家におさまったら、
 ひと月かふた月の間は、
 のんびり地下で暮らすのです。

 団子を全部食べ終えちゃったら、
 しようがないなぁ~
 また団子作らないと~
 とばかり、
 地上に戻ってくるのでした。

「つぎのォ、ばかんすのォためにィ~!」
「ぐるるぅがるるぅ!」(←訳:よいしょこらしょ!)

 スカラベたちの社会風習に続いて、
 ファーブルさんの餌食、
 じゃなくて観察対象となるのは、
 ラングドッグアナバチたち。

 そして、
 昆虫たちのお話だけじゃありません、
 『未来の観察者』では
 祖父や両親の思い出を語り、
 『わたしの学校』では
 自身の少年時代を振り返ります。
 学校で習う科目は数々あれど……

   博物学なんかやっても
   出世の役には立ちそうもなかった。

   私は自分でいましめていた。

   博物学の本は
   トランクの底にしまって、
   忘れよう、
   忘れようとしていた。

「でもォ~…?」
「がるるぐるるるる?」(←訳:本当に好きなのは?)

 《私は生物好きに生まれてきた。
  なぜ、どうして?
  それに答えはない》

 フランスの森や野原を
 好奇心全開にして走り、這いずり、
 スカラベたちを追跡する
 ファーブルさんの後ろ姿が
 見えてくるような気持ちになるこの御本は、
 児童書……ではありますけれども、
 大人な活字マニアさんたちにも
 おすすめの一冊ですよ。

 本屋さんで、図書館で、
 見つけたらぜひ!手に取ってみてくださいね~♪
 
  
 
コメント
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