「こんにちわッ、テディちゃでス!
はッぴィ~えいぷりるゥ!」
「がるる!ぐるるるるがーる!」(←訳:虎です!エイプリルフール!)
こんにちは、ネーさです。
毎年恒例のウソつき大合戦、
2024年の勝者はマクドナルドさんの『マックの内弁当』!
実現化してほしいぞ~と拍手を送りながら、
さあ、読書タイムですよ。
本日は、前回に続いて、こちらのコミック作品を、どうぞ~♪
―― ドッグスレッド 2 ――
著者は野田サトル(のだ・さとる)さん、
2024年2月に発行されました。
第1巻からさほどの間を置かずしての2巻刊行ですね。
「こんどはァ、げんだいィ!」
「ぐるるがっるーるぐる!」(←訳:アイスホッケーでGO!)
『ゴールデンカムイ』の明治時代後期から、
21世紀の日本へ。
前回記事では、主人公たる
白川朗(しろかわ・ろう)くんが
フィギュアスケートの世界と訣別した様子を
簡単に御紹介しましたが……
はい! ここで、宣言いたします。
ここからは、盛大にネタバレあり!
ネタバレなんてとんでもない!という御方は、
どうか、↓この先は読み飛ばしちゃってください。
「ざわざわッ!」
「がるるぐるる!」(←訳:波乱の予感が!)
北海道・苫小牧の、祖父宅に身を寄せ、
新たな生活の一歩を踏み出すことになった
朗くん(双子の兄)と、
春名(はるな)ちゃん(双子の妹)。
朗くんは、早くも重要な一歩を発見していました。
それは、アイスホッケー。
米国やカナダでは大人気のウィンタースポーツは、
北海道の人びとにとってごく身近なもので、
とりわけ苫小牧市民の期待を背負っているのが、
狼之神(おいのかみ)高校アイスホッケー部。
目下、インターハイで19連覇中、
今年も勝てば20連覇達成!
っていうんですから、
強さは半端じゃありません。
この第2巻では、
狼之神高校アイスホッケー部と
ライバルである青森県八戸市の
八戸鮫王(さめおう)高校アイスホッケー部の激闘、
そして、
”その後”の出来事が描かれているんですけれど。
著者・野田さんは、
そこに私たちが予想もしなかったバクダンを投げ入れました。
狼之神高校との試合を終え、
鮫王高校の選手さんたちが学校に戻ってきたのは、
2011年の3月。
「えッ?」
「ぐる!」(←訳:ああ!)
鮫王高校の2年生、17歳の
五戸矢太郎(ごのへ・やたろう)くんは、
来年への期待を隠し切れず、
級友たちとのお喋りにも熱が籠もります。
4月からは俺たち2年生がチームの主力!
将来有望な1年生も入部してくる!
もっと強くなれる!
そのとき、鳴ったのです。
携帯電話の、緊急地震速報のアラームが。
「にげてッにげてッ!」
「がるるるる!」(←訳:逃げるんだ!)
校舎を脱出した生徒さんたちは、校庭に集められました。
矢太郎くんはケータイを握りしめ、
ようやっと父親と連絡がついて安堵したのも束の間、
驚きに息を呑みます。
父の話によれば、
祖母が、自宅にいる。
ひとりで、海がすぐ目の前の家に、いる。
大津波警報のサイレンが鳴る町を、
自転車で自宅へ走りながら
矢太郎くんは見ました。
真っ黒な海が、膨れ上がってゆく。
「――」
「――」
津波を直接的に描写しているのは、
分量にしてわずか6ページです。
しかし、
その6ページが、怖ろしい。
東日本大震災の惨禍を描いたどんな小説や映画よりも、
怖ろしく身に迫ってきて、
しばらく身動きできませんでした。
マンガです。
フィクションです。
そう分かっていても、津波の恐怖を、
黒い波の禍々しさを、
こうまで描き切るとは。
あの日の絶望を、
こんな形で絵画にして突きつけられるとは。
マンガに何ができるのか。
どこまで出来るのか。
著者・野田さん(と編集者さん)の
万感の思いと、
一種の”覚悟”に裏打ちされた6ページなのだ、
と言ったら大袈裟でしょうか。
「やッ、やたろうくんッ!」
「ぐるるるるるー!」(←訳:逃げ切るんだー!)
矢太郎くんは、
お祖母ちゃんは。
鮫王高校の生徒さんたちは。
”あの日”を経験したすべての人の、その後は。
長くなりましたが、
これ以上は本当のネタバレになってしまうので、
どうか皆さま、
書店さんのコミックコーナーで
ぜひ、『ドッグスレッド』1&2巻を探してみてくださいね。
(付記:上記のように、作品中には地震と津波の描写があります。
あの光景には耐えられない、見るのがつらいという御方は、
無理はなさらぬよう……)