テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 美味しい、をずっと探して ~

2024-04-21 22:05:05 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 たまにはァ~ぴくにッくゥ!」

「がるる!ぐるるがるる~!」(←訳:虎です!公園でお弁当~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 サクラ、フジの花の次にやって来たのは、

 春バラの季節……

 よぉし、飲み物とお弁当を用意して、

 公園や植物園へお出掛けしよう!と思いついた日は、

 はい、読書タイムも↓こ~んな楽しい御本を、どうぞ~♪

  

 

 

         ―― いわしバターを自分で ――

 

 

 著者は平松洋子(ひらまつ・ようこ)さん、

 2022年3月に発行されました。

 『週刊文春』2019年12月12日号~2021年9月9日号に掲載された

 エッセイ76作品が収録されています。

 

「たいへんなァじきィ、だッたのでスゥ!」

「ぐるるるがっるるる……!」(←訳:右往左往だったねえ……!)

 

 2019年末から2020年の始めにかけて、

 新型コロナウィルスの流行は一気に拡大しました。

 2024年の現在に立って当時を振り返ると、

 つらいこと、悲しいことばかりの時期であったなぁと

 ため息してしまいます。

 

 前代未聞の、正解など誰にも分らない苦境にあって、

 『文春』きっての人気連載である平松さんのエッセイも、

 やはり、影響を受けない訳にはゆきませんでした。

 

 気楽に、気軽に、

 飲食店さんで食事をすること、

 酒杯を傾けることは、難しい。

 直に会って、お話して取材、も難しい。

 そもそも、外出することさえ、難しい。

 

「きんきゅうゥじたいィでェ~」

「がるーるぐる!」(←訳:リモート推奨!)

 

 そんな状況だったからこそ、

 心をやわらかく、あたたかくしてくれる

 平松さんのユーモアは際立ちました。

 

 コロナ禍下での新ルールとか、制約とか制限とか、

 ハードルは多いにしても、

 楽しいこと、美味しいものを、探そう。

 

「うむうむッ!」

「ぐるるるるがるる~!」(←訳:美味しいの好きだ~!)

 

 表題作品『いわしバターを自分で』は、

 まさしく、

 ”美味しさ発見!”な1編です。

 

 もう20年前のこと、と平松さんが回想するのは、

 或るデザイン事務所さんを訪れたときの、衝撃。

 顔見知りのスタッフF君が、

 遅い昼めしなんです、と言って

 やおら作り始めたのは、

 

 オイルサーディンの缶を、パカッ。

 中身のサーディンを取り出して、

 コッペパンに、むぎゅっ。

 いただきまーす。

 

 つまり、オイルサーディンのサンドイッチ、です。

 

「ほほォ~!」

「がるるる!」(←訳:やるねえ!)

 

 こんなにかっこいい弁当風景を見たことがなかった、

 と平松さんは感嘆します。

 そして、想い起すのは、

 オイルサーディン・バター・黒胡椒・塩・レモン汁

 の材料で作る、いわしバター。

 

 コッペパン? 食パン?

 いや違う、

 いわしバターが合うのは、

 バケット!

 なにがなんでもバケット!

 

「うふふゥ、たべたいィ~!」

「ぐるる~!」(←訳:作ろう~!)

 

 材料や作り方のコツなどは

 本文154~158ページの

 『いわしバターを自分で』をご参照くださいね。

 

 平松さんのアンテナがとらえた

 美味しいもの、すてきなもの。

 苦難や不安や混乱も

 丸ごと綴った快作を、

 活字マニアの皆さま、ぜひ、一読を♪

 

 

コメント
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