「こんにちわッ、テディちゃでス!
たまにはァ~ぴくにッくゥ!」
「がるる!ぐるるがるる~!」(←訳:虎です!公園でお弁当~!)
こんにちは、ネーさです。
サクラ、フジの花の次にやって来たのは、
春バラの季節……
よぉし、飲み物とお弁当を用意して、
公園や植物園へお出掛けしよう!と思いついた日は、
はい、読書タイムも↓こ~んな楽しい御本を、どうぞ~♪
―― いわしバターを自分で ――
著者は平松洋子(ひらまつ・ようこ)さん、
2022年3月に発行されました。
『週刊文春』2019年12月12日号~2021年9月9日号に掲載された
エッセイ76作品が収録されています。
「たいへんなァじきィ、だッたのでスゥ!」
「ぐるるるがっるるる……!」(←訳:右往左往だったねえ……!)
2019年末から2020年の始めにかけて、
新型コロナウィルスの流行は一気に拡大しました。
2024年の現在に立って当時を振り返ると、
つらいこと、悲しいことばかりの時期であったなぁと
ため息してしまいます。
前代未聞の、正解など誰にも分らない苦境にあって、
『文春』きっての人気連載である平松さんのエッセイも、
やはり、影響を受けない訳にはゆきませんでした。
気楽に、気軽に、
飲食店さんで食事をすること、
酒杯を傾けることは、難しい。
直に会って、お話して取材、も難しい。
そもそも、外出することさえ、難しい。
「きんきゅうゥじたいィでェ~」
「がるーるぐる!」(←訳:リモート推奨!)
そんな状況だったからこそ、
心をやわらかく、あたたかくしてくれる
平松さんのユーモアは際立ちました。
コロナ禍下での新ルールとか、制約とか制限とか、
ハードルは多いにしても、
楽しいこと、美味しいものを、探そう。
「うむうむッ!」
「ぐるるるるがるる~!」(←訳:美味しいの好きだ~!)
表題作品『いわしバターを自分で』は、
まさしく、
”美味しさ発見!”な1編です。
もう20年前のこと、と平松さんが回想するのは、
或るデザイン事務所さんを訪れたときの、衝撃。
顔見知りのスタッフF君が、
遅い昼めしなんです、と言って
やおら作り始めたのは、
オイルサーディンの缶を、パカッ。
中身のサーディンを取り出して、
コッペパンに、むぎゅっ。
いただきまーす。
つまり、オイルサーディンのサンドイッチ、です。
「ほほォ~!」
「がるるる!」(←訳:やるねえ!)
こんなにかっこいい弁当風景を見たことがなかった、
と平松さんは感嘆します。
そして、想い起すのは、
オイルサーディン・バター・黒胡椒・塩・レモン汁
の材料で作る、いわしバター。
コッペパン? 食パン?
いや違う、
いわしバターが合うのは、
バケット!
なにがなんでもバケット!
「うふふゥ、たべたいィ~!」
「ぐるる~!」(←訳:作ろう~!)
材料や作り方のコツなどは
本文154~158ページの
『いわしバターを自分で』をご参照くださいね。
平松さんのアンテナがとらえた
美味しいもの、すてきなもの。
苦難や不安や混乱も
丸ごと綴った快作を、
活字マニアの皆さま、ぜひ、一読を♪