「こんにちわッ、テディちゃでス!
おりょりょッ? きがつけばァ、すぐゥ~そこにッ?」
「がるる!ぐるるるがるる~!」(←訳:虎です!黄金週間だよう~!)
こんにちは、ネーさです。
ハッ!と気付けば、ええ、もう始まっちゃいますね、
大型連休ってヤツが……!
せっかくの連休、何をしようかな~と悩みながら、
さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― めぐりんと私。 ――
著者は大崎梢(おおさき・こずえ)さん、
単行本は2021年に、画像の文庫版は2024年4月に発行されました。
『”Megurin” and Me』と英語題名が付されています。
「めぐりんッ?」
「ぐるるがるるるる……?」(←訳:それはもしかして……?)
めぐりん。
それは、大人からもチビっ子諸氏からも一目置かれる、
働きものの律儀なヤツ。
2週間か3週間おきくらいにやって来ては、
お腹の中から何冊もの宝物を
気前よく宝物をポンポンと――
「あはァ! わきゃッたァ!」
「がるぐるるる!」(←訳:移動図書館だ!)
神奈川県の、横浜市と大和市に接し、
南部は相模湾に拓けた温暖な土地柄の、
種川(たねがわ)市。
その種川市内を、縦横無尽に走り回って
読書好きな市民さんのもとへ
本を読む喜びを届けてくれるのが、
移動図書館の《めぐりん》なのでした。
とはいえ、
種川市民さんにはお馴染みの《めぐりん》も、
ごく最近、大和市からこの種川市に転入してきた
節子(せつこ)さんには
『?』です。
公民館に隣接している駐車場に
マイクロバスのような車が停められていて、
人が集まっている?
笑い声も聞こえてくる?
あれは……?
「としょかんッでスよゥ!」
「ぐるるがるるるるる~?」(←訳:借りてゆきませんか~?)
移動図書館の車……
そうと分かって、節子さんの記憶が蘇ります。
故郷の、栃木県北西部の山間の集落にも、
3週間に1度、
移動図書館の車が来てくれたっけ。
呼び名は、移動図書館ではなく、
自動車文庫、だった……。
車内に積み込まれていたたくさんの本と、
ふるさとの思い出は、
必ずしも楽しいものばがりではなく、
節子さんは暫し立ち尽くします。
「ごあんしんくださいィ~!」
「がるぐるるる!がるぅぐるる!」(←訳:本はトモダチ!敵じゃないよ!)
時間をかけ、ゆっくりと、
《めぐりん》のメインスタッフである
ウメちゃんこと梅園さん、
テルさんこと運転手の照岡さんと
打ち解けてゆく節子さん。
実は、節子さんは或る《謎》……というか、
《疑問》を抱えていました。
その《疑問》が、
《めぐりん》と出会ったことを機に
解けてゆく……?
「ほわッ? いどうゥ~としょかんがァ??」
「ぐるがるぅ?」(←訳:謎を解くぅ?)
あの頃と、いま。
いまだからこそ、見えてくるもの。
読み手を”昭和のむかし”へ連れて行く
節子さんの物語『本は峠を越えて』をはじめ、
5篇の短編が収録されている連作ミステリ作品は、
ミステリ好きな方に限らず、
本がだ~い好きな全活字マニアさんにおすすめですよ。
ぜひ、一読してみてくださいね~♪