テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 走ってめぐる、書物たち ~ 

2024-04-25 22:04:36 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 おりょりょッ? きがつけばァ、すぐゥ~そこにッ?」

「がるる!ぐるるるがるる~!」(←訳:虎です!黄金週間だよう~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 ハッ!と気付けば、ええ、もう始まっちゃいますね、

 大型連休ってヤツが……!

 せっかくの連休、何をしようかな~と悩みながら、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

            ―― めぐりんと私。 ――

 

 

 著者は大崎梢(おおさき・こずえ)さん、

 単行本は2021年に、画像の文庫版は2024年4月に発行されました。

 『”Megurin” and Me』と英語題名が付されています。

 

「めぐりんッ?」

「ぐるるがるるるる……?」(←訳:それはもしかして……?)

 

 めぐりん。

 

 それは、大人からもチビっ子諸氏からも一目置かれる、

 働きものの律儀なヤツ。

 2週間か3週間おきくらいにやって来ては、

 お腹の中から何冊もの宝物を

 気前よく宝物をポンポンと――

 

「あはァ! わきゃッたァ!」

「がるぐるるる!」(←訳:移動図書館だ!)

 

 神奈川県の、横浜市と大和市に接し、

 南部は相模湾に拓けた温暖な土地柄の、

 種川(たねがわ)市。

 

 その種川市内を、縦横無尽に走り回って

 読書好きな市民さんのもとへ

 本を読む喜びを届けてくれるのが、

 移動図書館の《めぐりん》なのでした。

 

 とはいえ、

 種川市民さんにはお馴染みの《めぐりん》も、

 ごく最近、大和市からこの種川市に転入してきた

 節子(せつこ)さんには

 『?』です。

 

 公民館に隣接している駐車場に

 マイクロバスのような車が停められていて、

 人が集まっている?

 笑い声も聞こえてくる?

 あれは……?

 

「としょかんッでスよゥ!」

「ぐるるがるるるるる~?」(←訳:借りてゆきませんか~?)

 

 移動図書館の車……

 そうと分かって、節子さんの記憶が蘇ります。

 

   故郷の、栃木県北西部の山間の集落にも、

   3週間に1度、

   移動図書館の車が来てくれたっけ。

   呼び名は、移動図書館ではなく、

   自動車文庫、だった……。

 

 車内に積み込まれていたたくさんの本と、

 ふるさとの思い出は、

 必ずしも楽しいものばがりではなく、

 節子さんは暫し立ち尽くします。

 

「ごあんしんくださいィ~!」

「がるぐるるる!がるぅぐるる!」(←訳:本はトモダチ!敵じゃないよ!)

 

 時間をかけ、ゆっくりと、

 《めぐりん》のメインスタッフである

 ウメちゃんこと梅園さん、

 テルさんこと運転手の照岡さんと

 打ち解けてゆく節子さん。

 

 実は、節子さんは或る《謎》……というか、

 《疑問》を抱えていました。

 

 その《疑問》が、

 《めぐりん》と出会ったことを機に

 解けてゆく……?

 

「ほわッ? いどうゥ~としょかんがァ??」

「ぐるがるぅ?」(←訳:謎を解くぅ?)

 

 あの頃と、いま。

 いまだからこそ、見えてくるもの。

 

 読み手を”昭和のむかし”へ連れて行く

 節子さんの物語『本は峠を越えて』をはじめ、

 5篇の短編が収録されている連作ミステリ作品は、

 ミステリ好きな方に限らず、

 本がだ~い好きな全活字マニアさんにおすすめですよ。

 ぜひ、一読してみてくださいね~♪

 

 

コメント
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