「こんにちわッ、テディちゃでス!
まつもとォせんせいィ~ッ!」
「がるる!ぐるるるぅるが~る!」(←訳:虎です!ヲタムちゃんさ~ん!)
こんにちは、ネーさです。
BSドラマ『舟を編む』最終回は涙また涙、涙……でした。
すべてのキャストさん&スタッフさんに拍手の嵐を、
とりわけ辞書だらけの玄武書房辞書編集部を造り上げた
美術チームさんにお疲れさま~!の拍手を送りながら、
さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― 秘密の花園の向こうへ ――
著者はアン・スウェイトさん、
原著初版は1974年、改訂版は2020年に、
画像の日本語版は2024年1月に発行されました。
英語原題は『BEYOND THE SECRET GARDEN The Life of Frances Hodgson Burnett』、
『フランシス・ホジソン・バーネットの生涯』と日本語副題が付されています。
「あはァ! ひみつのォはなぞのッ!」
「ぐるがるぐる~!」(←訳:名作児童文学~!)
『秘密の花園』(1911)、
それより以前に
『小公子』(1886)、
『小公女』(1905)、と
児童文学の傑作を著したのは、
フランシス・イライザ・ホジソン・バーネットさん(1849~1924)。
バーネット夫人、と表記される場合もありますね。
この御本は、フランシス・バーネットさんの伝記作品……
なんですけれども、
いやーもう、私たち日本人にとっては、
『えっ?』や『は?』が多くて、驚かされます。
「ぶんかのォ、ちがいィ?」
「がるるぐる?」(←訳:時代の違い?)
そもそも、御本冒頭の『はしがき』に記されている
著者・スウェイトさんの
”バーネットさんについて書きたい”と思ったきっかけが
最初の驚きです。
ある児童文学者が、
バーネット夫人は『派手な性格』で『魅力に欠け』
『成功しているときは得意満面』『支配欲が強く』
『気まぐれ』『自己中心的』『思い上がり』
であると指摘していることを知り、
ショックを受けた――
って、私たちだってショックでしょ?
派手な性格? 得意満面? 自己チュー?
何なの、このディスられっぷりは?
「どういうことォ~でスかッ??」
「ぐるるがるぐるぅ……?」(←訳:何かの誤解かなぁ……?)
バーネットさんは、
いったいどのような人物であったのか。
膨大な資料と記録から、
スウェイトさんは彼女の人生をゆっくりと、
しかし細部まで鮮やかに、浮かび上がらせてゆきます。
英国の工業都市マンチェスターに生まれるも、
早くに父を喪い、
シングルマザーとなった母に連れられ、
きょうだいたちとともに米国へ。
が、頼った先の親類は、
事業が傾き、一家の面倒をみるどころではありません。
フランシスさんたちは窮乏し、
日々の糧も満足に得られない……。
そんな苦しい暮らしを、救ったのは。
結果から言ってしまうと、
フランシスさんの文才、でした。
「おおゥ!」
「がるる~!」(←訳:そうか~!)
フランシスさん、正規の学校教育を受けたことも、
優秀な家庭教師に学んだこともないんです。
それでも、英国にいた頃、
身の周りにはいつも本がありました。
本の虫で、
妹や友人に”おはなし”を話して聞かせるのが大好きで。
ただ、作家になろうと考えたことはなかったんですけれども。
貧しさに悩むある日、
フランシスさんはふと気付きました。
雑誌に、物語を投稿したら?
「よいィあいであァ、でスゥ!」
「ぐるるるがるるぅ!」(←訳:うんうんいいぞぉ!)
すんなり、とは行かず、
ドタバタの末……
ついに、やりましたフランシスさん!
短編2篇が採用されて、計35ドルを獲得!
18歳にして作家人生の始まりです!
「やたッ!」
「がるっるぐる!」(←訳:良かったよう!)
この頃フランシスさんが書いていたのは
児童文学ではなく、
大人向けの小説作品でした。
それがどうして児童文学へと変針し、
大ヒット作『小公子』『小公女』を
刊行するに到るのか、
今も世界中で愛される名作『秘密の花園』が生み出されたのか、
スウェイトさんは調べてゆきます。
偉大な作家なのに、
なぜ、悪評がつきまとうのか。
噂話や悪評を越えた先にある、
フランシスさんの生涯とは。
「ずッしりィ!」
「ぐるるがるぐる!」(←訳:力作で大作です!)
作家として”成功”した華やかな人生と、
フランシスさんの私生活。
その両方を詳細に描き上げたスウェイトさんの労作は、
歴史好きな方々、
近代英文学好きな活字マニアさんにおすすめですよ。
『秘密の花園』を愛読する方々も、
ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪