「こんにちわッ、テディちゃでス!
きょうもォ、あきらめずにィ~!」
「がるる!ぐるるるがる!」(←訳:虎です!夜空観測です!)
こんにちは、ネーさです。
もう磁気嵐は終わって、オーロラは出ないのかなぁ……
見てみたいなぁオーロラ……
と野望に駆られて今日も天を仰いだ後は、
さあ、読書タイムですよ。
本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― ゴッホが見た星月夜 ――
著者はジャン=ピエール・ルミネさん、
日本語版監修は石坂千春さん、
原著は2023年に、画像の日本語版は2024年2月に発行されました。
仏語原題は『LES NUITS ÉTOILÉES DE VINCENT VAN GOGH』、
『天文学者が解き明かす名画に残された謎』と
日本語副題が付されています。
ヴィンセント・ヴァン・ゴッホさん(1853~1890)。
向日葵の画家さん、というよりも、
最も魅力的な夜空を描いた画家さん、
と呼びたくなるゴッホさんが、
今回の低緯度オーロラのニュースを知ったら、
即座にスケッチブックを抱えて
戸外へと走り出たことでしょう。
『夜のカフェテラス』(1888年)
『ローヌ川の星月夜』(1888年)
『星月夜』(1889年)
といった“星の夜空”を描いたゴッホさんの作品は、
ただごとでない美しさを湛えています。
「あざやかなァ、あおいろッ!」
「ぐるるるがる!」(←訳:キラめく星々!)
ゴッホさんは、それらの作品をどう描いたのか――
現実の、空に輝く星月たちを描き取ったのか。
気分のままに、キャンバスに絵の具を置いていったのか。
つまり、
ゴッホさんの『星月夜』は、
リアルなのか、
フィクションなのか?
その考察と実証に取り組んだのが、
著者のルミネさんです。
ルミネさんは、
マルセイユ天体物理学研究所に所属する天体物理学者であり、
フランス国立科学研究センター研究名誉部長さん、なんです。
専門は、ブラックホールおよび宇宙論、ですって。
「てんたいィぶつりがくゥ?」
「がるるるる!」(←訳:本職さんだ!)
そう、天体物理学者さんが調査に乗り出すくらいです、
ゴッホさんはデタラメに、勝手気ままに
星月夜を描いたのではありませんでした。
妹のウィル・ヤコバさんへの手紙では
『星空を描きたくてたまらない』
と文章にしたことも、
弟・テオさん宛に
『星月夜』のスケッチ画を添えた手紙や、
デッサン10枚を送ったこともありました。
また、雑誌『天文学』の熱心な読者でもあったのです。
「にゅうねんなァじゅんびィ、したのでスゥ!」
「ぐるるるるがるぐるる!」(←訳:デタラメなはずないよ!)
青を背景に光を放つ
月、金星、アルデバラン、
みずがめ座、うお座、おひつじ座、
東西南北、地平線、
建物や河岸の形、教会の塔の位置。
さまざまなデータから明らかになってゆくのは、
驚異的な観察力……!
「ごッほさんッ、もしかしてッ?」
「がるぐる??」(←訳:写実主義??)
ゴッホさんが画布に投じた、
消えることのない輝き。
ゴッホさんの作品図版だけではなく、
スケッチ、弟テオさんへの手紙、
写真、正座や天体の配置図など、
関連資料も数多く収録されています。
アート好きな活字マニアさん、
天文好きな方々も、
ぜひ、手に取ってみてくださいね♪