「こんにちわッ、テディちゃでス!
まッどまッくすとォ、ほくとのけんッ!」
「がるる!ぐるるるがるる~?」(←訳:虎です!どちらが先なの~?)
こんにちは、ネーさです。
映画《マッドマックス》シリーズと漫画《北斗の拳》、
どちらが先か?と調べたら、《マッドマックス》でした。
最新作『マッドマックス フュリオサ』CMの異世界っぷりに驚愕しつつ、
さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― 恋文道中記 ――
著者は野村胡堂(のむら・こどう)さん、
2024年2月に発行されました。
【銭形平次捕物控】と副題が付されています。
前回記事では、名探偵ホームズさんの偉業につながる
『シャーロック・ホームズの護身術 バリツ』
を御紹介いたしました。
そして、今回登場いただくのは、
”ホームズさんに影響を受けた日本の名探偵”のひとり、
銭形平次(ぜにがた・へいじ)さん!
「おかねはァ、たいせつにィ!」
「ぐるるるがるるぅぐる!」(←訳:ホントは投げちゃダメ!)
ええ、御安心ください、
平次さん、決してお金を粗末に扱ったりはしませんから。
むしろ、平次さんの顔を暗くさせるのは、
犯罪者をみすみす逃してしまう、ということの方で。
どれほど評判高い十手持ちであろうと、
管轄区域を越えての犯罪捜査は許されません。
現にいま、品川の海のほとりで、
平次さんは歯噛みしています。
ここから先は、
関八州(かんはっしゅう)と呼ばれる部局の縄張りで、
自分たち”八丁堀”の者は手出しできない。
眼の前を、或る事件の容疑者がテクテク歩いてゆこうと、
平次さん、見ていることしか出来ないんです。
ところが、そこへ。
「おやぶゥ~んッ!」
「ぐっる~がる!」(←訳:待って~親分!)
ああくたびれた、お茶が呑みてぇと、
ドタバタな足取りで現れたのは、
平次さんのもとで働く八五郎さんでした。
八五郎さんが言うには、
容疑者たちをどこまでも追いかけろ!
と特別な指図が出たそうで。
つまり、平次さんは担当エリアを越境して、
追跡捜査をしてもいいぞ!と。
「おォ~やッたでス!」
「がるるぅ!」(←訳:朗報だぁ!)
越境捜査も許されてしまうくらいの、
重大な事件とは……
盗まれた恋文。
「……あッ?」
「ぐるる!」(←訳:あわわ!)
はい、著者・胡堂さんのニヤリ顔が目に浮かびますね。
貴人の筆になる、
公になるのは少々よろしくないお手紙三通が
外部へ持ち出されてしまった……
もしもお手紙が某所に届けられたなら、
大規模なお家騒動が起こるのは明らかである、
行動するのだシャーロック!と、
マイクロフト・ホームズさんならいかにも言いそうだわ。
平次さんにとっては、
”嫌な仕事“ではありますが、
お家騒動が現実のものになったら、
確かに、大勢が生命を落とすことになる……。
「それならァ、さッさとォ~」
「がるるぐるるるるぅるるぅる!」(←訳:お仕事済ませちゃいましょう!)
”盗まれた手紙”をめぐる
さまざまな思惑と、
平次さんたちの追跡旅行の、決着は?
今日5月16日は、
松尾芭蕉さんが『奥の細道』の旅に出立した日であることから
《旅の日》に制定されています。
手紙を追う旅を描いた表題作品『恋文道中記』、
八五郎さん大パニック?な『八五郎受難』
の2作品を収録した平次親分の探偵譚を、
皆さま、ぜひ~♪
付記 : 《北斗の拳》のコンセプトは、
『マッドマックスの世界にブルース・リーさんが現われたら?』
だという説を聞いた記憶があります。
なぁるほど、ですね。