「こんにちわッ、テディちゃでス!
たんていィさんッ、でばんッなのでスよゥ!」
「がるる!ぐるるがる!」(←訳:虎です!異色で才人!)
こんにちは、ネーさです。
欧州が誇る《探偵》がホームズさんだとすれば、
新大陸・米国を代表する《探偵》とは――
さあ、本日の読書タイムは、
全ミステリ愛好家さん必読の、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― チャンドラー講義 ――
著者は諏訪部浩一(すわべ・こういち)さん、
2024年12月に発行されました。
『LECTURES on RAYMOND CHANDLER』と英語題名が付されています。
「あはァ! めいたんていィさんッ!」
「ぐるるがる!」(←訳:西海岸のね!)
米国の西海岸をベースとする
探偵フィリップ・マーロウさんの物語は、
ここ日本でも長く愛されている作品ですね。
そして、マーロウさんの”創造主”とも言えるのが、
作家レイモンド・チャンドラーさん(1888~1959)。
この御本では、
『講座』の形を取りながら、
チャンドラーさんの生涯と
作品の研究・解説が綴られてゆきますよ。
「はじまりィはァ~…ちゃりりんッ!」
「がるるぐるる!」(←訳:数枚のコイン!)
街角の小さな販売店――
新聞や雑誌、キャンディなどを売っている
ささやかなスタンドに並ぶ雑誌のお値段は、
わずか10セント。
10セント=1ダイム(Dime)で買えるために
ダイムノヴェル(Dime Novels)などと呼ばれた
安価で粗悪な紙の雑誌から、
チャンドラーさんのキャリアはスタートしました。
著者・諏訪部さんは、
作家デビューする以前の、
チャンドラーさんの少年時代から、
次第に小説家として名を成し、
脚本家として映画界に参入し、
やがて作家生活に戻ってゆく
チャンドラーさんの軌跡を、
共感と憧憬を込めて描き出します。
また、
第一講『イントロダクション』
第二講『チャンドラー以前のチャンドラー』
第三講『パルプ作家時代』
第四講『マーロウ登場』
第五講『シリーズの始まり』
第六講『弱者の味方』
第七講『戦争の影』
第八講『チャンドラー、ハリウッドへ行く』
第九講『依頼人のいない世界』
第十講『《人間》としてのマーロウ』
第十一講『チャンドラー文学の到達点』
第十二講『未完のプロジェクト』
という12の講義のうち、
第10講と第11講が
長編作品『ロング・グッドバイ』解析に費やされています。
「めいさくゥなのでス!」
「ぐるがる!」(←訳:最高傑作!)
『ロング・グッドバイ』を
”チャンドラー文学の到達点”だと
讃える諏訪部さん。
一方、その“栄光”の代償であるかのように、
チャンドラーさんの健康は
妻シシ―さんの病没をきっかけに、
少しずつ、損なわれてゆきました……。
「おさけェ、だめでスよゥ!」
「がるるるぐるる~!」(←訳:飲みすぎないで~!)
お店を開けたばかりの、
床がきれいに掃かれた清潔なバーで、
友人とふたり、
静かに傾けるギムレット。
すべてが幻のような、別れの物語。
作家チャンドラーさんを敬愛する方々に、
映画好き&映画史好きな方々にも
おすすめの一冊です。
ぜひ、本屋さんで探してみてくださいな♪
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