「こんにちわッ、テディちゃでス!
ひゃわわァ! がしつィ、きれいィでス!」
「がるる!ぐるがっるる!」(←訳:虎です!黒がくっきり!)
こんにちは、ネーさです。
昨日6月8日にNHK BS4Kで放送された
『ブレードランナー ファイナル・カット 4K版』の画像の、なんたる精細さ!
これは、4Kを録画できる機器を揃えなアカンよ、
という天の声かと呆然としつつ、
さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― ミステリな建築 建築なミステリ ――
文は篠田真由美(しのだ・まゆみ)さん、
イラストは長沖充(ながおき・みつる)さん、
2024年3月に発行されました。
『Mysterious Architecture・Architectural Mystery』
と英語題名が付されています。
「めいけんちくゥとォ、めいさくゥみすてりィ!」
「ぐるるがるるるるる~!」(←訳:相性がいいんだよね~!)
E・A・ポーさん作『アッシャー家の崩壊』以来、
名作ミステリにはしばしば、
”ただならぬ”建築物が登場します。
いえ、ミステリだとか、フィクションだとかに限らず、
名建築には、ドラマに相応しい風格があり、
独自の歴史を備えていますよね。
この御本では、
第一部『建築のミステリを読む』
で現実に存在する建物のミステリが、
第二部『ミステリを建築で読む』
でミステリ作品の中に描かれた建築が取り上げられています。
現実世界、あるいは空想世界の平原に屹立する
幻のホテルや、
暗黒の城館をめぐるエッセイは、計15編。
その15編の中のイチ推しは?と訊かれたら……
はい、↓こちらです!
『鹿鳴館は若きコンドルの失敗作だったのか
敢えて定説に異を唱える試み』
「あはァ! ろくめいかんッ!」
「がるぐるる!」(←訳:あの有名な!)
ええ、そうです、”あの有名な”鹿鳴館です。
1883年、現在の帝国ホテルに隣接する土地に
明治政府が大金を投じて建設した“迎賓館”こそ
鹿鳴館(ろくめいかん)でした。
しかし、政府の威信をたっぷり詰め込んだ
豪華絢爛な建築は、全方位からの批判を浴びることに。
「ふまんッ、ぷんぷんッ!」
「ぐっるるる~!」(←訳:カッコ悪い~!)
外務卿・井上馨さんが失脚して後は、
歴史の表舞台から卒然と姿を消した明治の不夜城の、
真の姿かたちは、どんなものであったろう?
フランスの海軍士官として
当時の日本を訪れたピエール・ロチさんは、
温泉町のカジノ、と酷評していて、
このロチさんの見解が現代でも
繰り返し引用されている……けれど。
本当に、そうだったのか?
取るに足りない、価値ゼロの半端な折衷建築?
日本にやって来たばかりの設計者ジョサイア・コンドルの、
”若さゆえのミス”案件だったのか?
残された僅かな資料や証言から、
篠田さんが見出した『鹿鳴館』とは。
「こッちのもォ、どきどきィ!」
「がるぐるるるぅ!」(←訳:胸が熱くなるぅ!)
第二部の後半には、
小栗虫太郎さん作『黒死館殺人事件』、
中井英夫さん作『虚無への供物』という
名作中の名作も登場します。
とりわけ、『黒死館』の章では、
作者・小栗さんと解析者・篠田さん、
御二方の間に青白い火花がスパークしているかのような凄味が……!
「まッ、まぶしいィ!」
「ぐるるがるるぐるがる!」(←訳:挑戦と冒険の一編です!)
『黒死館殺人事件』の冒頭近くで、
黒死館は北相模(きたさがみ)の地に建てられた、
と小栗さんは著しています。
相模(現・神奈川県相模原市)のお隣りの、
多摩エリアに住む私たちは、考えてしまいますね。
黒死館は、どこにあったのだろう?
……もしかして、今もある、のだろうか?
あの丘陵を越えた辺りに?
ミステリ好きな活字マニアさんにとっては
まことに幸福な、
愉しいひとときを与えてくれる一冊です。
もっちろん、建築好きな方々も、
ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪