「こんにちわッ、テディちゃでス!
しゅうまつはァ、おかいものォびよりィ??」
「がるる!ぐるるがるるぐるるる!」(←訳:虎です!半期に1度のSALE!)
こんにちは、ネーさです。
今週末からSALE開始!
というデパートやショップは多そうですね。
明日はお出掛けしてバリバリ買い物したいぞ!と野望に燃えながら、
さあ、本日の読書タイムは、こちらのエッセイ作品を、どうぞ~♪
―― 旅のつばくろ ――
著者は沢木耕太郎(さわき・こうたろう)さん、
単行本は2020年に、画像の文庫版は2023年11月に発行されました。
JR東日本の新幹線機内誌『トランヴェール』に
連載されたエッセイを書籍化した作品です。
「あはァ! つばめさんッ!」
「ぐるがるるるるる!」(←訳:よく見かけるよね!)
ちょうど今――6月は、
日本へ渡って来たツバメさんたちが
巣作り&子育てで賑やかなシーズンですね。
我が家の周りでもツバメさんたちが
ピーピーと騒いでいましたが、
もしや、あのピーピーの内容は……
「たびだちィ、ちかしィ~!」
「がるるるる!」(←訳:飛行訓練だ!)
著者・沢木さんがツバメさんのように、
《旅を愛する》
あるいは、
《旅に生きる》御方であるのは、
『深夜特急』をはじめとする数々の作品から
よく知られていることですね。
この御本では、
帯に『初の国内旅エッセイ』と記されていますように、
日本国内の旅模様が綴られています。
回想で辿るのは、
”はじめての旅”。
16歳の沢木さんは、
JRの前身『国鉄』が発行していた均一周遊券を握りしめ、
東北一周の旅に出たのでした。
「うふふッ♫ がくせいィなのでェ~」
「ぐるるるが~る!」(←訳:貧乏旅行で~す!)
手元にあるのは、
小さな時刻表と簡単な地図だけ。
ガイドブックを買う余裕はなかったけれど、
気に入った名前の土地があるとそこへ向かうという、
沢木さん御自身でも
”かなり大雑把”と感じる旅、です。
いや、大雑把とおっしゃいますけど、
実は、これ以上に贅沢で、豊かな旅って
そうそうないんじゃありません?
行きたいところへ、行く。
時間も、日付けも、何も気にせず、
周遊チケットのルールが許す限り、
どこどこまでも。
「とびきりのォ、ぼうけんッ!」
「がるぐぅる!」(←訳:最高じゃん!)
その16歳の旅の日々で、
沢木さん、或る理由から怖気付いてしまい、
訪れることが出来なかった土地がありました。
津軽半島の、龍飛岬。
以来ずっと、いつか行こうと思い続けて50年。
”いつか”を回収すべく、
いざ、旅支度!
「よゥしッ、いッたるぜィ!」
「ぐる~!」(←訳:出発~!)
本文57ページの
『終着駅』、
その続編といえる
『風の岬』『なりつづける』『人力飛行機』は
この御本の白眉!……と言いたいところですが、
『太宰の座卓』(91ページ)、
『過去への回路』(164ページ)
も、激おすすめですよ。
巻末の『文庫版あとがき』も含めて、
旅好きな活字マニアさんは、
ぜひ、一読してみてくださいね♪