テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 達人、荒野をゆく ② ~

2024-08-15 22:03:50 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 たいふうゥ、きませんようにィ~!」

「がるる!ぐるるるる~…」(←訳:虎です!お盆休みが~…)

 

 こんにちは、ネーさです。

 台風7号が接近する今日から明日にかけ、

 交通や物流、観光などに影響が出そうですね。

 できるだけの対策を整えたら、

 さあ、本日の読書タイムは、引き続きこちらの御本を、どうぞ~!

  

 

 

           ―― MASTER キートン ――

 

 

 著者は勝鹿北星(かつしか・ほくせい)さん、

 浦沢直樹(うらさわ・なおき)さん、

 コミックス第1巻は1989年に発行されました。

 

 前回記事では、

 主人公・平賀=キートン太一さんの

 プロフィール等を御紹介いたしました。

 今回は、数ある作品の中から、

 幾つかの作品をピックアップしてみますよ。

 

「だいひょうゥさくゥ、なのでス!」

「ぐーるるがるぐるる!」(←訳:キートンさん大活躍!)

 

 考古学者にして、

 元SAS(英国特殊空挺部隊)の曹長、

 保険会社の依頼を受けて行動する調査員――

 

 キートンさんのユニークさが

 存分に発揮されているのは、

 コミックス第1巻の

 CHAPTER 5『黒と白の熱砂』と

 CHAPTER 6『砂漠のカーリマン』。

 

 砂漠の遺跡発掘現場へ、

 ロイド保険会社の代表として派遣された

 キートンさんが目にしたのは、

 現地の住民との対立、

 発掘隊内部の意見の相違、

 思い込みと独断から始まる

 遺跡の破壊と、暴力行為……

 

 紛争、いえ、戦争の序曲といえる状況に、

 キートンさんはどう対応するのか。

 前後編で描かれる物語からは、

 キートンさんの理念と

 人となりが伝わってきます。

 

 他者への敬意を欠いてはいけない。

 よそ者がズカズカ踏み込んじゃいけない場所が、

 世界中にはたくさんある。

 

「きほんッ、なのでスよゥ!」

「がるるぅぐる!」(←訳:忘れちゃだめ!)

 

 そう、他者を侮り、敬意を欠いた行いをすると

 何が起こるか。

 

 コミックス第8巻の

 CHAPTER1『豹の檻』

 CHAPTER2『カルーンの鷲』

 CHAPTER3『アナトリアの蟻』

 CHAPTER4『死の都市の蠍』

 CHAPTER5『井戸の中の鼠』

 と、5話で構成されるのは

 アラブの歴史と現在をテーマにした連作です。

 

 近代の西欧列強国が

 他者=他国をどう扱い、そこで何をしたか。

 

 21世紀の今も、問題は解決されるどころか、

 亀裂は大きくなってゆくばかり……

 

 私たち読み手は痛感させられます。

 幸福な着地などどこにもない、

 それが戦争なのだと。

 

「ぜッたいィ~はんたいィ!」

「ぐるがる!」(←訳:NO戦争!)

 

 ヒトは、世界とどう向き合うべきなのか。

 

 戦争を想う日――8月15日、

 ずっしりと手に重く感じる

 《MASTER キートン》シリーズ、

 全活字マニアの皆さま、

 ぜひ、一読を。

 

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