「こんにちわッ、テディちゃでス!
たいふうゥ、きませんようにィ~!」
「がるる!ぐるるるる~…」(←訳:虎です!お盆休みが~…)
こんにちは、ネーさです。
台風7号が接近する今日から明日にかけ、
交通や物流、観光などに影響が出そうですね。
できるだけの対策を整えたら、
さあ、本日の読書タイムは、引き続きこちらの御本を、どうぞ~!
―― MASTER キートン ――
著者は勝鹿北星(かつしか・ほくせい)さん、
浦沢直樹(うらさわ・なおき)さん、
コミックス第1巻は1989年に発行されました。
前回記事では、
主人公・平賀=キートン太一さんの
プロフィール等を御紹介いたしました。
今回は、数ある作品の中から、
幾つかの作品をピックアップしてみますよ。
「だいひょうゥさくゥ、なのでス!」
「ぐーるるがるぐるる!」(←訳:キートンさん大活躍!)
考古学者にして、
元SAS(英国特殊空挺部隊)の曹長、
保険会社の依頼を受けて行動する調査員――
キートンさんのユニークさが
存分に発揮されているのは、
コミックス第1巻の
CHAPTER 5『黒と白の熱砂』と
CHAPTER 6『砂漠のカーリマン』。
砂漠の遺跡発掘現場へ、
ロイド保険会社の代表として派遣された
キートンさんが目にしたのは、
現地の住民との対立、
発掘隊内部の意見の相違、
思い込みと独断から始まる
遺跡の破壊と、暴力行為……
紛争、いえ、戦争の序曲といえる状況に、
キートンさんはどう対応するのか。
前後編で描かれる物語からは、
キートンさんの理念と
人となりが伝わってきます。
他者への敬意を欠いてはいけない。
よそ者がズカズカ踏み込んじゃいけない場所が、
世界中にはたくさんある。
「きほんッ、なのでスよゥ!」
「がるるぅぐる!」(←訳:忘れちゃだめ!)
そう、他者を侮り、敬意を欠いた行いをすると
何が起こるか。
コミックス第8巻の
CHAPTER1『豹の檻』
CHAPTER2『カルーンの鷲』
CHAPTER3『アナトリアの蟻』
CHAPTER4『死の都市の蠍』
CHAPTER5『井戸の中の鼠』
と、5話で構成されるのは
アラブの歴史と現在をテーマにした連作です。
近代の西欧列強国が
他者=他国をどう扱い、そこで何をしたか。
21世紀の今も、問題は解決されるどころか、
亀裂は大きくなってゆくばかり……
私たち読み手は痛感させられます。
幸福な着地などどこにもない、
それが戦争なのだと。
「ぜッたいィ~はんたいィ!」
「ぐるがる!」(←訳:NO戦争!)
ヒトは、世界とどう向き合うべきなのか。
戦争を想う日――8月15日、
ずっしりと手に重く感じる
《MASTER キートン》シリーズ、
全活字マニアの皆さま、
ぜひ、一読を。