「こんにちわッ、テディちゃでス!
ううむゥ! たんぺんえいがァ、みたいでスゥ!」
「がるる!ぐるがる!」(←訳:虎です!力作だよ!)
こんにちは、ネーさです。
2日前の公開された米津玄師さんの『がたくた』MVの、
見る者を呪縛するような深淵……!
今日も思わずヘビロテしながら、
おっと、読書タイムも忘れてはいけませんね。
では、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― 完本 神坐(いま)す山の物語 ――
著者は浅田次郎(あさだ・じろう)さん、
2024年6月に発行されました。
東京・多摩エリアの¨霊山¨といえば、
高尾山(たかおさん)と、
御嶽山(みたけさん)が広く知られています。
(注:御岳山と表記する場合もあります)
そして、
著者・浅田さんのお母様の出身は
御嶽山にある武蔵御嶽神社とあって、
浅田さんは御嶽神社を舞台とする《こわい話》を
語ってきたのですが。
「かんぽんッ??」
「ぐるっるぅるる?」(←訳:終わっちゃうの?)
終わってほしくない、いつまでも続いて欲しいのに、
と、しょんぼりしつつ、
御本を手に取ってみれば、
たちまちのうちに意識は御嶽の山へと飛んでゆきます。
この『完本』には、
既に文庫化されている作品9編と、
書き下ろし作品『山揺らぐ』、
単行本未収録であった
『長いあとがき あるいは神上りましし諸人の話』
が収録されています。
時期的にひどく衝撃的だったのは、
やはり何と言っても
『山揺らぐ』でしょうか。
揺らぐ――この言葉からも想像できますように、
背景となっているのは、
大正12年(1923年)9月1日に発生した
関東大震災です。
「なにかァ、きこえまスゥ!」
「がるーっるぐるる!」(←訳:ゴオーッていう音!)
正午より、わずかに前。
巨大な¨うねり¨が関東平野を襲いました。
東京の西、奥多摩に位置する御嶽山へも、
禍々しい¨うねり¨の牙が迫り来る様子を、
山上の神社に暮らす人々は目撃します。
平野も、麓も、山上も、
百年に一度の天災に為す術はなく。
揺れがようやっと治まってからも、
禍々しい出来事が次々と。
「こわいィでス!」
「ぐるがるぐる!」(←訳:怪談より怖い!)
いままで、東京や横浜の市街地で
関東大震災を経験した小説や映像作品はありましたが、
奥多摩の山の上という、
特殊な場所で遭遇した地震を描いたのは、
浅田さんが初めて、かもしれません。
神社に人びとは、はたして、
未曽有の難事とどう対峙し、
悲劇を乗り越えるべく努めたのか。
「どうかァ、おわらないでェ!」
「がっるぐるるる!」(←訳:もっと知りたい!)
物語全体を象徴する、
お狐さまをも調伏する験力の主・ヒゲのおじいさん。
¨視えるひと¨であったヒゲのおじいさんには、
その大きなチカラに見合うほどの
凛々しくも壮絶な若き日々があったに違いなく、
できることなら、ヒゲのおじいさんの一代記を
読んでみたいものです。
全活字マニアさんに激おすすめの、
近くて遠い御山のものがたり、
ぜひ、一読してみてくださいね♪