テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 涼風を待ちながら ~

2012-08-02 23:02:44 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 2012ロンドンオリンピック自転車競技タイムトライアル男子は
 英国のB・ウィギンズさんが勝利!
 開催国である地元・英国に金メダルをもたらしました~!

「こんにちわッ、テディちゃでス!
 おめでとうッ、うぃぎんずさんッ!」
「がるる!ぐーるぐるるがるるぐる!」(←訳:虎です!ツールに続いての栄光!)

 適度に涼しいロンドンでの熱いメダル争奪戦!
 ……一方、こちら日本では。

「あついィでス! へとへとォ、でス!」
「ぐるがるがるる~!」(←訳:雨が欲しいよ~!)

 空には雨雲ひとつなく、
 連日の熱帯夜……そんな猛暑日の読書タイムには、
 こちらの御本を、さあ、どうぞ~!

  


 
                ―― 雲の王 ――


 
 著者は川端裕人(かわばた・ひろと)さん、2012年7月に発行されました。
 いま本好きさんの間で話題になっている小説ですね!

「くものォ、おうさまッ??」
「ぐるっるがるるぐるる?」(←訳:それってどんな王さま?)

 雲――大地に雨を降らせる、
 もこもこ、ぷわぷわ、しゅわしゅわっとした白い塊り。
 ときには灰色、黒、虹色、夕焼け色と、
 千変万化する空の王者は、
 いったいどういったモノなのか。

 空を見上げ、日夜、雲に想いを馳せているのは
 この物語の主人公の南雲美晴(なぐも・みはる)さん。
 
 美晴さんの職業は、気象観測です。
 気象台に務め、
 観測気球を空に放ち、
 天気予報のために必要な
 高層大気のデータを取り、
 業務報告を作成し、
 観測日誌に仔細を記す――

「おてんきよほうゥのォ、おねえさんッ、でスかッ?」
「がっるぐるっがるる!」(←訳:もっとプロっぽいよ!)

 気象予報士さんではないけれど、
 美晴さんは、雨の匂いを嗅ぎ取ることが出来ます。
 そして、また――
 
 《雲》を視ることも。

「くもをォ、みるゥ??」
「ぐるるがるがる?」(←訳:風向を読むの?)

 昔むかしの言葉では、観天望気(かんてんぼうき)といいました。
 空を見、その後の気象の推移を予測すること。
 晴天か? 曇天か?
 はたまた大雨や嵐の荒天か?
 気象観測衛星など無い時代、それはどれほど困難なことだったでしょう。

 或る日、美晴さんは知ります。
 自分が《雲》と呼ばれる一族の出身であることを。
 そして、《雲》とは、
 古来より、
 大気=空を観、
 気象を読んで、
 さらには天候を操りさえする者たちであったのだと。

「ふァ~?? そんなァことがッ??」
「がるぐっるるっ??」(←訳:出来ちゃうのっ??)

 美晴さん自身も、はあ??と思っているようですよ。
 御両親を早くに亡くしてしまった彼女は、
 お兄さん以外に親類縁者がいるとは
 全く知らなかったのです。

 いったい自分は何者なのか?
 
 不安と期待を抱きながら、
 息子さんの楓太(ふうた)くんとともに
 謎を追いかけてゆきますが、
 行く手には、
 巨大な《雲の王》が――!

「あれはッ、たいふうゥッ??」
「ぐるるぅ!」(←訳:大型だぁ!)

 SF、ファンタジィ、ミステリ、歴史小説、と
 多様なエンタ要素をミックスして
 もくもく膨らむ入道雲のように
 広大に、雄大に、織り上げられた物語は、
 “夏”にふさわしい一冊です。

 この暑さもあってか、
 読み進むうち、
 真剣に考えてしまいましたよ……むかしの人々が切望した《慈雨》、
 大地を優しく冷やし潤す《恵みの雨》を!

「なつやすみィにッ!」
「ぐるるるがるがる!」(←訳:おすすめなのです!)
 
 
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