テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 《怪》なる名作、ふたたび ~

2025-02-11 22:03:51 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 こッこわくないィ、こわくないィでスゥ!」

「がるる!ぐるがる~…!」(←訳:虎です!でも怖い~…!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 今日2月11日、《建国記念の日》の読書タイムは、

 日本的な、たぶんどこまでも日本的な、

 あの有名な物語をご紹介いたしますよ。

 さあ、こちらを、どうぞ~♪

  

 

 

             ―― 嗤う伊右衛門 ――

 

 

 著者は京極夏彦(きょうごく・なつひこ)さん、

 単行本初版は1997年6月に、

 画像の新装版は2024年10月に発行されました。

 『嗤う伊右衛門』は『わらういえもん』とお読みくださいね。

 

「あわわッ、これがァあのォ~…!」

「ぐるるがるぐる!」(←訳:東海道四谷怪談!)

 

 おそらく、日本で最も有名な怪談――

 鶴屋南北さんの『東海道四谷怪談』をベースに

 人気作家・京極さんが著した

 『嗤う伊右衛門』は、

 第25回泉鏡花賞を受賞した名作”怪談”です。

 

 現在は、文庫版や、電子書籍版も刊行されていますけれど、

 なんと、新装版の単行本が登場しました!

 

 本編である小説はそのままに、

 装幀と装画を変えて、

 巻末には、

 高田衛さんによる解説2作品

 『京極夏彦と《四谷怪談》と』

 『恐怖の戯作、畏るべし 《嗤う伊右衛門》と京極夏彦』、

 高田衛さんと京極夏彦さんの対談

 『生きている怪談』

 が収録されています。

 

 この解説2編と対談がすばらしい!ので、

 『嗤う伊右衛門』は既に読んでます!という方々も

 見逃しちゃダメですよ。

 

 そして、

 『嗤う伊右衛門』を初めて読みます、という御方は、

 覚悟してください。

 

 怖いです。

 

「ひいィっ!」

「がるぅ!」

 

 民谷又座衛門(たみや・またざえもん)さんは、

 お婿さんを探しておりました。

 

  我が子・岩(いわ)は、

  美しい娘である、いや、美しい娘だった。

  いまは……今は……疱瘡に罹ったがために、容貌が……

  あれでは、婿は望めまい。

 

 なんとかしようと、

 又座衛門さんが頼ったのは、

 御行(おんぎょう)の又市(またいち)さん。

 別名を、小股潜りの又市、とも謂う、

 言葉巧みに、無理を無理でなくしてしまう彼ならば、

 もしかしたら……?

 

 又座衛門さんの期待通り、

 又市さんはお婿さんを見つけ、

 民谷家に連れて来ました。

 

 境野伊右衛門さんという、

 無表情な、しかし、

 お岩さんの容貌など気にしない婿どのを。

 

 又座衛門さんは、

 ああ良かった、ひと安心、

 と気を緩めてしまったのでしょうか、

 婚礼後ほどなくして、冥途へ。

 

 すると、

 残されたふたりの身辺に――

 

「すすすゥ、すとッぷゥ!」

「ぐるるるがる~!」(←訳:ネタバレ厳禁~!)

 

 名高い《四谷怪談》でありながら、

 どっしりと《怪》の衣をまといながら、

 まったく異なる色合い、形の、

 岩さんと伊右衛門さんの、ものがたり。

 

 終盤の、

 容赦なくたたみかけてくる京極さんの筆に、

 私たち読み手は戦慄します。

 岩さんの、

 伊右衛門さんの、幸福とは――

 

 伊右衛門さんの未来が行き着く場所へ、

 皆さまも、ぜひ♪

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