テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 渦巻く草花の美 ~

2008-07-07 13:37:30 | ブックス
「くんくんッ♪ おおッ、いんぐらんどォ!
 ネーさ、いんぐらんどォのォ、においィがァするでスよッ♪
 はてッ? このォ、ひげおじさんはァ、なにものッ?」

 お髭もじゃもじゃのこの御方は、ウィリアム・モリスさんですよ、テディちゃ。
 デザイン界では知らぬ者のない巨匠さんです。
 さあ、本日はその巨匠さんの生涯と業績をぎゅぎゅっと詰め込んだ
 こちらの御本を、どうぞ!



            ―― 図説 ウィリアム・モリス ――



 著者はダーリング・ブルースさん&ダーリング・常田益代さん、
 ’08年5月に発行されました。
 副題に『ヴィクトリア朝を越えた巨人』とあります。

「ふゥ~むッ。えらいィひとォ、みたいでスゥ……」

 デザイン界の巨匠、と申しましたが、
 モリスさんは詩人であり、作家であり、画家であり、実業家であり、
 翻訳家であり、染色家であり、園芸家であり……

「むひゃッ、いそがしィ~」

 はい、多才な巨匠さんは忙しい御方でした。
 しかし、モリスさんがたくさんの小説や御本のデザイン&装丁、
 壁紙や家具の制作をして下さったおかげで、
 私たちは作られた当時のままの作品を美術館で目にしたり、
 複製された布地を手に入れたりすることが出来るのです。
 
 モリスさんのデザインは
 副題にあるように『ヴィクトリア朝を越え』ていました。
 曲線豊かで流麗な草花模様は、アールヌーヴォー。
 それでいて、建築の外壁の簡素なラインにはアールデコに通じるものがあります。
 19~20の両世紀をまたぐ巨人さん、ですね。

「さッすがァ、いんぐらんどのォ、ひげおじさんッ♪
 むかうゥところォてきなしッ、なのでスッ♪」

 えー、そのぅ、敵なしとは申せません。
 モリスさん御自身がぼやいたそうですが、
 油絵の人物像は苦手でした。
 
 草花や蔓草の下絵は素晴らしいんですけど……油彩は……。

「いッ、いィんだもォんッ!
 のーばでぃず・ぱーふぇくとォ、なんだもんッ!!」

 そうですね。
 古代エジプトやイスラム美術を取り入れたモリスさんの作品は深く根を張り、
 21世紀となった現在でも、
 そこここに《美》の花を咲かせています。

 パッと見たところでは、入門書かな?と思ってしまうこの御本ですが、
 モノクロの写真とスケッチ画には珍しい図版が掲載されています。
 ですので、ラファエロ前派大好き!な御方はぜひ!
 D・G・ロセッティ好きのネーさも楽しく拝見いたしました♪
 英国好きのテディちゃは、もちろん――

「ふァいッ!
 たのしィ~だッたのでス♪」

 お奨め!いたします♪
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