テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

アメ横☆アナザーサイドストーリー。

2008-04-23 13:48:35 | ブックス
 はい、本日ご紹介しますのは、
 私たちの住まう多摩地方とは同じ東京都内でありながら、
 随分と違う或る《街(まち)》の物語です。

「それッてェ、どこでスかァ、ネーさ?」

 アメ横、って、テディちゃは知っていますか?
 上野駅から御徒町駅の高架線下を中心に形成される『アメ屋横丁』――
 どんなところかな?と思うなら、さあ、こちらの御本をどうぞ!



              ―― 夜を守る ――


 
 著者は石田衣良さん、’08年2月に発行された作品です。

 特定の街(ストリート)を舞台にした石田さんの著作、というと、
 想い起こされるのは、やはり、『池袋ウエストゲートパーク』シリーズ。
 刊行されたばかりのこの御本では、しかし、
 池袋とは異なる風が吹いているようです。

 『池袋WGP』のマコトくんは、誕生時、
 既にしてトラブルシューターとして存在していました。
 実家の果物屋さんを手伝い、確固とした足場を持って《街》を泳ぎます。

 一方、こちらアメ横で主人公となるのは、
 川瀬繁くん――
 フリーター。アパート住まい。悲観的で?人間不信気味?
 そう、マコトくんとは別人、なのです。

 そんな彼が、ふとしたきっかけで、
 ガーディアンエンジェルズのような
 ボランティア活動に手を染めることになりました。

「がーでィあんッ!
 ネーさ、テディちゃもォ、しッてるでスよ!
 がーでィあんのォ、おにいさんたちィ、みたことあるのでスッ!」

 あら、そうなんですか? どこで?

「きちじょーじィ、なのでス!
 おまつりィのォ、ときだッたでスよッ」

 では、ガーディアンさんたちは、
 混雑する街のパトロールをしていたんでしょうね。

「あかいィ、べーれーぼう、かぶッてたでス♪」

 アメリカで始まった本家ガーディアンさんたちが被るのは、赤いベレー帽。
 川瀬くんたちのアメ横版ガーディアンは、青色のベレー帽です。
 揃いのスタジャン、腰には無線、
 雨の日はカッパを着込み、
 自転車整理に励むのでした。

「じてんしゃァ?」

 乱雑に停められた自転車を片付けることから、
 アメ横ガーディアンの活動は始まったのです。
 が、活動が知られるにつれ、四人のガーディアンの周囲で事件が……?

 池袋とはまた別の、
 東京の《街》、アメ横。
 アメ横に行ったことのある読み手さんなら、
 センタービル、JRの高架下、周辺の飲食店など、
 あざやかに思い浮かべることでしょう。

「にぎやかァな、ところでスゥ~」
 
 ネーさも時々お買い物に行きます。
 ガード下、けっこう詳しいんです。
 古着屋さんも覗きます。
 次のお出かけでは、青いベレーのガーディアンに会えるでしょうか?

 誠実に、感傷的に、優しくもあたたかく《東京》を描きこんだ作品です。
 ミステリ好きな御方に、
 東京生まれ&東京育ちの御方に、ぜひ!
 読めば誰もが、

「あめよこォ、いきたいィなッ♪」

 と、なっちゃいますね、きっと。

「おすすめッ、なのでスッ♪」
  
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