テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

決意の背中!

2015-02-08 21:46:53 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 あッちでもォ~こッちでもォ~…」
「がるる!ぐぅるぐぅるぐぅる!」(←訳:虎です!チョコチョコチョコ!)

 こんにちは、ネーさです。
 バレンタインのショコラ売り場が大盛況だった今日、
 読書タイムを盛り上げくれるのは
 肝のすわったヒネくれ者さんたちです♪
 さあ、こちらを、どうぞ~!

  



         ―― イラストで読む 奇想の画家たち ――

 


 著者は杉全美帆子(すぎまた・みほこ)さん、2014年12月に発行されました。
 『奇想』と題されたアートジャンルの御本といえば、
 辻惟雄(つじ・のぶお)さん著『奇想の系譜』が
 “魁(さきがけ)”ですが、
 こちらは、そのヨーロッパ版とでも申しましょうか。

「どこのォくににもォ、いるのでスゥ!」
「ぐるるがるるーぐるる!」(←訳:アウトサイダーさんが!)

 辻さんが『奇想の系譜』で取り上げた日本の画家さん――
 若冲さんや蕭白さん、蘆雪さんは、近年、大ブレイクしちゃいましたね。

 では、この御本の著者・杉全さんが
 奇想の持ち主と認定したアーティストさんって、
 どんな方たちなんでしょうか?
 マイナー?
 冷遇されてる?
 評価も低い画家さん?
 なのかなぁ~と思ったら……。

 ヒエロニムス・ボスさん?
 アルブレヒト・デューラーさん?
 ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョさん?
 フランシスコ・デ・ゴヤさん?
 ウィリアム・ブレイクさん?
 オディロン・ルドンさん?
 アンリ・ルソーさん?

「ふァ? みんなァ、ゆうめいィでスよゥ!」
「がるぐぅる!」(←訳:巨匠じゃん!)

 そうなのよね、
 上に記した画家さん、どなたも絵画史上のビッグネーム。
 マイナーとか低評価では決してありません。
 生存中から大活躍な御方ばかり、でしょ?

 けれど、著者・杉全さんは
 一歩引いた角度から
 巨匠さんたちを見つめ直してみるのです。

 例えば、
 病弱そうで神経質っぽい人柄だったのかしら?と想わせる
 ボスさん(以前はボッシュとも表記されました)。

 実はとっても資産家?
 絵で稼ぐ必要がないもんだから、
 自分の好きなようにガンガン描けた?
 それをまたパトロンの王様たちは
 喜んで買い上げて、コレクションを作って……

「げいじゅつかはァ、びんぼーじゃないィッ?」
「ぐっるがる!」(←訳:リッチ画家!)

 いえ、でもやはり。

 ボスさんが、
 デューラーさんが、
 ゴヤさんが、
 それぞれ当時の絵画界のメインストリームであったのかと問うなら、
 答えは否なのです。

 好んで地獄を描写したボスさん。
 水彩画のパイオニアだったデューラーさん。
 真っ黒い画にのめりこむゴヤさん。
 幻視者ブレイクさん。
 超絶天然系のルソーさん。

 彼らに、アカデミック、という言葉は似合わない!

「わがみちをォ、ゆくゥ!」
「がるるぐる!」(←訳:野生児かも!)

 次の時代への先駆けでもあった奇想の疾走者さんたちの、
 哀愁どころか血気満々?な後姿。
 アート好きさんならきっと楽しめる一冊です。
 手に取ってみてくださいね~♪♪




 
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……天井世界?

2015-02-07 21:43:38 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 くんくんッ! なにやらァ、ふるめかしィ~かおりィがッ?」
「がるる!ぐるるがるる!」(←訳:虎です!これはもしや!)

 こんにちは、ネーさです。
 いつもの週末でしたら、展覧会情報をお送りするところですが、
 本日は、読書タイム番外編?
 活字マニア諸氏垂涎の或るフェアへご案内いたしましょう。
 さあ、こちらを、どうぞ~♪

  



       ―― 日本の古書 世界の古書 国際稀覯本フェア2015 ――



 東京都千代田区飯田橋のホテルグランドパレス2階ダイヤモンドルームにて、
 期間は2015年3月5日・6日・7日の三日間(最終日は16時閉場)、
 創立50周年を迎えたABAJ(日本古書籍商協会)主催、
 ILAB(国際古書籍商連盟)協賛のワールドワイドなブックフェアです。
 日本&世界の貴重な古書・稀覯本が、展示即売されるんですよ。

「こッ、これはァ~…!」
「ぐるるがるっ?」(←訳:人類の至宝っ?)

  

 ↑出品目録抄も入手いたしましたので、
 ここはひとつ、
 怖いモノ見たさ気分で、
 どんな古書が出品されるのか、
 お値段はおいくら万円なのか、覗いてみましょうね。

「わふゥ? このひとはァ~?」
「がるるるぐる?」(←訳:異人さんだね?)

  

 ↑上の画像は、
 河原慶賀さんの画幅『シーボルト先生散策の図』。
 お値段は、4,800,000円!

「ひいいィ!」
「ぐるぅっ!」

  

 ↑こちらの画像上部の御品は、
 司馬江漢さんの油彩幅『三保松原図』。
 お値段は、2,200,000円です!

「うゥ~むゥ!」
「がる~!」

  

 ↑こちらは、15世紀のヴェネチアで制作された
 ディオゲネス・ラエルテイウスさんの『ギリシア哲学者列伝』。
 お値段は、5,980,000円ですね。

「ふあァ~…」
「ぐる~…」

  

 ↑そしてこちらは、鳥好きさん&図譜好きさんの憧れ!
 ジョン・ジェームズ・オーデュボンさんの『アメリカの鳥』!!
 お値段は、
 製本版:半革装が4,536,000円、
 未製本版:各巻木箱入りが3,456,000円です。

「……」
「……」

  

 ↑そしてそして!
 『源氏物語』(伝正徹筆 室町時代中期~後期写)54冊、
 お値段は、27,000,000円~!!

「…………」
「…………」

 他には、夏目漱石さんの草稿『琴のそら音』、13,000,000円!
 同じく夏目漱石さんの書簡が4,500,000円!
 森鴎外さんの自筆『舞姫』草稿が46,440,000円!
 ケプラーさん著『コペルニクス的天文学要綱』3巻1冊が10,000,000円!
 などなどなど、
 国内外の貴重な書物がざっくざく~♪

「えェ~とォ、きんせんかんかくがァ~…」
「がるるるぐるるぅ~」(←訳:麻痺してくるよぅ~)

 なお、入場価格はすべて税込、
 フェアは入場無料です。

「こわいィ~けどォ~…」
「ぐるがるる!」(←訳:見てみたい!)

 正式な豪華目録が発行されるそうですので、
 目録希望の御方は
 ABAJ事務局にお問い合わせくださいな。




   さてと、ここでと肩のチカラを抜いて、オマケ画像も♪
   
   『グリコ』さんの
   《ももコロン 生クリーム仕立て》!
   「はるッ♪でスねッ!」
   「がるるぐる!」(←訳:桃好きです!)

   寒さが弛んだり厳しくなったり……の、この季節。
   皆さま、とにかく体調に御注意を!






  
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~ 窓からの眺め ~

2015-02-06 21:34:34 | ブックス
「こんにちわゥ、ッテディちゃでス!
 はちおうじィではァ、せきせつゥ、ぜろせんちィ!」
「がるる!ぐっるー♪」(←訳:虎です!ラッキー♪)

 こんにちは、ネーさです。
 雪まみれの週末にならなくて、ああ良かった♪
 ホッとひと安心の今日の読書タイムは、
 さあ、こちらを、どうぞ~!

  



               ―― 高い窓 ――



 著者はレニモンド・チャンドラーさん、原著は1942年に、
 画像の村上春樹さんによる新訳版は2014年12月に発行されました。
 英語原題は『High Window』、
 いうまでもなく、私立探偵フィリップ・マーロウさんが活躍する
 極上のミステリ作品です!

「あめりかァでスねェ~」
「ぐるるがる~」(←訳:西海岸だね~)

 そうですね、霧のロンドンとは正反対な?
 米国西海岸の大都市と、
 映画撮影にうってつけの、
 明るく乾いた陽光。

 暑いパサデナの陽光の下、
 訪ねた屋敷で探偵マーロウさんは
 或る老婦人からの依頼を受諾します。

 義理の娘――
 つまり息子の嫁を探してほしい、と。

「うゥ~むむゥ? ひとさがしィ?」
「がるるるぐる?」(←訳:家庭内の問題?)

 一見、家庭内のトラブルかとも思える失踪の裏には
 複雑な事情が渦巻いているようです。

 お屋敷からは、もうひとつ、消えたものがありました。

 とても貴重な、
 珍しい金貨が、金庫からなくなった……!

「とうなんじけんッ!」
「ぐるがる!」(←訳:難度倍増!)

 消えたヒトを追い、金貨を追ううち、
 事件の背後には
 さらに一段と複雑な“過去”があることに
 マーロウさんは気付かざるを得ません。

 高い窓。

 そこで起きた何かが、
 この事件を動かしている――?

「こんがらがッてまスよゥ~!」
「がるるぐるるるる?」(←訳:正しい手掛かりは?)

 英米圏では、ミステリというより、
 ほとんど純文学に匹敵するほど
 高く評価されているチャンドラー作品。

 この御本の或る箇所で
 探偵マーロウさんはこう述べています。

    私は警官でもないし、密告屋でもないし、
    裁判所の廷吏でもない。

 ならば、マーロウさんは何者なのでしょうか。
 探偵?
 では、探偵とは、いったい何なのか――

「てつがくしゃッ?」
「ぐるる?」(←訳:傍観者?)

 《私立探偵マーロウ》シリーズの最高傑作は
 おそらく『ロング・グッドバイ』なのでしょうけれど、
 こちらの『高い窓』もとても素晴らしい!
 とりわけ、本文333ページに刻まれた美しさは……
 本好きを自負する御方は、
 ぜひぜひ読まねば!

「もうひとつゥ!」
「がっるる!」(←訳:こっちも!)

 村上春樹さんの『訳者あとがき』も
 どうか、読み逃しなきよう!
 


 
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猫好きさんの、フルパワー!

2015-02-05 21:43:34 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ちぇッ! いつもォ~ねこばッかりィ!」
「がるる!ぐるるるるぅ!」(←訳:虎です!羨ましいなぁ!)

 こんにちは、ネーさです。
 猫たち&犬たち――
 どちらも、私たちヒト族が最も愛する動物ですが、
 ニャンコ好きな活字マニアさんのために
 本日の読書タイムで御紹介いたしますのは、
 はいっ、こちらの一冊ですよ~♪

  



              ―― 猫本屋 はじめました ――



 著者は大久保京(おおくぼ・みやこ)さん、2014年12月に発行されました。
 『書肆 吾輩堂(しょし わがはいどう)』と副題が付されています。

「むゥ! ねこほんやッ!」
「ぐるるるっ!」(←訳:マジすかっ!)

 
 マジっす。
 猫が好き、猫の本が好き♪
 好きが高じて、
 猫の本ばかりを集めた猫本屋さんを、
 2013年2月22日、
 ネット上に開店しちゃった猫マニアさんが
 本当におられるのです。

「にがつゥ~にじゅうににちッ?」
「がるぐる!」(←訳:猫の日だ!)

 福岡市生まれ・福岡市在住の著者・大久保さん、
 長らく思っていました。

   《猫本だけを集めた本屋があればいいのに》

「それでェ、とうとうッ!」
「ぐるるがっる~!」(←訳:自分で作った~!)

 御本のChapter1では、
 猫本屋を始めるまでの決意が描かれています。
 Chapter2では、開業までの下準備と修業?の日々。
 そしてChapter3では、開業と逡巡……
 ふぅ~、慣れないことに手を染めるって大変みたいですねえ。

「そのわりにィ~」
「がるるる!」(←訳:楽しそう!)

 お江戸の猫マニア№1として知られた浮世絵師・歌川国芳さんの
 これもちょいと世に知られた画をロゴマークに、
 さあ、旗揚げ!

 御本の表紙にもなっているロゴマーク、
 なかなか見物なんですよ。

 かしこまって御辞儀しているニャンコの、
 裃には小判の模様(ネコに小判)!
 袖に染めぬかれた紋は、肉球!

「しゃれてるゥ~♪」
「ぐるぅる!」(←訳:おしゃれ!)

 御本の中盤以降は、
 いまや各種猫本の権威となった大久保さんによる
 猫マニア必読の猫本ガイドと、
 さらに、
 作家の金井美恵子さん、
 装幀・挿絵画家の金井久美子さん、
 画廊経営者の桜井美穂子さんとの対談、
 美術家・横尾忠則さんとの
 猫アートをテーマにした対談も
 収録されています。

 巻末には、猫が登場する小説・随筆・詩・アート本・写真集や
 児童書・絵本・挿絵本等のリストが
 ずら~り!

「どこまでもォ、にゃんこッ!」
「がるがる!」(←訳:ネコ一色!)

 現在、『書肆 吾輩堂』さんは
 実店舗の開店を目指して
 密かにツメを研ぎ、いえ、邁進しておられるそうです。

 いつかは、扉をあけたら
 そこは猫の本また本、本……という、
 ファンタスティックな本屋さんを
 訪ねることができたらいいなあ~♪

「そしてェ、かいまくるのでスゥ!」
「ぐるる!」(←訳:猫本を!)

 猫好きさんにはことのほか嬉しい猫本ガイド、
 ワンコ派さんもクマ派さんもウサギ派さんも
 ぜひ一読を!




 
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この不明なるモノ。

2015-02-04 21:41:53 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 りッしゅんなんてェ~、うそだァッ!」
「がるる!ぐるがるるぅ!」(←訳:虎です!雪が来るよぅ!)

 こんにちは、ネーさです。
 立春の本日は、またも読書をサボって
 展覧会情報をお送り……えっ? 雪っ? 大雪になっちゃうかもなのっ?
 どうしようっ??とビビりつつ、
 えーと、とにかく、こちらを、どうぞ~!

  



            ―― やきもの って何ダ? ――



 茨城県笠間市の茨城県陶芸美術館にて、
 会期は2015年1月2日~3月8日(月曜休館)、
 『使って楽し、見て楽し!陶芸五千年』と日本語副題が、
 『What is Pottery?』と英語題が附されています。

「やッ、やきものォ??」
「ぐぅ~るるぅ~…」(←訳:あぁ~そのぅ~…)
「わきゃらないィでスよゥ~!」

 陶芸、このワケわかんないもの。
 年代とか名工さんとか様式とか素材とか、
 素人には真贋も不明で、
 もちろん私ネーさも何が何だか意味不明……
 なので、陶芸作品の展覧会はパスしようかと思ったんですけど。

 どうしてか、
 素通りできなかったんですよね、
 チラシ(フライヤー)を見たら
 気になって。

  

 とはいえ、
 北大路魯山人さん、ですか……。

「うううむむむゥ!」
「がるるるぅ~!」

  

 志野焼に、有田焼、色絵……。

「あううううぅ!」
「ぐるるぅ~っ!」

 この展覧会は、
 国内のやきものの産地である
 有田、萩、丹波、信楽、越前、美濃、瀬戸、笠間の
 やきものを専門的に収集し、展示・公開する美術館・博物館8館による
 共同企画展です。

 紀元前3000年前頃に制作された縄文式土器から、
 現代の作品まで、
 その歴史五千年の長きに渡る
 多様な陶芸作品約130点!……を観賞すれば、
 少しは分かるのでしょうか、
 やきもの、っていったい何なのか。

「……わかるゥ、かなァ?」
「がるるるぐるる~!」(←訳:分かるといいな~!)

 地味、のようでいて、
 実はマニアさんコレクターさんが非常に多いらしい《やきもの》の展覧会、
 わたし実は陶芸やってるんです!という御方は
 春の茨城へ、アートな小旅行を、ぜひ♪





    さて、今回も行きますオマケ画像!
   
   「……おッ?」
   
   「ぐる~!」(←訳:おお~!」
   
   「おおおお~ッ♪」
   「がる~♪」
   久しぶりの『ミスタードーナツ』さんです!
   《ブルックリン D&D 》は食感サクサク!パリパリ!
   あったかいカフェオレかミルクティーといっしょに、
   「いただきまァ~スゥ!」
   「ぐる~!」(←訳:美味~!)




  
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― たどる、旅へ ―

2015-02-03 21:44:18 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 うめがァ、さきましたでス!」
「がるる!ぐるるるがるー?」(←訳:虎です!サクラはまだー?)

 こんにちは、ネーさです。
 今日、横浜では梅の開花が観測されたそうですよ♪
 桜の花はいつ頃かなぁ~?と首を長くしながら、
 本日の読書タイムは“春の旅行シーズン”が恋しくなる一冊を、
 さあ、どうぞ~!

  



          ―― イギリス鉄道でめぐるファンタジーの旅 ――



 著者は河野友見(こうの・ゆみ)さん、2014年7月に発行されました。
 日本と同じように、鉄道網が島を覆っている国――英国の旅へ、
 はい、チケットを握りしめて、出発~!

「えきべんッ、ありまスかッ?」
「ぐるーるる?」(←訳:デザートは?)

 あのですね、駅弁の心配より、
 どこに向かっているかってことを気にしてくださいな。

 御本の題名に、ファンタジー、とありますから、
 目的地はファンタジー小説や、
 おとぎ話の舞台となった土地……かと予想しますが、
 これは、どちらかというと
 英文学好きな大人の活字マニアさん向けの旅、ですね。

「もぐッ!(←サンドイッチ頬張り中)
 あれにィ、みゆるはァ~」
「がーるるるる!」(←訳:プーさんの森!)

 おお、あれはアッシュダウンの森ですね。
 南イングランド、ハートフィールド村に濃い緑の影を作っているのは、
 劇作家・小説家・詩人のA・A・ミルンの一家と
 くまのプーさんたち暮らした美しい森。

「まほうのォもりッ、でスゥ!」
「ぐるるる!」(←訳:名所だね!)

 著者・河野さんおすすめの
 ブリットレイルパスを駆使して次に向かうのは
 ピーターラビットくんの住処・湖水地方。

 そこからスtラトフォード・アポン・エイヴォンへと回れば、
 W・シェイクスピアさんの家と、
 ゆるやかに流れるエイヴォン川が。

「いしづくりのォ、まちィ!」
「がるぐるる!」(←訳:昔のままだ!)

 オックスフォード、
 スコットランド、
 ネス湖、と旅が続く中で
 ちょっと変わり種なのは
 ロチェスターという町です。

 ロンドンから東南東へ、鉄道で1時間と少し。
 ロチェスターRochesterは
 文豪チャールズ・ディケンズさんの生地。

 ディケンズさんは、日本でいうなら
 夏目漱石さんのような存在でしょうか。

 近代の英文学を拓いた大作家――
 《物語》という形を確立させた偉大な語り手にして、
 英国人にこよなく愛されるユニークなお人柄。
 『クリスマス・キャロル』も『オリヴァー・ツイスト』も
 『二都物語』も『大いなる遺産』も
 いまも現役でガンバってます♪

 
「あァ~もうゥしゅうてんだァ~…」
「ぐるがるぅ?」(←訳:ここどこぉ?)

 ロチェスターから、
 英国鉄道旅の終点となるロンドンへ。

 ディケンズさん、
 そして我らがホームズさんも住んだ首都のパブ巡りは
 長旅でお腹ペコペコになった
 食いしん坊さんにうってつけですね。
 窓の外を見やれば、
 ほら、ケンジントンガーデンの上に夕焼けが……。

「むむゥ! なにかがァ~、でてきそうなッ?」
「ネッシー?」(←訳:?)
「そッちじゃないィよゥ~!」

 冬の日本にいながら、
 想像力を刺激される文章と写真で
 しばしの異国逍遥を、
 皆さま、お楽しみあれ♪
 



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むずかしくて、かんたん?

2015-02-02 21:44:15 | ブックス
「こんにちわゥ、テディちゃでス!
 とッてもォ、しんぷるゥなのにィ!」
「がるる!ぐるるるるがるる!」(←訳:虎です!シンプルで難しい!)
「それはッ?」

 こんにちは、ネーさです。
 シンプルで、難し~い或るお料理。
 それは何かと申しますと……
 答えは、こちらの御本の中ですよ~!

  



 
           ―― 食べることは、生きること ――



 著者は近藤文夫(こんどう・ふみお)さん、2014年11月に発行されました。
 『世界一のてんぷらをあげる』と副題が付されています。

「ふァいッ! こたえェはァ~…」
「ぐるるる!」(←訳:てんぷら!)

 はい、そうなんです。
 美味しくって、日本の料理として世界に知られ、
 でも個人宅で作るとなると、
 これがね、めっぽう難しいというか、
 上手に出来ないんですよねえ、てんぷらって……。

 著者の近藤さんは、
 銀座『てんぷら近藤』の店主さん。
 グルメな活字マニアさんは
 ミシュランガイド東京では二ツ星の店の評価を受ける名店として、
 ネットマニアさんには“オバマ大統領の予約を断った店”として
 記憶されているかもしれません。

「ぎんざのォ、いちりゅうてんッ、でスよゥ!」
「がるるぐるるるる!」(←訳:みんな行きたがる!)

 『てんぷら近藤』を開業する以前の近藤さん、
 東京のホテルで働いていました。

 《山の上ホテル》といえば、
 活字マニアさんは御存知のことでしょう、
 かつては出版社さんがお仕事の打ち合わせや、
 小説家さんたちを缶ヅメにする際に
 よく利用したホテル!
 (現在では缶ヅメって流行らないようですが)

 近藤さんは、ホテルに立ち寄った昭和の文豪さんたち――
 池波正太郎さん、遠藤周作さん、
 山本健吉さん、井上靖さんといった方々に
 その腕をたいそう愛され、
 《てんぷらと和食 山の上》の料理長を長く務めた後、
 1991年6月、
 銀座五丁目に自分のお店をオープンします。

「もふゥ? いがいとッ?」
「ぐるがるる!」(←訳:最近ですね!)

 自分自身のお店を持つまでの道のり、
 てんぷらの技術を究めるまでの覚悟、
 文豪さんたちから学んだこと。

 この御本は、著者・近藤さんの半生記であり、
 料理/調理の心得本、
 接客をテーマに据えたビジネス書でもあるのですが、
 読んでいて感じ入るのは……

 パイオニアです、近藤さん!

「かいたくしゃッ、でスかァ?」
「がるるぐる?」(←訳:どこがどう?)

 今では、ごく当たり前になっうている
 野菜のてんぷら。

 けれど、40年くらい前までは、
 野菜のてんぷらは“亜流”だった……
 それを変えたのが、
 近藤さん!

 主流である江戸前の魚介から、
 ぐいっと枠を広げて。

 グリーンアスパラガス!
 さつまいも(分厚く)!
 ピーマン(丸ごと)!
 こういった野菜も天種にしてみよう!

「ええッ?? じゃあァ、むかしはァ~!」
「ぐるるるがるるるぐるっるる?」(←訳:おイモのてんぷら無かったの?)

 衝撃の事実です。
 当たり前は、当たり前ではなかった……
 ひとりの料理人さんが始めてみなければ、
 私たちがてんぷらを食べて“美味しいね!”と
 幸福を分かち合うことも無かったのかもしれない、と思うと、
 茫然としてしまいます。

「れきしィ、でスねッ!」
「がるぐるがる!」(←訳:食と人の歴史!)

 お料理好きな方々は、ぜひ一読を!
 御本の巻末には
 《近藤流・てんぷらの揚げ方》も載っています。
 これをもとに練習しまくったら
 いつかは美味し~いてんぷらが……

「できるゥ~!」
「ぐるっ?」(←訳:かなっ?)





 
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~ 強きこころ ~

2015-02-01 21:38:18 | ブックス
  ペンは剣よりも強い――

 ただただ、そうであると信じたい一日でした。

「こんにちわッ、テディちゃでス!」
「がるるー!」(←訳:虎ですー!)

 こんにちは、ネーさです。
 世界60ヵ国を旅してなお、まだ旅!もっと旅!と
 未知なる旅に出発することをためらわない、
 本日の読書タイムはそんな強い強い“旅人”さんに登場していただきましょう。
 さあ、こちらの御本を、どうぞ~!

  



          ―― ど・スピリチュアル日本旅 ――



 著者は たかのてるこ さん、2014年8月に発行されました。
 『GO!Japan spiritual travel』と英語題名が付されています。

 活字マニアの皆さまはおそらく御存知ですよね、
 『ガンジス河でバタフライ』『モロッコで断食(ラマダーン)』『ダライラマに恋して』
 『ジプシーにようこそ!旅バカOL、会社卒業を決めた旅』他の
 旅エッセイ作品が人気の、いえ、大人気の、たかのてるこさん!

「ちきゅうのォ、こうほうがかりィ!」
「がる&ぐーる!」(←訳:ラブ&ピース!)

 《地球の広報》を自認するたかのさん、
 エッセイ執筆以外に
 ラジオに出演もなさいます。

 私ネーさ、初めてたかのさんのお話に接したのは
 某ラジオ番組にゲスト出演したときのことで……
 もう啞然といたしました。

 なんて素晴らしいトークなんだー!!と。

「たのしィのでスゥ♪」
「がるがる♪」(←訳:爆笑です♪)

 読めば破顔、聴けばお腹を抱えて大笑い、な
 たかのさんの本業は映画会社の社員さん、でした。
 数年前までは、ですが。

「たかのさんッ、きめましたッ!」
「ぐるるる~っ!」(←訳:旅人起業~っ!)

 18年。
 長い会社員生活でした。
 一生会社に居続けるつもりだったのですけれど、

    旅だー!!

 の思いに抑えがたく、とうとう独立してフリーの身に。

 この御本は、
 “旅人”になって一年後、
 御本人いわく、

    《心のフンドシを締め直さんと》

 高野山へ修業の旅に出発する
 1st TRAVEL『高野山の宿坊でプチ修業旅~憧れの空海&美坊主たちとの夜』
 から開幕いたします。

 お大師様を慕うたかのさんが、
 高野のお山で見出すのは
 ど・スピリチュアルな
 悠久たる日本の、いえ、アジアの聖地?

「ぶッきょうのォ、うちゅうッ?」
「がるる?」(←訳:別天地?)

 地球上の国の約半数へ旅をした経験を持つたかのさんの視点は、
 柔軟にして新鮮!
 高野のお山の次は、
 お母さんといっしょのお伊勢さまへ、
 アイヌのシャーマンさん宅へ、
 佐賀の農家さんへ、
 沖縄の島々へ……と
 笑いとお酒と目からウロコの旅が連続します。

 旅エッセイ好きな活字マニアさんには、
 どの旅も大ウケ間違いなし!

「てるこおねえさんッ、いまごろはァ~」
「ぐるるがるる?」(←訳:何処の空の下?)

 旅=冒険を、
 あきらめない――
 けっして何ものにも縛られない、
 百人力の心。

 ペンは剣よりも強いのだと、
 信じさせてくれる御本です。
 皆さま、ぜひ!


 
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