短歌誌「六甲」の1013号。
これに縁あって随想を載せていただくようになってもう5年を過ぎました。
しかしわたしは短歌は門外漢です。
なんの知識もありません。なのにありがたいことです。
今号の巻頭。
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代表の田岡弘子さんと選者の牧野秀子さんの作品が並んで出てます。
素人の私が注目した歌に赤丸を付けてます。
田岡さん、エライなあ。わたしはまだスマホ持ってません。
そして牧野さんの想像力に感銘。
ほかにもたくさん注目した歌がありました。
西川愛子さん。
《歌を詠み六甲誌よみてひと日すぐ吾に歌あり六甲ありと》
中西浩さん。
《遠く住む知らぬ老女の電話聞く「聴き手ボランティア」も三年となる》
そうですか、そんなボランティアがあるのですか。知りませんでした。
同じ中西浩さんの、
《進学を諦め麦田の草引きし十五の春の風冷たかり》
これはわたし身につまされます。
中嶋輝美さん。
《四か月ぶりに訪れくれし娘(こ)に会ひたかつたと心から言ふ》
《毎週に来てくれてゐる息子より娘の方がずつとうれしい》
これ、並んで載ってます。思わず笑ってしまいましたが、いいのかな?
西村紀子さん。
《影を踏みだあれもいない公園を横切り店へ心が寒い》
これも、コロナ禍の一情景?
石飛俊郎さん。
《もう遠い昭和のあの日の義姉様の私をほめし言の葉忘れじ》
亡くなられたお義姉さんを詠んだものだが、胸にしみます。
佐竹京子さん。
《「紫電改」に集いシャッター押す人の無邪気さに何故か不安がよぎる》
この加西市の「紫電改」展示のこと。最近別のところに「紫電改」に関するエッセイを書きましたので、ほかの7首とともに印象に残りました。
岩本倭子さん。
《「黙乗」と張られしバスに乗客と目をあわさずに椅子にかけたり》
「黙乗」という言葉に反応。最近「黙食」という言葉も使われていますね。
粟飯原三保子さん。
《名筆会のひとは拙なきわが歌に趣添えるよ繰り返し観る》
これはわたしに少し関係あります。名筆会と六甲をつないだのはわたしでした。今ではこのコラボレーションは恒例になってますね。
ほかにも興味を引く作品がありますが、このお二人の作品はどうなのでしょう。
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深川妙子さんと近藤直美さん。
先にも書きましたようにわたしは短歌については門外漢。
これらの作品が短歌として評価されるものかどうかわかりません。が、わたしには面白かったです。
言葉遣いに邪心がなくてまるで子どもが作ったような、といえば失礼でしょうか。お許しください。
『コーヒーカップの耳』