喫茶 輪

コーヒーカップの耳

詩誌『現代詩神戸』282号

2023-09-08 17:44:32 | 
これも永井ますみさんからお贈りいただきました。



『現代詩神戸』282号です。
伝統のある詩誌です。書き手が大分変って来られました。

中で最も心に響いた作品、「逢いに行く」です。

これはベテラン詩人の渡辺信雄さんの作品。
胸衝かれる思いがします。

『コーヒーカップの耳』人の世の機微があるれている本。
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詩誌『リヴィエール』190号

2023-09-08 17:32:16 | 
神戸の詩人永井ますみさんからお贈りいただきました。
詩誌『リヴィエール』190号・2023年9月。



最も印象に残った作品はこれ。

「酒好きな妻のために」です。
面白いといったら悪いですけど、面白いです。
長年連れ添った夫婦の日常の機微が(特殊ではあるのでしょうが)見事に描かれていて共感を呼びます。

『コーヒーカップの耳』読んでおいしい本。
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短歌誌『六甲』2023年9月号

2023-09-08 15:52:38 | 文芸
短歌誌『六甲』9月号です。通巻、なんと1041号。



巻頭ページです。

田岡弘子さんの最初の歌。
   ことば沢山知つてる筈だがこの頃の口を出るのは「暑い」の一語
思わず笑ってしまいました。誰でも、子どもでも作れそうな歌。まったく肩ひじ張らずに自在に作っておられます。

牧野秀子さんの歌。
   空襲が消してしまつたふるさとの家の間取りはまだ覚えてる
「時間」というものの不思議を想います。

中西浩さん。
   河内へと嫁ぎし二女の里帰りお父さんに見てほしいと短歌十首
どんな歌なのか気になりますねえ。

中嶋輝美さん。
   里の家に小さき秤も残りあり劇薬用のはかりなりしか
前に置かれた歌と合わせて、旧家の伝統ある匂いが漂ってきそう。

西村好子さん。
   腰掛けて足し算しつつ足踏みすわたしの力を使い切りたり
ほかの句と合わせて体操講座の様子がよく見えます。

生田律子さん
   六回のワクチン接種は何の為コロナに罹り死ぬ思いしぬ
さっき丁度、郵便が届いて、7回目のワクチン接種券でした。前の6回目は副反応が強かったので今回は予め薬を飲んでおこうと思います。
  
青山俊代さん。
   落ちつきて取扱書を調べれば設置後十余年経つ温水器なり
こういうこと、よくありますよね。え?もうそんなになるの?と思うことが。特に家電製品は。

吉本聆子さん。
   二畝のトマトの赤く色付きて隣にも子にも配りて忙し
昔、妻の実家からいろいろ頂いていました。懐かしい思い出です。

西川愛子さん。
   何時の日か稚児になりたい夢消えて今はすっかり老人(おいびと)となる
この実感、共感できます。
 
石原智秋さん。
   老眼鏡が必要ですねと言う医師に黙って頷きしは五十一歳
わたしは四十歳代でメガネ屋さんで「お近く用が要りますね」と言われました。医師は「老眼鏡」と言い、メガネ屋さんは「お近く用」。

そのほか、まだまだ載ってます。

これは、作家野元正さんの「花を巡る文学逍遥」22です。勉強になります。




これはオマケ。

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川柳句集『Ferris Wheel』

2023-09-08 08:05:38 | 文芸
すみません、正直みくびってました。
この川柳句集です。


敢えて裏表紙も。

先日須磨のギャラリー喫茶「あいうゑむ」さんでお会いした、フリーアナウンサー、ラジオパーソナリティーの久保奈央さんの処女句集『Ferris Wheel』(観覧車)です。
テレビやラジ関などでお馴染みの園田学園女子大学名誉教授、田辺眞人氏が丁寧な跋文を書いておられますが、ここでは久保さんご自身の「あとがき」を紹介しましょう。

2017年に川柳句会に初参加。そしてこの句集発行が2021年。
ということはたった4年間の句歴です。
ということで、わたしは、「どうせアナウンサーさんの遊び半分の余技」と見くびってしまったのでした。
ところがページを開いて読み進むと「これは!」と思ったわけです。

どのページにも小川清子さんの詩情豊かな写真が、いい雰囲気を醸しています。


川柳作品は全てで160句以上もあります。
みんないいのですが、川柳門外漢のわたしの独断でいくつかご紹介します。

先ず、ドカンとわたしの胸を撃ったのがこれ。
  嘘さえも信じてくれた父が逝く
     お父さん、あの世で泣いちゃいますね。わたしはこの一句だけでもこの本を読んだ値打ちがあったと思いました。

  一寸だけ首をかしげる鳩時計
     何気ない景色ですが、そこに自分の心象を重ねて、と思えます。読む者もそれなりに。

  まだかゆい肩甲骨の2ミリ上
     「2ミリ」、この微妙な数値が憎いですね。

  猫じゃらし無口な人に振ってみる
     やってみたくなります。あの人に。

  集合の笛に飛び散る雀たち
     一瞬のシャッターチャンスを逃さない。

  閉店後ハードロックを聴く大将
     取り合わせの妙。わたしは喫茶店をやっていた時、閉店後有線放送のチャンネルをクラシックからブルーグラスに変えて片付けをしてました。

  この手紙結ぶ言葉を探してる
     そうそう、誰もが経験すること。しかし作品化はだれにでもできない。

  父の靴ちいさき指がみがく朝
     ホロリとさせられます。

  鼻歌でギリギリ嘘をはぐらかす
     う~ん、いいとこ捕えますね。大げさかもしれませんが、人生の機微。

  幼な子の柩に眠るきりんさん
 
     「きりんさん」が絶妙。涙なくしては…。

  似なかったところばかりが欲しくなる
     こんな軽い句もホッとさせます。

  リボンさえ結んでいればできた恋
     そうですか。ほほう…。

  蔵書にはハトロン紙巻く父の指
     なんとも言えません。

いいですねえ。きっちりと時実新子さんの命脈を継いでおられます。
つまらないダジャレ川柳や、わけの分からない言葉を組み合わせただけの目立ちたいだけの深みのない川柳が世の中に出回っておりますが、
このような文学の香りする川柳は川柳界の主流にならないといけないと、門外漢ながらわたしは思います。
あの世で新子さんも拍手を送っておられることでしょう。

もっともっと作品、紹介したいですけどこれぐらいで。
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