喫茶 輪

コーヒーカップの耳

『現代川柳』第12号「フォト川柳」

2025-01-22 14:48:58 | 文芸

『現代川柳』第12号。

楽しませてもらってますが、今号は「フォト川柳」のページが凄いです。

喫茶店を長くやっていたせいかもしれませんが、いいのがいっぱい。

カウンター席に置かれた「シュガーポット」という題材がいいんですね。何かを思わせます。

みんないいんですけど、特にわたしに響いたものを。

 

テーブルの傷は常連たちの過去     山口ちい子

蟻を見る孤独夕日につつまれる     田村ひろ子

シュガーポット男の愚痴を聞いてやる  木戸利枝

いつ来てもおんなじ場所を占めている  野上藪蔵

自慢聞くコーヒー冷めていくばかり   こはらとしこ

耳澄ます内緒話のカウンター      黒川佳津子

ややこしい話紐解く銀の匙       鈴木厚子
 
あの会話シュガーポットは聞いていた  清川和音
 
最後まで聞けば引き返せなくなる    金子喜代

カウンターでわたしはみんな見てました 清水洋子

ドアベルの音に振り向く砂糖壺     宇野弘子

コーヒーの魔法にポロリ本音吐く    久保奈央

隠し事誰にも知れず溶けてゆく     雪岡信子

カウンター傷の数だけ愚痴を聞く    林操

聞かぬふりするのも慣れた半世紀    平里彩

 

いやあ、いいですねえ!

ほろりとしたり、にやりとしたり。これぞ川柳でしょう。

わたし、芥川賞風の川柳にはどうも馴染めないのですが、こんなのは大好きです。

 

今村欣史の本。 『完本・コーヒーカップの耳』面白うてやがて哀しき喫茶店。 

今なら本屋さんで買えます。宮脇書店ダイエー西宮店(浜松原町)のノンフィクションのコーナーに有ります。

 

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翔雲・砕花・芭蕉そして宮崎翁

2025-01-22 08:38:52 | アート・文化

書棚をガサガサしていたら「今でしょ」と出てきました。

『村上翔雲遺作品集』。2013年「名筆研究会」発行。

もう12年も前。40ページの立派なもの。

扉の写真は今回の企画展でも使われていましたが。

これ、宮崎修二朗翁の撮影とのこと。

作品の題材になっているのは、松尾芭蕉、種田山頭火、石田波郷、石井峰夫、富田砕花。

写真は、上段が富田砕花、下段が松尾芭蕉。

はっきりと字が違いますね。

 

今村欣史の本。 『完本・コーヒーカップの耳』面白うてやがて哀しき喫茶店。 

今なら本屋さんで買えます。宮脇書店ダイエー西宮店(浜松原町)のノンフィクションのコーナーに有ります。

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