喫茶 輪

コーヒーカップの耳

読みどころ、いっぱい『最後の恋文』

2021-05-23 09:00:14 | 出久根達郎さん
まだ半分ほどのところを読んでいるのだが、出久根さんの随筆『最後の恋文』は、読みどころがいっぱいだ。

やはり出久根さんはいいなあ。
表題の随筆「最後の恋文」がすこぶるいい。
ぜひクリックして読んでみてください。






泣けますよね。
これは随筆というより、優れた短編小説のような。さすがに出久根さんです。
ところでこれを書かれた時の出久根さんの御年だが、巻末の初出一覧表から推察すると58歳ぐらいだ。
信じられない。出久根さんはわたしより一歳下。今ぐらいの年齢の感覚の文章だと思うのだが。

また、こんな文がある。
「陰徳なるかな」という項。
《間島保夫さんと知りあったのは、夏目漱石がきっかけである。漱石が取り持って下さった。》
あれ?これ読んだことがあるぞ、と思った。
これも巻末の初出一覧を見ると、「間島保夫追悼文集」とあった。
それならわたしも所持しているので既読感があって当然。
20年前のわたしの『コーヒーカップの耳』の出版記念会にも出席してくださったのだった。
さらに間島さんは、宮崎翁が信頼されていた古書店主。
翁はご自分の蔵書を間島さんに死後に任せるおつもりだった。
が間島さんの方がはるかに早く逝ってしまわれたのだった。

『コーヒーカップの耳』
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「人閒」あるいは「人間」 | トップ | 見ることができた「じいじの桜」 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

出久根達郎さん」カテゴリの最新記事