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出久根さんの本『朝茶と一冊』(文春文庫・2000年刊)にこんな箇所がある。
《(略)さて、なんの本であったか思い出せない。雑多な本を拾い読みする癖があるので(その中で面白いと感じたもののみ通読する)、本によっては、ものの数分の縁であったものもある。私の場合、縁のなかった本も、またあった本も、読了すると、商品として店に並べてしまう。》
このころ出久根さんはまだ古書店を経営なさっていたのですね。
読み始めて興味の湧かなかった本はすぐに読むのをやめてしまうというわけだ。
そうか、出久根さんほどの読書家でもそんなことがあるのですね。
それじゃあ私なんか、途中で面白くないと思えばやめてしまうのも無理のない話ですね。
次の本に進めばいいわけだ。そうしていますけれど。
『触媒のうた』出久根さんが帯文を提供してくださった本です。