短歌誌『六甲』1月号(通巻第1057号)です。
新年号ですので表紙が変わりました。引き続き吉見敏治さんの絵です。
巻頭は「六甲」代表・選者の田岡弘子さんと、選者の牧野秀子さん。指導的なお二人です。
花終えて葉も蔓も枯れし朝顔のどうにかしてよとフェンスに絡まる 田岡弘子
在りし日の向田邦子に逢ひたくて「思い出トランプ」まためくるなり 牧野秀子
ほかの作品でわたしが気になったもの。巧拙はわたしには分りませんが。
中西浩さん。 我が釣針工場成型機八台並びて眠りおり不況いつまで続くのか
小西久代さん。 ルノアールの絵のような女乗ってきて華やぐ車内阪急神戸線
佐竹京子さん。 どんぐりを子どものように拾ってはその手触りを楽しんでおり
磯川典子さん。 池袋駅から五分のホテルまでやっと這い出た半時かかって
小田弥生さん。 予約する本書き出して日曜は本屋へ行こう加古川へ行こう
奥村幸子さん。 「そんなこと正之ちゃんにさせんかい」ゴミ出す吾に長老は言う
川端光世さん。 小学生か中学生が常連の楽しい短歌にふとほほ笑む
ほかにもいっぱいありますけどこれぐらいで。
殆ど出久根達郎さんの本からの引用ですが。
今村欣史の本。 『完本・コーヒーカップの耳』面白うてやがて哀しき喫茶店。
今なら本屋さんで買えます。宮脇書店ダイエー西宮店(浜松原町)のノンフィクションのコーナーに有ります。