団塊の世代のつぶやき

誇れる日本を取り戻そう

★自動車産業の未来は

2020年07月15日 | 中国

  トヨタが何をとち狂ったのかChinaに急激に傾斜しているようです。何か自動車の未来を掴んだのでしょうか。
  と言うか逆としか思えませんが、天下のトヨタがそうするには何か訳があるのかもしれません。
  果たして、最後に笑うのは誰でしょう。

  そんな自動車産業を川口マーンさんが書いてくれたようです。

  それを、宮崎さんが書評で取り上げてくれています。何時ものように宮崎さんの経験からの考察も入っていて面白い。

  それにしても、自動車産業はどうなるのでしょうか。何とも興味を引かれます。EVは本物になるのでしょうか。それとも、環境に踊らされたものとして消滅するのでしょうか。

  「宮崎正弘の国際情勢解題」より    令和2年(2020)7月8日(水曜日) 通巻第6574号

  書評    

 電気自動車、EVと大騒ぎをしているが、未来はそれほど明るいのか
  EV販売増の舞台裏は政府の介入、補助金、そして強制購入では?

 川口マーン惠美『世界「新」経済戦争』(KADOKAWA)

 マイバッハというのは世界一高価で贅沢なクルマらしい。自動車ファンなら皆が知っている由だが、評者(宮崎)、自動車免許を半世紀以上も前に返上しているので、クルマの種類まではしらなかった。
ところがひょんなハプニングが起こるもので、或るときにマイバッハに乗る機会があった。信号でとまると、わっと人が集まるほど人気だとは、日本にはトヨタのレクサスがあるのに、なぜいまもドイツ車のベンツやBMW信仰なのだろう?
 フェラーリやランバルギーニなど伊太利亜勢も人気を博しているが、本書の主眼はドイツの自動車産業の話である。
 「1882年、四十八歳のゴットリーブ・ダイムラー」は「ビジネス・パートナーだったヴィルヘルム・マイバッハとともに、小型エンジンの開発に取り組んだ」
 そして「奇しくも同じ頃、カール・ベンツがやはり車両用エンジンの開発に挑んでいた」
 いずれ、これら三人の名前が冠せられる名車の誕生に繋がるが、この時期にはお互いに知らず、おなじ夢を描いて、至近距離でそれぞれが独自にクルマの開発に努力していたのだ。
そして「フェルディナント・ポルシェが十九世紀末に造った最初の車」は、電気自動車だった。
 役者がドイツで同時代に勢揃いしていた。ちなみに、もうひとつ有名な商標の「メルセデス」は、自動車レースの愛車に選手で金持ちが娘の名前をつけたのが嚆矢、ダイムラーが商標の権利を買い取ったという経緯もあった。
 のちにヒトラーが号令をかけたフォルクスワーゲンは「国民車」の意味であり、ドイツ自慢の高速道路網、アウトバーンは速度無制限。でも夜間の照明灯がない区間が多いため事故が絶えない。
 学生時代から37年間、スタッツガルトに住んだ川口さんだからこそ、ドイツの自動車産業界の浮沈、その歴史と輝かしくない未来がわかる。
 評者も半世紀ほど前にスタッツガルトで、ベンツ博物館を見学したことがある。ドイツ人は日本車などまったくバカにしていた。フランスでもルノーとプジョーの工場見学をしたが(工業使節団の通訳兼ガイドとしてついていった)、「あれ、日本よりラインが遅いな」というのが率直な感想だった。
直感は当たった。
日本車の大躍進は1970年代から始まった。昨今はフォルクスワーゲンを抜いてトヨタが世界一となった。
 先週、テスラの時価総額がトヨタを上回ったというニュースに接した。驚きではなく、株価とはそういう面妖な動きをするモノで、投資家ではなく投機筋がテスラを餌に大儲けを企んでいるのだろう。
 テスラが牽引する電気自動車、あのはったりが気に入られて、優遇条件で迎えられ、中国で爆発的に売れている。
その仕掛けは補助金と強制であり、欧州勢は出遅れている。
米国はEVへの興味は深くない。ドイツは補助金をつけたが、潤ったのは外国車だった。そもそもドイツはファーウェイの5G排除を決めかねているが、光ファイバー網が遅れており、4G状況にさえない。長距離鉄道にのるとスマホが通信不能となる。鉄道はいまだにコインを投入して切符を買い、改札がある。時代から完全に取り残されているのがドイツの実相だと著者は指摘する。
 さて、電気自動車の未来を、ならば川口さんはどう見ているのか?
 「電気自動車は、世間で思われているほど完璧なものではない。本来ならそれらの問題を、イノベーションをベースにして、環境や経済に考慮しながら解決していくことがベストだと思われるが、現実は、多大な政府の介入で、理想の発展が妨げられているように感じられる。そして、急ぎすぎた電気自動車へのシフトは、多くの弊害を生んでいる」。
 使用する金属資源、電池のレアメタル類などはやくも過剰な高騰を示しているように。
 自動車業界を世界の市場を総括的に比較しながらも、過去、現在、未来をダイナミックに描いた報告である。


  結構クルマ好きだったのですが、マイバッハはお恥ずかしいですが全く知りませんでした。
  それにしても、自動車業界のこれからはどうなるのか。トヨタは生き残れるのか。それとも、クルマ自体が滅びるなんてこともあるのかもしれません。

  やはり、面白いことになりそうな予感がしますね。

さて、どうなるでしょうか!

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