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汽車はふたたび故郷へ

2015年08月02日 02時15分53秒 | 洋画2010年

 ◇汽車はふたたび故郷へ(2010年 フランス、グルジア、ロシア 126分)

 原題 Chantrapas

 監督・脚本 オタール・イオセリアーニ

 

 ◇突然の人魚

 おそらくぼくには芸術的な感性がないのだろう、だからこの映画のおもしろさがよくわからない。

 ていうか、ソ連に支配されていた時代のグルジアの閉塞的な状況が嫌でフランスに自由を求めたものの、そこでも商業的な枷をはめられ、結局、至高の芸術を映像化するにはこの人間界では不可能なのだという結論に達する監督の話とおもえばいいんだろうか?それで、人魚の目撃譚と人魚と共に海へ消えてしまったのではないかとおもわせるラストの説明はつくのだろうか?

 子供時代の汽車にただ乗りしていく3人はとっても可愛くて、絵も素敵だった。教会のイコンを盗み出していくところも微笑ましく撮られていて、しかもリアルな動きだったりして、よかった。けど、森へ去っていく子供時代の3人から成長して自主製作映画を撮ってる連中にオーバーラップして現れてくると、とたんに淡泊すぎて単調な世界になっちゃう。

 ぼくにはこの映画のおもしろさがよくわからない。それはたぶん、主人公ダト・タリエラシュヴィリの撮った映画がまるでわからないプロデューサーや観客たちと同じ次元なのにちがいない。まったく情けないことだ。

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