◇ザ・シューター 極大射程(2006年 アメリカ 124分)
原題 Shooter
監督 アントワーン・フークア
◇ボブ・リー・スワガー3部作のトップ
暗殺の容疑が掛けられるよう罠に嵌められたプロの狙撃手という設定はいかにもありがちで、しかもこの狙撃手は応援の来ない外国に潜入して仕事をしても自力で帰還できるというサバイバルを得意とするとあっては、これはもう都会の中に潜伏して報復に打って出るしかない。で、当然ながら、そこで出会うのは知的さよりも色気が先行しそうな動きのいい女というのはやっぱり相場が決まってる。
こうしたすべての設定がいかにもハリウッドのB級活劇の定番であるにもかかわらず、いや、そうであるが故にいまひとつ観終わった後に残るものが有るような無いようなそんな作品だわね。ただ、どうにもこの極大射程という用語があるのかどうか知らないんだけど、この邦題はちょっとあかんでしょ。タイトルだけ見たときは、ポルノ映画かとおもったわ。そんなふうにおもうのは、ぼくだけだったかも知れないけどさ。ただまあ、数年後に、アントワーン・フークアは『エンド・オブ・ホワイトハウス』を演出することになるわけで、そうしたことからいえば、この作品は好い意味において習作になってるんじゃないかと。