△歓喜の歌(2007年 日本 112分)
監督 松岡錠司
△歓喜の歌であることの意味はあるのか
そりゃまあ『奇蹟の村の奇蹟の響き』みたいに、ベートーヴェンの第九の初演の物語となれば、たしかに「歓喜の歌」は必要になるんだろうけど、もしも陸自の「ゴジラ」と市民オケの「ガメラ」とがダブルブッキングしちゃったらどうなったんだろうとかって、とんでもなく関係ないことをおもいながら観てしまったぼくは、ほぼまちがいなく、この作品の観客としてふさわしくないんだろうね。
ただ、観ててもうひとつおもったのは、これ、映画やテレビじゃなくて舞台にした方がよかったんじゃないかな~ってことだ。そうすれば、商店だの家庭だの市役所だのまあいろいろな人間模様をカットバックしなくて済むし、いたずらに余分なシークエンスを作る必要もないし、なにより、最後は舞台がメインなんだから、その舞台と現実の劇場とをダブルイメージにしちゃった方がぐんとひきしまっておもしろかったんじゃないかな~っておもうんだよね。