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私はシベリヤの捕虜だった

2019年09月04日 00時03分05秒 | 邦画1951~1960年

 ◇私はシベリヤの捕虜だった(1952年 日本 86分)

 監督/阿部豊 志村敏夫 製作/シュウ・タグチ

 

 ◇CIAによるプロパガンダ

 事実かどうかは知らないし、この映画が制作された当時、たしかに東西冷戦は始まっていた。

 映画にはいろんな映画があって、公開された時代によって製作意図も効果もちがっていたんだろうけど、今になって観てみれば、なんでこれくらいな暴露にアメリカもソ連も目の色を変えてたんだろうって気も湧いてくる。

 なるほど、いかにも、まことしやかに、当時、シュウ・タグチに対してCIAが働きかけて、日本の赤化を阻止しようとして、ソ連はシベリア抑留っていうこんなに非人道的なことをしでかし、さらには民主化とかうそぶいて洗脳まで施していたのだっていう、映画による宣伝工作を仕掛けたとされた。

 うそかほんとか、ぼくは知らない。

 でもまあ、当時の観客の心を逆撫でしたのは事実かもしれないし、この映画に描かれていることの何倍も、抑留者は苦労したにちがいない。

 実際、ぼくの伯父は、シベリアに抑留されていたし、実家のとなりの歯医者のおじちゃんもそうだった。学徒出陣で関東軍に配属された父親は命からがら逃げ帰ってきたようだけれど、そういう境遇からすれば、シベリア抑留とソ連侵攻は決して他人事じゃないんだな。

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