△木と市長と文化会館 または七つの偶然(1993年 フランス 105分)
原題/L'Arbre, le maire et la mediatheque ou les sept hasards
監督/エリック・ロメール 音楽/セバスチャン・エルムス
出演/ギャラクシー・バルブット ジェシカ・シュウィング アリエル・ドンバール
△パリ南西部ヴァンデ県サン=ジュイール
退屈しのぎにはならんな。おもいきり真剣に見ないと理解できん。
田舎が好きなんだね。のんびりできるし美しいから。でも、3日もすると退屈になるの。小説を書くには騒音やざわめきや混乱が必要なの。ここはなにも起きないから思考が停止する。政治という目的がなきゃあなたも退屈する。まさにそのとおりだ。
この映画にメッセージがあるとすれば、文化会館の建設中止の決定から始まる歌かな。
田舎は美しくなる、燕も戻ってくる、花が咲き乱れる草原、てんとう虫もいる、殺虫剤も農薬もいらない、重油も高速道路もいらない、酸素はいるけど灯油はいらない、ごみ捨て場も原発もいらない、オゾン層の穴もない、整備地区もいらない、メディアセンターもいらない、図書館は古い物語の中、ビデオセンターは古い水車小屋、ディスクセンターはワイン倉庫の中。
私達は田舎に住んでいる、畑と草原に囲まれて、ブルターニュに住むのもいい、ノルマンディでも、オフィスの責任者で会計士で技術者、オフィスに行く必要はない、車や電車に乗ることもない、年中バカンス気分、農産物も豊富にある、ほんとうに幸せだ、解決策を見つけた、新しい世代のために。
それが実現したら週末や休暇は、インドやカラカスに飛行機で行かず、人里離れた場所に車で行かず、都会に行きましょう、アスファルトやコンクリートを見に、町の娯楽を味わいましょう、これこそ真の余暇よ、ほんとうに幸せね。
ほんとか?
そうした余暇を支えていく人達はどないすんねん?