◎バイス(2018年 アメリカ 132分)
原題 Vice
監督・脚本/アダム・マッケイ 音楽/ニコラス・ブリテル
出演/クリスチャン・ベール エイミー・アダムス サム・ロックウェル エディ・マーサン
◎史上最強にして最悪の副大統領
実際、ディック・チェイニーはそんなふうに呼ばれていたらしい。
まあ、この題名の「バイス」も掛詞になってるみたいだし、そういうところからして、この作品がブラックユーモアに満ちたものだってことは想像がつく。最後のタイトルもチェイニーの趣味のフライフィッシングのフライが出てくるんだけど、そこに心臓を模したものがあったり、ブッシュの誘いを優柔不断に受けながら自分の意のままにしていかにもしぶしぶ副大統領になるのを承諾したように見せかけたときもこのフライは上手にインサートされてた。
ただ、ラスト、心臓の移植手術を受けて復活したチェイニーのインタビューの後、これでエンドロールかとおもいきや、また市民討論会がぶりかえしてこの後のアメリカを匂わすような展開になってるんだけど、これは蛇足だね。
ま、それはさておき、特殊メイクは見事だった。役作りのために18㌔も太ったクリスチャン・ベールの相変わらずの役者魂には脱帽するけど、同時にメイクの妙は大したものだった。クリスチャン・ベールだけでなく、ブッシュをまぬけぶりを見事に演じてみせたサム・ロックウェルのメイクも実に大したものだった。エイミー・アダムズの小皺もそうだし、こういうところ、ハリウッドは徹底してるね。