Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

PEN LIFE406. 商業者の思い込み

2012年07月15日 | field work
 今日の画像は、小樽の街で見かけた風景。これはどう考えても現代建築であり、多分商業プロデューサが仕掛けた街づくりだろう。私に言わせれば、街づくりというよりは、街壊しに近い。 
 うだつの文様と言い、屋根の棟にある破風と言い、なんでこんなにズバリ中国民居建築のスタイルに拘るのだろうか。さらに塔屋を設けるという珍奇さ。この塔屋は埼玉県川越市の民家からコピーしたものだろう。そして奥に続く狭い路地を介して、中庭が広がり、ここがまた看板だらけでものすごい混沌とした世界が広がるわけです。
 まあ、やっちゃいましたねぇー、商業者が行う混沌の局地、そして街壊し。ここまでくると、皮肉的に笑える世界です。まあどうせ看板と一緒で仮設建築物に近いですから、気にいらなければ取り壊せば良いのだし。しばらくこの偽悪なスタイルで我慢しましょうね(笑)。そういう我慢を強いられるところが、日本的街づくりなんですね。
 実際に小さな古い倉庫というのは、小樽の街に数多くあるのですが、実は商業再生利用が大変難しいのです。その理由は、窓がありませんから、お店のプロモーションをしたりするとなると、窓を開けるか、大いに看板を出さなければならない。そうなると古いたたずまいは無くなってしまうのですね。結果として、なんのための再生かということになります。
 だから地元商業者の街づくりは、文化や建築様式に対する知識や理解が皆無ですから、正直言って街壊しに等しい場合があります。当然当事者は、そうした錯覚に気がつかないですからわかりません。むしろこれが街づくりと思いこんでいます。商業者の思い込みにもこまった現象です。

小樽市,2012年6月25日
OLYMPUS OM-D E-M5,M.ZUIKO DG 9-18mmF4-5.6
ISO200,焦点距離12mm,露出補正-1/3,f9.1/320iFinish
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