伝統を受け継ぐ町屋がありながら、看板や自動販売機が割り込み、隣はキッチュなレストランであったりして、京都の街の風景は重層的である。そうした重層の層の厚さが、この街の魅力にあるだろう。リーニュ・クレールというモードは、そうした重層的な街の姿を、高彩度の世界に収斂させ、すべてを同質に見せてくれるところが面白い。そんな見方があったと思う次第である。
どんなに伝統を残した町屋が残っていても、目の前の道路はすでに現代の仕様であり、町屋の前をレクサスが走っているぐらいだから、伝統も現代もすでに混在しきっていて、私達の目の前に現れてくれる。都市の風景というのは、そういうものだ。
だから都市は、伝統から現代までの歴史が積み重なって街が形成されている。そういう都市の重層性の層の厚みがあるほど、街が多様になり結果として面白い。層が薄い単層であれば、例えば地方の伝統的建造物群保存地区のように、夜になるとビジターも去り、普通の田舎に戻ってしまう。また東京だと歴史は400年しかないし、明治維新と戦災で残っているものは大変少ないので限りなく単層に近い都市である。だから私は、東京はつまらんとこと思う。つまり単層的か重層的かによって都市の歴史的経緯、あるいは面白さが違うのである。
それよか土曜丑の日が近い。鰻を食べて精力を付けたい頃だ。この「かねよ」では、錦糸卵と鰻の組み合わせの、錦糸丼が定番だ。だが食べにゆく元気がない。表の提灯がえらく立体的に写るモードだなどと、気分は散漫だ。
京都市,2012年7月24日
OLYMPUS OM-D E-M5,M.ZUIKO DG 9-18mmF4-5.6
ISO500,焦点距離9mm,露出補正-1/3,f4.1/60,リーニュクレール
どんなに伝統を残した町屋が残っていても、目の前の道路はすでに現代の仕様であり、町屋の前をレクサスが走っているぐらいだから、伝統も現代もすでに混在しきっていて、私達の目の前に現れてくれる。都市の風景というのは、そういうものだ。
だから都市は、伝統から現代までの歴史が積み重なって街が形成されている。そういう都市の重層性の層の厚みがあるほど、街が多様になり結果として面白い。層が薄い単層であれば、例えば地方の伝統的建造物群保存地区のように、夜になるとビジターも去り、普通の田舎に戻ってしまう。また東京だと歴史は400年しかないし、明治維新と戦災で残っているものは大変少ないので限りなく単層に近い都市である。だから私は、東京はつまらんとこと思う。つまり単層的か重層的かによって都市の歴史的経緯、あるいは面白さが違うのである。
それよか土曜丑の日が近い。鰻を食べて精力を付けたい頃だ。この「かねよ」では、錦糸卵と鰻の組み合わせの、錦糸丼が定番だ。だが食べにゆく元気がない。表の提灯がえらく立体的に写るモードだなどと、気分は散漫だ。
京都市,2012年7月24日
OLYMPUS OM-D E-M5,M.ZUIKO DG 9-18mmF4-5.6
ISO500,焦点距離9mm,露出補正-1/3,f4.1/60,リーニュクレール