札幌のベーヤンからのお誘いなので、築港にむかった。
ホテルの玄関で、いかにもやり手キャリアーウーマンという出で立ちの女とすれ違った。いつもの和食屋の座敷にベーヤンはいた。さっき出ていった白と黒のブランドに身を固めたのが、夕べのベーヤンのお相手かい?
細くすらっとした感じで冷たい風情の30代の、いかにもやり手キャリアウーマン風。
ベーヤン「ならば、それだよ。今朝は部屋に朝飯取り寄せてゆっくりしていったもん。あいつ着替えていったのか・・」
世間風にいえば女子アナ風だよね。
ベーヤン「あいつなんだよ。俺の種で子供をつくって、旦那と俺の血液型が一緒なので、旦那の子供ということにして産もうという魂胆なんだ。公務員の旦那の種じゃつまらん子供しかできないから、というのがその理由なんだけど」
結構ベーヤンと仲がいいじゃん。
ベーヤン「彼女、医者にいったらやはり妊娠していたんだって。それを旦那にいったら、フゥーーーん、そう、とつれない返事だってさ。だから旦那とはもう二度とセックスしないといってた。オイオイ俺はこの先旦那の代わりかよ。気が重たいね」
どんなセックスをするのかい?
ベーヤン「獣だよ、いきなり四つんばいになって、さあ、後ろから思いっきり突いてきなさいだって。おいおい俺はあんたのホストじゃないんだぜ、と思いながら目一杯つっつくわけさ。身体がでかいし、アソコが緩いのよ。ようやく上り詰めると自分でさっさといってしまって、明日仕事だからねといって遠慮なく先に寝てしまうわけ。」
即物的女!。
ベーヤン「いいのさ、俺は遊びだし、後腐れ無いから。昨日も、さあ妊娠したから、もう中出しして大丈夫。目一杯突いてきて、だって。こっちは笑っちゃうよ」
大学院のマスターぐらいは出てるんだ。
ベーヤン「イェールの経営学修士だってさ」
それを梃子に出世街道を上がろうというわけだ。
ベーヤン「そうなんだ。でも俺たちの嫌いな文科系だな」
まあ成長が見込める企業があると、実務を知らない人間達が役員でやってきて、経営をかき回して、新製品はできずにすたれてゆくという最近のアメリカの悪しきビジネスモデルかな。
典型的なのは、appleだよ。市場価値が認められると、開発者のスティーブジョブスを追い出して、品質の悪いのMacをつくった。結果は次第にユーザーが離れていった。その後新開発ができず、appleは沈没しかけたという話。アメリカの大学院は、そんな邪悪な役員達の養成所なんだよ。彼女も、そんな邪悪な役員を目指しているわけだ。
その後appleは、ジョブスが戻ってきて、今のappleがあるわけだけど・・・。
ベーヤン「多分子会社などで役員に入り込もうという目論見がありありだよ」
それって、企業の失敗パターンだね。学問を出世の道具にするという根性が、アチキは気に入らないけどね。
どうして旦那と結婚したんだろう?
ベーヤン「いろんな条件を抽出して、一つ一つ条件に適うオトコをセレクトして絞っていったんだって。そうしたら、残ったのが今のショボい公務員の旦那。もちろん愛情なんか最初から無いのよ。俺、それ違うと思うけどなぁー・・・」
僕もベーヤンと同感。まあ彼女は、出世すればいいんだろう。するかどうかはわからないけどさ。