Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

ドローイング213. 小説:小樽の翆144. 小春のヒソヒソ話

2020年08月16日 | Sensual novel

 

お盆のパーティーも宴たけなわだ。

小春がやってきて・・・・

小春「オジサンも絵を描くよねぇー!」

そういって小春が耳貸してというから・・・。

この頃の子供は両親に話せないことがあると、身近な共通点がある人間を訪ねるらしい。小春のヒソヒソ話に神経を集中すると・・・。

小春「あのねぇー、一太郎お兄ちゃんと彼女の話なの・・・」

およよ!。

小春「バッチリ、みたの」

よくわからないが、聞くとも無しに耳を貸していると・・・

小春「学校から早くお家に帰ったのね。そしたら玄関にお兄ちゃんの靴とお客さんらしい女の人のサンダルがあったの」

ほうそれが、ヒソヒソ話?

小春「違うの、よく聞いて。私邪魔しちゃ悪いから、そぉーーっと足音を立てずに2階へあがったの。そしたらお兄ちゃんの部屋のドアが少しあいていたのね。そこで音をたてずに開いたドアの隙間からのぞいたの。そしたら女の人が裸でお兄ちゃんと抱き合っているのよ、あっ、いけない声は出せないわ、そうおもって後ずさりして、階段をおりて外へ遊びにいったの」

ほう、そんな現場に遭遇したか・・・。

小春「公園に行こうとしたら、美希お姉ちゃんが、いつもの不良っぽい歩き方で、やってきたのね」

美希「おう小春!、もう帰ったんーー」

小春「お姉ちゃん、ダメダメ、お家は入れないといったの」

美希「ハアーーっ」

小春「一太郎お兄ちゃんと女の人が裸で抱き合っていたの、わたし見ちゃった」

美希「ああっ、お兄ちゃんの彼女が来てるんだ。じゃあ公園で遊んでゆこっ!」

小春「あの人だあれ?」

美希「美容師だよ。お兄ちゃん、いま美容師の彼女に首ったけ」

小春「首ったけって、夢中ということ?」

美希「そうよ、多分結婚近いかなぁーー。美希はその現場をみたんだ」

小春「大丈夫よ、気づかれないように出てきたもん。いいなぁー大人になると幸せな顔しててさ・・・」

美希「小春も、早く大人になって彼氏、つくりな!」

小春「お姉ちゃんは、彼氏、いるの?」

美希「うるさい!、お兄ちゃんの話、してるんだろ!!」

小春「こんな話、お家の人に言えないじゃない。だからオジサンに話したの、もちろん秘密よ」

なんでアチキに秘密話をするのか。この頃の子供っていろんな事を貪欲に吸収するんだろう。吸収したら、誰かに話さざるをえない。まあそれで医者と看護師の不倫話を子供にすっぱ抜かれた輩もいたからねぇー。子供は蓋のない情報のルツボなんだ。情報を蓄えたとたんに、ルツボから舞い上がってゆく・・・。

・・・

宴は続く

コメント
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