Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

ドローイング211. 小説:小樽の翆142. 実家のお盆休み

2020年08月14日 | Sensual novel

 

 夏のお盆の頃だ。今の時期は、大げさな人寄せはできないけど、北海道の大地の大空間のなかなら関係ないだろう。それに小樽はクラスターだから経路不明の市中感染がない。実際先日のクラスター発生以後は感染者数が変わらない。そのあたりが地方都市だ。翆の実家は山手の小高い丘にある。あら、二つの建物が建っている。

翆「父は、私が結婚したら、ここに棲まわそうというので昔建てたの。今はマサヒロ夫婦がつかっている。もう随分古くなったね」

翆は、パパが若い頃に生まれて、そして翆が17歳の時にマサヒロ君が生まれた。そのマサヒロ君も今は二十歳をすぎたデザイナー兼アーティストなんだけど、既に高校生の奥さんがいてパパの家で一緒に暮らしている。だから端から見ると年配の両親と息子夫婦とが暮らしているようにみえるが、実は孫夫婦と暮らしていることになる。しかも孫夫婦には、生まれたばかりの長男、つまりひ孫がいる。そのパパは、まだ現役で高校の美術の先生をしているし、北海道画壇の実力者として作家としての仕事もしている。万事早婚、早生の一家なのである。

家の裏に空地がある。ここでバーベキューだな。マサヒロ君と奥さんの茉莉さんが準備をしているところだ。台所から先生のママがつくったチキンやコーンやジャガイモをもってきた。

マサヒロ君が炭火をおこしている。

マサヒロ「先日も、こんなことやったなぁー、ツカモッチャン先生の所の玲香さんの出産の時だった。お湯を沸かしていたんだ」

パパ「そういや、玲香さんの出産を発見して、産婆さんを担いできたという美談があったじゃないか。ツカモッチャン先生がすごく感謝していたよ」

マサヒロ「だって、あの助産婦さん結構歳いっているから、歩くのが遅いのよ。それで背中に乗せて、ダッシュ!。タクシーより速い、といっくれたけど・・・、あれ、疲れました!」

翆「だって、玲香さんて、マサヒロが小学校の美術室で絵を描いていて、お漏らしたことあるでしょう。それでおちんちんやパンツを洗ってくれて、どこからか換えのパンツをもってきてくれたもんね。マサヒロのおちんちんの恩人よね」

マサヒロ「ママ、それをいわないでよ。玲香さんにしっかり見られちゃったか・・・」

パパ「いいじゃんさぁー、恩返しができて・・・」

・・

あれっ、やたらに椅子とテーブルが多いじゃん・・・・。

パパ「もうじき来るよ(笑)」

コメント
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