Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

ドローイング498. 小説:小樽の翆426. ニューモデル

2021年09月02日 | Sensual novel

 

 いま仕事が終わったあと仲間達と、電気自動車の試作品をつくっているんだって。そういって優子さんがスマホで、一太郎君のク・ル・マをみせてくれた。

「ニューモデルだ!。随分と格好がいい!、前より進化したじゃん!!」

優子「そうなのかしら、私クルマのデザインなんか全然わかんないのよ。それでぇー最近、彼はこれに没頭しているわけ。ボディはFRPだって。なにそれ!?、の世界よ。何でもガラス繊維を何枚も貼り合わせて加工するんだって。ボディはガラスなのといったら、首を振ってものすごく堅いプラスチックだって。私もうすぐ生まれそうだというのに、彼は、今これよ!」

「あら、電気自動車なのに排気口がバッチリあるよ、何これ?」

優子「ああっ、それ室内の空気の排気をするんだって」

「ふぅーーん、でっ、走るの?」

優子「一応充電すれば、動くらしいの。バッテリーの置き場がないといって嘆いていたわ。なんでも車体の半分ぐらいはバッテリーなんだって。だからもう子供ができる事なんかすっかり忘れて、こっちに夢中なの・・・」

「まあ、エンジニアなんて、そんなものさ。子供ができたらできたで、不思議な顔をして育てると思うけどなぁー」

優子「そうであって欲しいけどねぇー。私も美容師の仕事があるから実は、どこかで夢中になるものがあってよかったって思っているの。うぅーーん・・・」

そういって優子さんは、アチキの手を握って座り込んでしまった。

つわりだ・・・・。

「オッ!、生まれるか!!」

優子「ま・だ・よぉーー・・・、ウウッ、動いている、一寸ジッとしてれば治るから、手を握ってて!」

そんなわけで、類の時と同様に、また亭主の代理をさせられてしまった。

コメント
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