手元のライツM4-PやニコンFは露出計が内蔵されていないから、撮影時のテンションを一端中断して測光する。スポットメーターだから明るいところと暗いところを測光し、それらの平均値をだして機材をセッティングする。ここは絞ってゆこうなどと考える判断が必要になる。そこが煩わしいのである。
フィルムはラチチュードが広いからおおざっぱな露出でかまわないが、露出計があれば構えてしまう。ここは経験で露出が頭に入っていないかぎり使いこなせない。すでにそんな人間露出計は遙か昔の経験であり、今は消え失せている。
そこへゆくと露出計内蔵のニコンF3が撮影テンポを崩さず使いやすい。以前ニコンのデジタル一眼レフをぶらさげ、フィルムカメラニコンFM2を併用している若いカメラマンを見かけた。あっ格好いいな。
既にF3システムは、今年の冬の小樽で酷使したけど、やはりものがものだから虫干し。七条のマッサージ屋へゆく道を遠回りして、といってもう何回も歩き回った道だけど、あじき路地でモータードライブのシャキーンと甲高い音に少し気が引けるが、物怖じしていては撮れないぞとボディに励まされているようだ。門をはいると路地には、格子のはいった民家の連なり、井戸、お地蔵さん、風呂屋の煙突と路地の定番アイテムが登場する。普段使いの京都の風景だ。
やはりここはツァイスの標準レンズでしょう。というのもライカレンズの写り方は繊細、ツァイスレンズはカキーーンとシャープに写る点が異なる。シャープという点では往事のニッコールレンズの特徴であるが、当時のニコンはツァイスを目指していたんだと理解できる。
市販の中古でF3のボディは3万円もしないだろう。まあ、このシステムでよいではないか。
京都市
NikonF3HP+MD4、Carl Zeiss Planar50mm/F1.4、Tri-X400
現像:写真弘社