Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

ドローイング497. 小説:小樽の翆425. 大人の事情

2021年09月01日 | Sensual novel

 

 花園の通りを歩いていたら、ホブヘアーでヘアバンドをして、いかにも主婦らしい妊婦が手を振ってやってくる。

 目下妊婦の知り合いはいないけど。近づいたらツカモッチャン家の一太郎君の奥さんの優子さんだった。そうか彼の結婚式以来だったし、もう妊娠していたのか・・・。

「それにしても随分とイメージチェンジだな」

優子「美容師だもん、そんなのお手のものよ」

「その髪型いいじゃん!」

優子「うん、男役を演じてみたい気分なんだ」

「男役!、宝塚かよ!!。それよか、立派なお腹じゃん」

優子「もうじき、生まれるの!」

「美人に子供ができて、おばさんになるのかぁー」

優子「それは失礼よねぇー、ヒロヒト君!!」

そういってお腹をさすっている

「ヒロヒト君というと男の子と決まってるんだ」

優子「エコーでバッチリおちんちんが映っていたから。あれねぇー、大きいのよ(*^▽^*)」

「ハアーーっ」

優子「アチキって私の友達を知ってるんだ?」

「またまた、はぁーっ、だよね」

優子「だって私の友達が出産後の写真をみせてくれたのよ。そしたらアチキが父親みたいな顔をしてうつっていたよ。アチキの子供かしら?」

「ああっ、マタニティフォトを撮っている美希姉ちゃんに誘われてお供したんだよ。類さんにあったのは初めてだよ。あっ、そうか未婚の母だからねぇーっ」

優子「そっかあ、美希さんというと亭主の兄弟じゃん」

そういって優子さんは安堵した顔をしていた。

だって優子さんと類とは高校生以来のレズのお友達で、そのことは二人だけの秘密だし、アチキは類の子供の父親が、友達のベーヤンだということを知っているし、そうした大人の事情はあるけど、そこには深入りせずにすれ違ってゆく。まあわかったって、なんだあで済んでしまう事だけど。

「でっ、一太郎君は、元気?」

優子「それが今・ク・ル・マ!!」

・・・

コメント
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