小樽公園といっても丘全体なので、木だけを描くには沢山のモチーフがある。ひとしきり描いて、いつもの地獄坂で定点観察のように街の風景を描いていると、となりの中学校の窓から小春が手を振っている。
「充実の中学生生活だな」
小春「うん、退屈なぐらい充実しているよ。だってユウ君とのセックスと、ご飯をつくることと、少し勉強したら1日がお終いだもん」
「まあ人間の一生なんてそんなものではないですかぁー」
小春「人間って退屈なんだ、あとは子供をつくるほかないねぇー」
「まあ、それは高校生になってから・・・」
心春「じゃあ、料理をつくろう。なんか新メニューはないの?」
「うーん、まだ日差しが強いから、ヴァインミーというサッパリ味のベトナムのサンドイッチがある!」
デリッシュキッチンの画像をみながら・・・
「まずフランスパンがいる!。バゲットがお勧め」
(・・・そういえば京都の進々堂で昼前にはバゲットが売り切れていた。パン屋で主食のバゲットがないでは、パン屋ではないでしょうに・・・)
心春「ベトナムはフランスの植民地だったというのは、社会科の先生がいってた」
「それでフランスパンなのだ。それにニンジンと大根を刻んで酢漬けにしたなますがいる」
心春「ママがお正月につくっていた、あれねぇー」
「それにパクチーが欲しい」
心春「パクチーなら八百屋さんで、時々見かける」
「あとは生ハムとか蒸し鶏とかを入れて・・・」
心春「それならできそうだね」
「あっ、ヌクナムが欲しい。魚でつくった醤油だ。できればレバーペーストも・・・」
心春「うーーん、イーオンだな・・・」
そんなわけで、心春とイオンへ買い出しに出かけた。
ヴァインミーをイメージすると、心春がベトナムの少女のようにも見えてくる。
ベトナムの少女をつれて、強い日差しのなかを買い出しだ。
頭の中はハノイ状態だ。