Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

ドローイング508. 小説:小樽の翆436. ヴァインミー

2021年09月30日 | Sensual novel

 

 小樽公園といっても丘全体なので、木だけを描くには沢山のモチーフがある。ひとしきり描いて、いつもの地獄坂で定点観察のように街の風景を描いていると、となりの中学校の窓から小春が手を振っている。

「充実の中学生生活だな」

小春「うん、退屈なぐらい充実しているよ。だってユウ君とのセックスと、ご飯をつくることと、少し勉強したら1日がお終いだもん」

「まあ人間の一生なんてそんなものではないですかぁー」

小春「人間って退屈なんだ、あとは子供をつくるほかないねぇー」

「まあ、それは高校生になってから・・・」

心春「じゃあ、料理をつくろう。なんか新メニューはないの?」

「うーん、まだ日差しが強いから、ヴァインミーというサッパリ味のベトナムのサンドイッチがある!」

デリッシュキッチンの画像をみながら・・・

「まずフランスパンがいる!。バゲットがお勧め」

(・・・そういえば京都の進々堂で昼前にはバゲットが売り切れていた。パン屋で主食のバゲットがないでは、パン屋ではないでしょうに・・・)

心春「ベトナムはフランスの植民地だったというのは、社会科の先生がいってた」

「それでフランスパンなのだ。それにニンジンと大根を刻んで酢漬けにしたなますがいる」

心春「ママがお正月につくっていた、あれねぇー」

「それにパクチーが欲しい」

心春「パクチーなら八百屋さんで、時々見かける」

「あとは生ハムとか蒸し鶏とかを入れて・・・」

心春「それならできそうだね」

「あっ、ヌクナムが欲しい。魚でつくった醤油だ。できればレバーペーストも・・・」

心春「うーーん、イーオンだな・・・」

そんなわけで、心春とイオンへ買い出しに出かけた。

ヴァインミーをイメージすると、心春がベトナムの少女のようにも見えてくる。

ベトナムの少女をつれて、強い日差しのなかを買い出しだ。

頭の中はハノイ状態だ。

 

コメント
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