Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

ドローイング639. 小説:小樽の翆563. 義理と義務と乱脈があたりまえ

2022年10月02日 | Sensual novel

 

 酷暑といってよい夏が過ぎ去った頃、残暑が残る小樽だ。

いつものベーヤンとフィリピンの榊原さんとホテルのラウンジで過ぎ去る夏の空気を感じていた。

ベーヤン「夫婦って何十年も一緒にいると飽きるよな。飽きない方法ってあるかなあ?」

「飽きない方法!!!・・・、子供つくると男の役割はお終い。そうなると上さんには飽きるから、じゃ他所の女の人にしようという本能はあるよな。もともと多産系本能だよ。ベーヤンのところみたいに・・・」

ベーヤン「うん、うちなんか、愛のない結婚をしたから夫婦なんて倦怠感もいいところさ」

榊原「日本人の多くは愛のない結婚をするんじゃないかなぁー。生殖期になって異性が欲しい同士が、性欲を愛だと勘違いして一緒になったとかさ・・・」

「日本人に愛という概念はないのだろう!?」

榊原「オオッ!!!、悲劇。フィリピンじゃ愛がなくなると上さんはどこかにいっちまうよ!」

ベーヤン「その違いはなんだろう?」

「神との契約の有無かなぁー。日本の神なら誓いはあるけど、神と契約はしないよ」

榊原「契約と誓いは全然違うでしょう」

ベーヤン「うちなんか仮面夫婦で何十年もやってきたから、子供が大きくなったら上さんに愛情のかけらもないよ。子供抱えて出でいけとケツを蹴っ飛ばしたくなる」

榊原「オオッ、フィリピンじゃ歳をとっても愛しているよ!、だよ。日本人は、つまんない人生を歩くね・・・」

「神が民を愛するという概念がないから、日本人は愛という概念が最初から存在しないんだよ。宗教的には自然に活かされているという概念はあるけどさ。といってそれがなんか感動するモノ?、という位だから好き勝手にやっているという感じかな」

榊原「建築がそうだよね。キリストは大工の家に生まれたから、建築は神のものという概念がある。だから最後は建築を神にお返しするわけさ。だからいい加減なモノはつくらない。日本じゃローコスト建築でしょう。それ神となんの関係もない。だからすごく狭いワンルームマンションをつくって得意になっているけど・・・」

「ベーヤンのところって上さんとの相性はどうなん?」

ベーヤン「うち俺山羊座。かみさん水瓶座。日本の占いだと、おれ一白、かみさん五黄だから、どこをとっても全然合わないよ。生殖期にケツ貸してくれただけさぁー」

榊原「それが日本人のライフスタイルかですかぁー!?。愛のない結婚と生殖だけ・・・」

ベーヤン「そうだね。日本じゃそれが当たり!!!、いまじゃ、あんなのいらねぇーよーーだよ

「万事即物的。若い女の子は男の十人切りをしてセックスの勉強をして、学習成果があがったら結婚して義理セックスじゃ燃えないから、技巧を凝らして男を興奮させてガキでもつくって人口維持に努める。だから処女とか神がくれた唯一の夫ですという意識はなくて、やっぱ誰かに開発された生殖能力を発揮した農本主義よ。それが農業からリーマンに変わっただけじゃないかなあ」

榊原「日本の男と女の関係は義理と義務と乱脈があたりまえ。オオッ!、すごい即物的な社会ですねぇー」

「多くの家庭は、そうだよ。もう倦怠感が家の外にまで出ているよ」

ベーヤン「相手を間違えると、そうなるさ・・・」

(*^▽^*)

酒宴は、まだまだ続く。

・・・

小樽も薄暮の頃だ。

コメント
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