Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

PEN LIFE42. 奈良の万灯会へ

2010年08月16日 | Kyoto city
 万灯会は、故人を仏教の先達として敬う行事であり、京都・大谷祖廟では、1万個の提灯に蝋燭がともされる。京都市外に向かってすべりおちるような傾斜地の墓地にともされた提灯は、絵画的風景である。だから撮影に出かけようと思ったが、ここは昨年のブログでアップさせていた。
 そこで今年は、奈良東大寺万灯供養会に初めてでかけてみた。午後七時の開門30分前に行列に並んだところで、南大門から中門の中間ぐらいの位置だった。程なく南大門のあたりまで列ができたようである。かなりの人出だろう。それにいつもお節介なガードマンが多く、いやな予感だ。果たしてこんな混雑で撮影できるのだろうかと思いながら中門をくぐると、さすがに仏教伽藍だ。境内は広いから一方通行の制約はあるが、少しだけマイペースで歩くことができた。
 人混みの中だから、一々撮影機材のセットをしている余裕はない。だから予め露出を±1のオートブラケティングにセットし、1シーンに3枚づつ撮影して歩いた。そうすれば、どれかが適正露出であたるだろうという考えである。結果としてオリンパスペンの露出は、露出を変えて撮影するまでもなく、比較的正確だった。
 オリンパスペンE-P2は、ISO6400で撮影できる。ただし画像はノイズが大変多い。なんとか撮せる程度といったところだろう。ズームレンズが暗いので、感度で稼ぎたいところだが、まあISO1600迄が実用範囲だろう。ここでも広角ズームレンズをつけたペンE-PL1の方が活躍した。
 さて東大寺万灯供養会では読経の声が聞こえ、お盆らしい荘厳な空気である。私は、当然お参りをしてきた。帰りに浮見堂がある池の辺りまできたら、高円山で大文字の送り火をしていた。だから人出も多いはずである。送り火もそこそこに、私は近鉄特急の最終で京都に戻ってきた。
 ところで今晩は、京都五山の送り火である。人出が多いので、なかなかナイスカットは撮れないだろうが、お盆の空気を吸いにでかけてみようと思う。

奈良市・東大寺
OLYMPUS PEN E-PL1,M.ZUIKO DIGITAL 9-18mm/F4-5.6
シャッター1/15,絞りf4,焦点距離9mm,ISO1600,iFINISH
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PEN LIFE41. このブログも4年目に突入!

2010年08月15日 | Kyoto city
 このブログも今日で調度3年間続いたことになる。2007年8月15日のセカンドライフの3DCGの制作記にはじまり、雲南省の集落デザイン、ヴァーチャルデザインやその制作過程の紹介、京都暮らしといった具合に、雑文とはいえこれまで随分書くことがあったと思う。さて4年目のブログに入ろうか。 
 オリンパスペンのE-P2とE-PL1と二種類のボディを使っているが、E-PL1の方が利用頻度が高い。何かにつけて軽く持ち出しやすいことが理由だ。これに広角ズームをつけると、持っていることを忘れるぐらいの軽さだになる。
 だからキャノンの大仰なバッテリーグリップを付けたボディにEF16-35mm/f2.8を付けて持ち出すことに比べれば、小ささと軽さでは尚更そう感じるし、しかも写りは同じだろう・・・と考えると、可愛そうなことにキャノンの出番がなさそうだ。
 それにオリンパスのシステムは、床の間の風景になるようで、デジタル時代の置物に調度良い(笑)。
 昨日は、ペン2台、レンズ3本のフルシステム、それにミニ三脚をリュックに積めて車折神社の万灯祭にでかけた。お盆の時期は、こうした催事が各地のお寺さんで行われている。ペンをスポット測光に設定すると、光源の辺りは意外に明るいので、手ぶれ補正があれば手持ちでいけそうに思われる。京都の祭は、人出が多いときもあるので、普通の大型三脚は建てられない場合が多い。
 車折神社は、人の少ない深閑とした境内が日本を感じさせてくれて面白い。蚊に刺されながら、ミニ三脚で地面に這いつくばって撮影していた。撮影機材が軽いということが、これほどまでに快適であることを痛感している。
 明日月曜日は、五山の送り火である。毎年多くの人出があるので、そうそうナイスな画像を撮ることはできないが、過ぎゆく夏或いはお盆の風物を感じていたいと思う。

京都市・車折神社
OLYMPUS PEN E-PL1,M.ZUIKO DIGITAL 9-18mm/F4-5.6
シャッター3.2,絞りf11,焦点距離12mm,ISO1600,iFINISH
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PEN LIFE40. 夏の思い出!

2010年08月14日 | Kyoto city
 このブログでも、しばしば書いているが、もう夏は終わってしまった。立秋が8月7日だったから、それ以降は秋である。だから時候の挨拶も残暑と書く。日本の昔の暦、特に二十四節気などは、季節の変化によく呼応していると思われる。それに今年は暦通り季節が推移してきた。
 夏であれば、この画像のように天まで立ち上がる美しい積乱雲がみられることが大きな特徴である。現在は、積乱雲も小型化しているか、あるいは横にたなびく層雲状の雲となっており、街の中では盛夏の象徴である積乱雲はみられない。
 こう書けば、季節に応じた日本の昔の暦と、現代の生活習慣とは大いにずれているといってよい。大方の大人達は、さぁこれから夏休みだと思っていることだろうし、実際夏期休暇という文字が事務文書にみられる。だかすでに秋の始まりであるのが現実だから、夏期休暇ではなく秋期休暇、そして夏の甲子園ではなく秋の甲子園と呼ぶ方が昔の暦の表記になるわけだ。現在の暦自体が役人の都合でできているので、実際の季節とはずれているわけだ。
 そんなわけで、今日のブログのタイトルを夏の思い出としたわけだ。だから今日の時候の挨拶は、もう夏休みは終わったので、さあ頑張って仕事をしようねだが (笑)...。

京都市内,撮影日7月23日
OLYMPUS PEN E-P2,M.ZUIKO DIGITAL14-150mm/f4-5.6
シャッター1/800,絞りf11.-1/3露出補正,焦点距離56mm,ISO200.iFINISH.
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PEN LIFE39. 山のファッションと温泉

2010年08月13日 | field work
 今年の山で目立ったのが、ファッションである。特に女性の巻きスカートとサポートタイツというスタイルだ。それにスニーカータイプの軽いトレッキングシューズである。従来はダサイことの代名詞だあった登山グッズも、遅ればせながらデザインが良くなってきた。独標を往復するぐらいならば十分なスタイルである。そんな姿を見ながら、私の重たい登山靴が時代がかって見えてしまう。
 さて、山小屋にしては一番遅い6時の朝食を終える頃には、随分出発した登山客が多く、閑散としてきた。あまり早く下山しても下界は暑いので、人気の少なくなった広場で時間をつぶしていた。それでも7時半に出発し、9時には新穂高ロープウェーの乗り場についてしまった。
 新穂高温泉に着くと、標高1,000mであるが下界は、蒸し暑い。それでも街中よりは涼しいと思うが。
 ロープウェイを降りて目指すはバス停ではなく、その途中にある日帰り温泉「中森山荘」である。建物は新しく、心地よかった。レストランもある。露天風呂でさほどでもない疲れを癒していた。温泉が身体にしみるように心地よい。
 いつも山からの帰りは、温泉につかって、垢を落とし、髭を剃り、着替えて、さっぱりすることにしている。北アルプスは、大方下山したときに温泉のあるのが嬉しい。例えば上高地、或いは燕岳の中房温泉といった具合に。従って下山路に温泉がない登山コースには、行かないというのが、私のポリシーである。
 温泉の休息室で寝転び、蝉の声を聞きながら夏を感じつつ、何も考えずにすごす時間が心地よい。昼過ぎのバスで高山へ出ることにした。
 登山と言うよりは、移動時間の方が長い、気楽なコースで、ペンライフをしていたわけだ。後は車中で寝てゆく他ないだろう。

西穂山荘
OLYMPUS PEN E-PL1,M.ZUIKO DIGITAL14-150mm/f4-5.6
シャッター1/80,絞りf4.焦点距離14mm,ISO200.iFINISH.
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PEN LIFE38. 山小屋の朝

2010年08月12日 | field work
 朝9時から夕方の6時迄、一日5コマの授業を三日間連続したハードな集中実習が終わった。ようやく夏休みモード。世間では、お盆休みに入る頃だろう。
 といっても、台風は接近し、大阪の百貨店では秋サケが入荷するなど、次第に秋の話題が増えてくる。やはり大好きな夏は、もう終わったかという脱力感の方が強い。
 このブログも間を空けたので、何を書いたらよいのやら、リズムがつかめない。何かに没頭した時期があると、ブログを書く意識がなくなると書けば、ブログは暇つぶしかい、と言われそうだ。たしかに、そうなのだ。
 西穂の続きを少し書こう。朝、山荘背後の丸山に登れば、当然朝日が見えるのだが、私が訪れた時はガスが多く、スッキリとした朝焼けではなかった。実を言えば、お盆を過ぎてからの台風がこない時こそ、晴天が続くので、この頃の方が撮影向きだろう。というわけで、山の写真は、初秋の頃に撮影したものが、多いのではと予想している。従って私達の夏山のイメージも、初秋の頃のものではないだろうか。
 そんなことを考えながら、そろそろ山小屋の3回目の朝飯時である。少し空腹を抱えて、山小屋に戻った。すでに出かけようとしている登山客で、小屋の前の広場が賑わっていた。

西穂山荘・丸山
OLYMPUS PEN E-PL1,M.ZUIKO DIGITAL14-150mm/f4-5.6
シャッター1/160,絞りf6.3.焦点距離14mm,ISO200.iFINISH.
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PEN LIFE37. ほどほどづくし

2010年08月11日 | field work
 穂高の尾根の向こう側に見えているのは、新穂高温泉から登って行く笠ヶ岳である。山頂付近にある山小屋の灯りが見えている。こういうときに広角から望遠までをカバーする高倍率ズームレンズは、余裕で撮影できるので大変便利だ。なにしろ荷物を軽くするために、これ1本しか持参していないのだから。
 オリンパスペンのささやかな欠点をあげれば、オートフォーカスが少し鈍く遅いと感じられることだろう。それは機構上のことなので、しかたがない。それにこの機材で動きの激しいスポーツを撮影するわけではないので、よいだろうと思っている。
 画像自体は、私が愛用しているFUJIのFinepixS5と比べれば、落ちると言わざるを得ないが、それでも周囲の機種並みには、写るのでよしとしている。あまりうるさいことを言わなければ、この小型軽量のペンで良いだろうと思っている。
 今回の西穂山荘往復もあまり歩かなかったので、それもほどほどで調度良いではないかと思ったりしている。ほどほどづくしである。
 西穂の丸山からは、気候によっては、焼岳や笠が岳の山頂付近が朝日で赤く染まるのだが、ガスの多い今日はアカンだろう。それでもまだ風景が見られるだけ、幸運だったのかもしれない。この後ガスが山全体を覆い、視界はすこぶる悪くなっていったようだ。

西穂山荘・丸山
OLYMPUS PEN E-PL1,M.ZUIKO DIGITAL14-150mm/f4-5.6
シャッター1/200,絞りf5.6.1.焦点距離120mm,ISO200.iFINISH.
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PEN LIFE36. 便利なペンの交換レンズ

2010年08月10日 | field work
 西穂山荘から20分ほど急坂を登ると、視界が開けてくる。あの正面が西穂高岳、その右側の台形状に突き出たコブが独標である。大方は、西穂山荘に泊まり独標まで行って下山してくるのが、平均的なコースなのだろう。だが、次第にガスが出てくるので独標までいっても視界が開けないかもしれないと私は思っていた。
 こういうときにオリンパスペンの小さく軽い14-150mmズームレンズは大変便利だ。35mmフィルム換算だと28mmから300mmになるので、グンと広角から望遠になるのは大変使い勝手がよいのである。このときのためにあるといっても良いだろう。
 話題は変わるが、最近トヨタのプリウスに、乗ってみると車のキーがないし、パネルはコンピュータ・ゲームのようである。従来の自動車とは随分イメージが異なっている。そこに次の時代のあり方が提案されていることを感じさせてくれる。
 デジタル一眼レフも同様で、ミラーレスの小さなボディのマイクロフォーサーズを使用していると、あのボディの大きく重いC社やN社のデジタル一眼レフが、大変ださく見えてしまい、使う意欲はわかない。中には、宇宙空間の無重力状態で使う事を想定して開発しているのかと思うぐらいの重さであり、あれじゃ地上で使うのは無理よ。
 それに、「いまだに鏡使ってのぞいているの!」と皮肉を言われそうであり、そんなものは、持っている方が恥ずかしくなるぐらいだ。最早ペンタプリズムがボコッと突き出た20世紀的デザインが通用する時代ではない。早晩それらは、デジタル一眼レフの主流の座から転げ落ちるであろうことを予言しておく。
 デジタル時代に相応しい、それでいて持っていて愛着が湧くという、相反するニーズにこたえられる新しいボディやシステムのデザインが今求められている。パナのGF1やオリンパスペンには、そうしたニーズに、一つの答えを提案したと私は考えている。だから、多くの人々に受け入れられて行ったのであろう。
 話題が大いにそれた。まあこの西穂高岳のスケールの大きな風景を、私はペンを片手に結構満喫していたのである。

西穂山荘・丸山
OLYMPUS PEN E-PL1,M.ZUIKO DIGITAL14-150mm/f4-5.6
シャッター1/80,絞りf5.1.焦点距離34mm,ISO800.iFINISH.
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PEN LIFE35. 早朝の散策

2010年08月09日 | field work
 私が、朝4時頃に起きたら、案の定外国の登山者が荷物置き場で、寝ていた。彼の頭をまたいで荷物をとりにいった。私は一番遅い時間帯の6時の朝飯としたので、まだ暗い外の冷たい空気をすっていた。山小屋で提供された朝飯がわりの弁当や昼弁当を持参し、ヘッドライトをつけて、もう出かける登山者達がいる。多分西穂高岳から奥穂高岳まで縦走する上級者達なのかも知れない。
 少し周りも明るくなりだした頃、朝飯までにはまだ時間があるし、腹こなしには調度良いだろうと思い、山小屋の正面にある丸山まで登ってみることにした。オリンパスペン1台だけもって。
 登山路は、れっきとした北アルプスの尾根道なので、最初から急坂である。時折ガスが立ちこめ視界が遮られる。はたして上がって景色は見えるだろうかと思いながら、眠たい頭なので足取りもだるい。尾根道だから少しばかり風もきつい。
 振り返ると、西穂山荘の背後に焼岳が頭をだしていた。ガスっているがまあ行けるか。

西穂山荘
OLYMPUS PEN E-PL1,M.ZUIKO DIGITAL14-150mm/f4-5.6
シャッター1/60,絞りf4.-1/3露出補正,焦点距離14mm,ISO640.iFINISH.
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PEN LIFE34. 山小屋の夜

2010年08月08日 | field work
 来週早々から大学の集中授業が3日あるので準備多忙に付き、このブログも4日分をまとめだしである。
 西穂山荘の早めの食事が終わる頃、夜のとばりがおりてくる。まだ寝るには、少し早い時間をダベリングや飲み会ですごす人達で、カフェは賑わっている。今日の山歩き、そして明日の予定にはじまり、山行の経験談など話題はつきないようだ。そんな一時が楽しいのかも知れない。私もそんな時間つぶしはお酒しかない。
 消灯は午後9時である。翌朝3時半には、起き出す人もいるので、それぐらいの時刻で調度良いのだ。
 今日は今年一番の混み方なので、布団1枚に2人の就寝である。ちゃんと山小屋の受付に布団1枚で何人寝るかがかかれてあるのが、面白い。混んでいるときには、これはまだ良い方で、布団一枚に4人という話を涸沢ヒュッテの帰りに聞いたことがある。そうなると頭を交互にして身動きできない目刺し状態である。
 山小屋は、登ってきた人は全員泊めるという原則があるので、とにかく寝かせて飯をださなければならない。だから入りきらないときは、廊下や食堂や玄関など平らなところはすべて、寝処になってしまう。
 さて、たっぷり歩いて疲れていれば、どんな状況だろうと熟睡してしまうのだが、このときの私は1時間半しか歩いていないので、そうそうは眠れない。そうなると周囲の人のいびき声や、人が密集していることによる発熱で、結構部屋の環境が悪く、なかなか寝付かれないのであった。
 そういうときは、毛布と枕を持ち出し廊下や荷物置き場辺りに避難するのが正解である。夏だから、廊下でもそんなに寒くはない。むしろ手足を伸ばせることのメリットが大きい。そんなことを考えながら、い私もいつのまにか寝てしまったようだ。

西穂山荘
OLYMPUS PEN E-PL1,M.ZUIKO DIGITAL14-150mm/f4-5.6
シャッター1/15,絞りf14.1.焦点距離16mm,ISO1600.iFINISH.
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PEN LIFE33. 山小屋の食事

2010年08月07日 | field work
 今日は、立秋である。つまり夏はもう終わりであり、秋の始まりである。もう勢いよく立ち上がる入道雲は見られず、変わって層雲状の雲がみられるようになった。1年の中で私の好きな夏もお終いであり、あとはころげおちるように、陽が短くなり、秋にむかってゆく。
 私の昔の記憶では、山小屋の食事はご飯に味噌汁そしてお新香だけだった。だから、ふりかけや海苔など何かおかずを持参するのが必携だった。全ての物資を人の背にしょって運んでいたからだ。それに比べれば今の北アルプスの山小屋の食事は、随分進化している。一応街のファミレスなみには、食べさせてくれる。
 それを可能にしたのが、ヘリ空輸である。一度に大量の物資が空輸できるので、今では山小屋といえども、珈琲や生ビールやウィスキーにはじまり、アイスクリームやケーキだってある。それにライフラインである発電機の燃料も空輸されている。
 標高2358mの西穂山荘の夕飯は、予め調理されたレトルト食材を運んできて、山小屋で暖めて提供している。山歩きをするから味は濃いめである。この日は、宿泊客が今年一番の多さだったので、食事も3回に分けて提供された。
 普通のファミレス並みのメニューでも、山小屋の食事は楽しみである。どんなに疲れても食事だけは喉を通るし、明日の活力源だ。だからここを粗末には、できないのである。
 山小屋の中にも、味の良いところがある。私の数少ない山小屋経験では、いつも横尾山荘は美味しかったし、一番上手いのは徳沢園だろう。これらの山小屋は、使用許可を得た車で物資が運べるので、その分食材も豊富に手に入るわけだ。因みに横尾山荘は、石鹸が使えないが風呂にはいれるという得点がある。
 こんなことを書くと、普通の旅館に泊まっている人からは奇異にみえるだろう。だが、多くは歩いて行くことしかできないところに山小屋が立地しているのである。それも国立公園第一種地区の中である。樹木を採取することも、排水を垂れ流すこともできない。だから飲水は雨水を溜めるか、山の湧水を使うかであり、生活雑排水やゴミはヘリ空輸で地上に降ろすのである。
 北アルプスの稜線上にある西穂山荘も例外ではない。地上とは価値基準が違うのである。
 山歩きで疲れた身体に、山の食事は、やはりおいしく感じられるのである。人間が山でそこそこに快適に暮らせるということは、結構大変なことなのである。

西穂山荘
OLYMPUS PEN E-PL1,M.ZUIKO DIGITAL14-150mm/f4-5.6
シャッター1/60,絞りf14.0.-1/3露出補正,焦点距離14mm,,ISO1000.iFINISH.
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PEN LIFE32. テントライフ

2010年08月06日 | field work
 テントは、持ち運びできる軽い建築なのだから、それ自体が大変ユニークな存在であり、その仕組みは実に合理的なテンション構造にある。そうした構造が居住空間をつくり強風に耐えているわけであり、優れた建築の一つだといえる。だから建築やデザインの教材としても、しばしば使われることがある。
 西穂山荘の周りにも、30張程が設営できる小さなキャンプ地がある。 何しろプライベート空間なのだから、テント暮らしに慣れると、相部屋の山小屋など馬鹿らしくなる位のお気楽さがあるのだろう。そんなノンビリした空気が、見ていても伝わってくるようだ。
 彼らは、山小屋泊まりのビジターと同様に、ここを足場にして、近所の独標や西穂高岳あたりまで、足を伸ばすのであろう。 山小屋があるから、テント暮らしをしていても水とトイレと珈琲と酒は十分にある。それに山小屋で飯を食べたり、広場でくつろぐといった具合に、気楽なテントライフだ。
 陽も沈むと若いラブラブのカップルがテントの方へ帰っていった。プライベート空間だから、二人だけのお気楽な避暑が堪能できるのだろう。

西穂山荘
OLYMPUS PEN E-PL1,M.ZUIKO DIGITAL14-150mm/f4-5.6
シャッター1/320,絞りf10.焦点距離42mm,ISO200.iFINISH.
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PEN LIFE31. 夏ライフ

2010年08月05日 | field work
 昨日の京都には、積乱雲がみられなかった。風もあり来週は立秋なので、そろそろ季節は夏の終わりといってよいだろう。夏を楽しみたいならば、早く夏期休暇を取り、今の時期に出かけるべきだろう。お盆になれば光が弱く、そして寂しくなり、次第に秋の気配が漂う。盛夏はあと10日もないだろう。急げ!(笑)。
 昨日は、一日エコライフを試みた。つまりエアコンを使わずに、窓を全開にしてすごそうというわけだ。発熱量の小さなiMacを抱え、比較的涼しい1階の和室で原稿を書いていた。昼ぐらいまではすごせるが、午後からは相変わらず蒸し暑い。そこで家の前に水を撒いて、涼を求める工夫をしていた。夕方からホテル・グランビアのプールで400mほど泳ぎ、その後ジャグジーにつかっていた。これは風呂もかねられて大変ラクチンだった。その後夕飯には、かつくらでスタミナをつけて家に帰った。
 そんな夏の何気ない出来事が、暑さと共に夏の思い出になるようだ。夏ライフというのは、いつも何かしらの意味づけを伴って記憶に残る特別の季節のように思われる。だから、この時期が個人的には好ましく思う。 
 ところで京都の心地よい朝に、オリンパスペンを持って撮影すれば、オリンパスブルーの爽快な画像がブログのネタになることはわかるが、面倒くさいという気分が先立つ。そこで西穂での避暑の続きを。
 当然の原則だが私が山へ行くときは、自分が歩いていて苦にならないように、できるだけ荷物を減らすようにしている。山小屋泊まりの登山だから、荷物はヤッケと汗をかいた時の着替え位でよい。盛夏のピークであるこの時期は、防寒着などのフリースがいらないので、一番荷物を少なくできる季節だ。
 撮影機材も最軽量なオリンパスペンライトにズームレンズ1本だけ。それで山などの望遠から高山植物のマクロ撮影迄を、まかないたい。だから今日もマクロ撮影にトライ。画面の虫の大きさから判断すれば、そこそこにマクロ撮影ができたという結論に達する。

西穂山荘
OLYMPUS PEN E-PL1,M.ZUIKO DIGITAL14-150mm/f4-5.6
シャッター1/400,絞りf9.焦点距離75mm,ISO200.iFINISH.
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PEN LIFE30. トリカブト!

2010年08月04日 | field work
 西穂山荘が位置する周りが森林限界なので、ここから上には樹林帯がない。そのかわり山腹には地被類の高山植物が繁茂し、ガイドブックには、お花畑という言葉が使われていた。
 私は、西穂山荘前の山腹に、デザイナー感覚からすると少しグロテスクな形に感じられる、瑠璃色の花があり、マクロシーン・モードで撮影していた。しかし後で調べると、この綺麗な植物は、猛毒性があるトリカブトではないか。美しいものには毒があるわけだ。
 国立公園、特に第一種のエリア内では、全ての植物を採取することは禁じられているので、だれも手を出さないから、トリカブトは大いに咲き誇っている。ああっ、それで道の脇にロープを張っていたのだと納得。
 そんな散策をしながら、早めの夕飯まではまだ少し時間があるので、避暑を堪能していた。少しのぞいた晴れ間が夏の空気を感じさせてくれた。

西穂山荘
OLYMPUS PEN E-PL1,M.ZUIKO DIGITAL14-150mm/f4-5.6
シャッター1/200,絞りf5.6.-/3露出補正,焦点距離
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PEN LIFE29. お気楽モード

2010年08月03日 | Kyoto city
 今頃の北アルプスの気候は、精々午前中晴れて午後からガスが出てきて大概何も見えず、時にはしばしば雷雨が発生する。私達が登坂中に、山道ですれ違うパーティーに今朝の気候を尋ねたら、「ガスで何も見えませんでした、まれにホンの一寸だけ」という答えが返ってきた。
 何も見えなくても、どこよりも涼しい気候は、十分堪能できただろうし、私達もまた涼しい気候を堪能するためにやってきたのだ。
 ガスの中、急坂を登ってゆくと、程なく西穂山荘のシルエットが現れる。 今日は、1時間半しか歩いていないので、通例の登山と比べれば、疲労度がはるかに少ないお気楽モードだ。西穂山荘でリュックを降ろし、山の冷気を堪能していたら、次第に陽が射してきて、霞沢岳が眼前に姿を現した。
 ほならというわけで、オリンパスペンの風景モードで撮影した。このシーン別モードが、結構お気楽モードである。まあそこそこに、予め仕込まれた撮影の設定があたるので活用している。
 山小屋の前の広場では、みんな生ビールを飲んでいるではないか。上手そうだというわけで、私も生ビールを飲みながら、 街の猛暑を思いだしつつ、西穂の冷たい空気を堪能していた。この夕飯までの、ぐうたらな時間が心地よい。まさにお気楽モードである。

西穂山荘
OLYMPUS PEN E-PL1,M.ZUIKO DIGITAL14-150mm/f4-5.6
シャッター1/250,絞りf9.焦点距離42mm,ISO200.iFINISH.
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PEN LIFE28. 身軽に避暑へ!

2010年08月01日 | Kyoto city
週末一泊二日で、西穂高まで出かけていた。標高2385mの西穂山荘では、昼間の最高気温が摂氏15度程度であり、夏の猛暑を忘れさせてくれる。文字通り避暑だ。
 新穂高温泉からロープウェー2本を乗り継げば、すでに標高2100mの西穂駅であり、そこから1時間半程歩けば、西穂山荘に着く。北アルプスでは最も容易に稜線にたどり着けるという、 私のような軟弱な登山者にはうってつけのコースである。
 装備も短パンにアロハシャツという非山向きの普段着であり、僅かばかりの着替えとヤッケ、それにこういうときのためにある持っていることを忘れさせてくれる小さく軽量な14-150mmのレンズを付けたオリンパスペンライトを詰め込んだ程度である。だからリュックはいつになく軽い。この程度の装備で良いのだ。いかつい歩きつぶした登山靴だけが唯一へ山へ行くことを示していた。
 これまでの山行の経験からいえばデジカメのバッテリーは、朝晩の冷えた気温ですぐにダウンするので、予備を2本持参したが、全行程を通じて、それを交換する必要は全くなかった。
 気分も装備も行程もいつになく気軽である。そんな身軽さが取り柄の避暑である。京都の街中では、大いに猛暑だったことだろう。

西穂山荘
OLYMPUS PEN E-PL1,M.ZUIKO DIGITAL14-150mm/f4-5.6
シャッター1/200,絞りf7.1.焦点距離15mm,ISO200.iFINISH.
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