イタラヤカエデの生い茂る階段を上がると明治29年頃つくられた料亭「海陽亭」がある。内部のしつらえはみられなかったが、伊藤博文をはじめとする明治の政財界人の社交場であった。それにしては、あまりにも質素な玄関であるところが好ましい。
私は、「海陽亭」というハイカラな名前の響きに、森瑤子の「なぎさのホテル」という小説を思い出す。小説では「鮫鰭亭」というが名前なのだが、勝手に読み替えて理解している。どこか湘南海岸沿いにありそうな、ホテルのようでもある。
台風が梅雨前線を押し上げているので、梅雨明け宣言は容易にでないだろうか、京都の気候は、もう夏日である。
小樽市,2012年6月25日
OLYMPUS OM-D E-M5,M.ZUIKO DG 9-18mmF4-5.6
ISO800,焦点距離9mm,露出補正-1/3,f4.1/60iFinish