Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

ZEISSの空気49. 食べ物屋さんのマーチャンダイジング

2019年02月13日 | Kyoto city

図1. パン屋 東洞院通

 

図2. ピザ屋 綾小路

 

図3. フレンチバル 仏光寺通

 

図4. イタリア料理 仏光寺通

 

 食べ物屋さんのマーチャンダイジングの話をしようか。

 東京なら・・そうねぇ、「ベイクドチーズタルト」、「リンゴ」、「ボグ」、「ドウ」、「クロワッサンシューザクザク」、「プレスバターサンド」・・・、と書いてゆくと、1店1品主義をコンセプトにした現代デザインの典型みたいなファサードを思い浮かべると思うが、これらはすべて株式会社BAKE(東京・港区、創業は札幌の洋菓子きのとや)がマーチャンダイジングを行い運営しているブランドだ。こうした組織的な展開が好きな東京ブランドに対して、真逆なのが京都のショップだ。

 京都は、古い町屋をリニューアルしてショップやゲストハウスに生まれ変わったりしているところが多い。なかには、おいおい梁が傾いているけど大丈夫かよ!、と思いたくなる構造のショップもあったりするけど、いずれも巧みにマーチャンダイジングされている。店の存在自体がブランドなのかなと思われる。

 そうした町屋が、酒屋です!、味噌屋です!、と構えられたら一寸引いてしまうが、ピザのお店だったり、パン屋さんだったり、ワインバーだったりと一見町屋のテイストとは関係なさそうな業態が私達のライフスタイルを反映していて、結果として町屋に似合ってしまっているというのが興味深い。

 そんな町屋再生モデルのルーツを思い返すと、イノダ珈琲本店かなと思う。当時は立派で大きな町屋建築だったのだが、火災で焼失し、その後RC造で昔と同じ建築外観で再建して今に至っている。だから町屋ではないけど、町屋の空気を十分残している。そこに京都人の見識があったわけである。

 さてそのイノダ珈琲はビジターが多いので、私は東洞院通の上島珈琲へ通う。ここは別に町屋建築ではなくビルの一角だが、パソコンを持ち込んで仕事をしている人もいて長居できそうな空気が落ち着いた空間となり、2階窓際のお一人様用席が開いていれば座り込んでスマホのプログを眺めている。

 さて先週末から大寒波が日本に押し寄せていたから、まだ京都も寒い。あと1週間は寒波の影響が続くだろう。じっと我慢の日々だ。今朝は、そんな町屋のパン屋で調達したバゲットをかじりながらブログを書いている。

 

図5. 上島珈琲 東洞院通

 

京都市下京区、中京区

SONYα6000,Carl Zeiss Vario-Tessar f4/16-70mm ZA OSS T*

ISO2500,焦点距離28mm,露出補正-0.7,f/4,1/60 

ISO6400,焦点距離16mm,露出補正-0.7,f/5.6,1/60 

ISO3200,焦点距離35mm,露出補正-0.7,f/4,1/60 

ISO6400,焦点距離29mm,露出補正-0.7,f/4,1/50 

iPhone7

ISO50,焦点距離3.99mm,露出補正0,f/1.8,1/15  

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ZEISSの空気48. 建築の話

2019年02月12日 | Kyoto city

 たまには建築美でも。

 こうした建築の連なりやディテールを撮るときに135mmの画角のレンズが必要になる。APS-Cサイズでは90mmという焦点距離のレンズ。今時この焦点距離でありながら小さく軽いレンズはライカぐらいしかつくっていない。だから手元にある53年前のライツ・エルマリートを引っ張り出す。お古のレンズだから、空の色をみると少し色が濁っているようだが、エッジは大変シャープだし小さく軽いので、まあこれでよしとするか。

 ヨーロッパに旅をするツーリストは多い。何を見に行くかといえば西洋建築を見に行くといってもよい。その建築群がつくりだす街の空気を味わいにゆくといってもよいか。それだけ支配的な建築群だが、そのわりにはツーリスト達は建築に対する関心がない。そのあたりが不思議な傾向だと、建築の専門家は思う。

 そういうと反論がおきる。「いや、ありますよー、例えばキッチンなんかもういいたいことだらけで」、それって建築ではないですけどと専門家は思う。キッチンというプロダクトデザインと建築とを混同している。建築である以上少なくとも壁から外側の話である。そう都市や環境に関わる話なのである。建築とはそういうものさ。

 フランスで刊行された建築の専門書をみていた。全部建築の外観の話ばかりだ。もちろんインテリアに関する話やプランニングなんていう話は皆無だ。建築の外観をどうつくるか、そこに歴史的ヨーロッパ人達の最大の関心があった。それが都市の景観につながってゆく。

 日本人ぐらいだろうな、建築というとインテリアやプロダクトデザインの話とを混同してくれるお目でたいのは。まあ脳天気というのは平和な証拠なのだろう。

 なんで建築の話を書き出したかというと、gooのブログでアフガニスタンの政治家アフマド・シャー・マスード(1953-2001年)の話を読みふけっていたからだ。彼もまた建築の学人だった。彼曰く「国を解放したら、国民が信頼できる政治家に後は任せて、大学で建築学を勉強しなおしたい」。そういいきった彼はNYの9.11事件の2日前に暗殺された。

  さて、昨日の京都は、曇天+小雨、昼の気温が4°。風情なんてあったものではない。都心でこの気温だから、出町通り以北では1°ぐらいかな。もちろん3連休は避寒につとめる。つまり家にこもる。連休で都市が動いていないのだから当然街も寒いはずだ。あと1週間は、冬の最後の悪あがきが続きそうだ。我慢・・我慢・・の日々である。

 

京都市東山区 二年坂、清水寺 2019年2月5日

SONYα6000,Leitz Tele Elmarit90mm/F2.8

ISO100,露出補正0,f/8,1/250

ISO100,露出補正0,f/8,1/500

ISO100,露出補正-0.3,f/8,1/400

 

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ZEISSの空気47. 混沌の街

2019年02月11日 | Kyoto city

 

 ツァイス・ズームレンズの代わりにライツのレンズを持ち出した。ボディはSONYの機材だけど、一々ライツの空気なんてタイトルをつけるのも面倒だからツァイスの空気とする。そんなわけで見出しはボディの種類で区分していることになる。今のZEISSはSONY製だからね。

 ここではライツ・カナダ製レンズでAPS-C換算の135mmの画角で撮り歩くと、どうも街の混沌とした姿が目につく。こうした混沌とした姿も京都だ。盆地だから土地は限られている。そこへ多くの住まいをつくり、坪庭という固有の空間の設え方を編み出したぐらいだから、狭いところを使う知恵には長けているのだろう。

 そんなわけで現在でも道路は渋滞し、お寺の参道は人の列が続いている。もちろん道を広げようという考え方は御法度だ。

 だから、そんな狭いところへ大量の観光バスや車がやってきても動じることはなく、あとは時間がたつしか解決の方法はない。そんな気分だから、せいて事を行うことは空間的に不可能なのだ。つまり京都は何事も時間がかかる。それを世間のメディアは、古都のゆっくりした時間が流れる街とプロモーションしてくれるわけだから、なんと素晴らしい誤解だろうか。世間もそれを信じてくれているようだ。

 まあ、それでいて京都市営地下鉄のエスカレータを早足で歩く輩が多いから、きっと時間がかかりすぎる事へのいらだちなんだろう。

 ところで私って大学時代は、とても仕事が早かったのですね。会議の司会をしながら同時に議事録をつくり、会議が終わって教員が自分達の部屋にたどり着く頃には、メールで議事録が届いているといった案配だったり、実技試験の入試問題の打ち合わせが終わりしなに入試問題案を作成して同僚の先生にみせたら、「もう、やめましょうよ、それはと」、あきれられたりしたけど。

 そんなわけで京都人も暢気な輩とせっかちな輩は当然いる。動かない車の列をみながら、あきらめているか、ただひたすら耐えているかである。だから京都は車の運転マナーはものすごく悪い。道が狭いから車線変更の合図をだしたって入れてくれないからね。だから私は名古屋の街の方が、はるかに運転がしやすかった。悪名高い名古屋走りなんかみたことないからね。だから車社会でみると名古屋の方が、はるかに大人だと思うけどな。

 つまり京都は、すべて空間が小さすぎるのよ。その小さいところへワッといろんな要素が集まってくるわけだから混沌の街なのです。

 さて週末は、すこぶる寒い日がぶり返してきた。この頃は体も寒さに少し慣れてきたためもあるが、それでも終日ストープはつけっぱなしだ。曇天の景色が憂鬱という言葉しか思いつかない暗さだ。

 あまり外を出歩かないので、gooのフォローを200クリックほどした。例えば居ながらにして北海道の雪景色をみることができる。なんと雪の中を移動しつつ、ルポしてくれたサイトもある。だから居ながらにしてリアルに-40°の北海道の空気を感じさせてくれた。そんな北海道の空気を味わいつつ朝の珈琲をすすっている。

 

京都市東山区清水坂

SONYα6000,Leitz Tele Elmarit90mm/F2.8

ISO100,露出補正-0.3,f/8,1/500

ISO400,露出補正-0.7,f/8,1/60 

ISO320,露出補正-0.7,f/8,1/60  

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番外編401. 冬枯れの続き・iPhone7の画像から

2019年02月10日 | Kyoto city

図1.京都市内のクラシック・カフェ

 

 毎年1月から3月ぐらいまでは画像も話題もないので、このブログも冬枯れだ。昨年は、ネガなどのデュープをしていたので古い画像が続いたし、それ以前の何年かは新幹線からの冬の関ヶ原あたりの車窓画像でつないでいた。多分寒いので外を歩く機会が少ないからだろう。

 冬枯れで話題もないので休みにしているかというと、実は毎日ブログを書いている。そのあたりが、自分でも不思議だ。そんなわけで今日は、iPhone画像専用のストックにしているMac miniから、目についた5枚を引き出してみた。

 上の図1は、表通りの地味な扉を開けると室内は、一つ一つが丁寧に考えておかれた心地よい空間の喫茶店。さてこの喫茶店がどこの通りだったかが思い出せない。足の向くままに歩いていて偶然みつけたのだろう。近所の人達ぐらいしかやってこないほど外観は地味な喫茶店だ。老夫婦の経営者がほそぼそとやっている。どこか風前の灯火のようでもある。まだ京都市内には、こんな喫茶店がいくつかありそうだ。でもなくなりつつある傾向だと思われる。

 

図2.京都市内の新しいカフェ

 新しいといっても古町屋をリニューアルした最近のカフェだ。若い経営者だと町屋の外観を残しつつ、室内は素材感を活かしてシンプルにしあげている。そんなカフェが最近結構多いのだ。そんなもんでいいんじゃないとみんな思っているし、若いテイストで素材感ただよう町屋リニューアルのお店が京都には結構多いのだ。そんな町屋カフェから外をみると一寸だけ日本離れしたような風景に目がとまる。女子高校生が歩いていて安堵。

 

図3.サンクトペテルブルグ・プルコヴォ空港のカフェ

 プーチンの生まれ故郷、そして世界文化遺産がある歴史都市であるサンクトペテルブルグ・プルコヴォ空港のカフェは、スタバでしたか。旧ソ連邦時代の呼び名はレニングラード。街の中には、ZARAもあったしいくつかのブランドショップを見かけた。この街は限りなくヨーロッパ志向だ。多分ロシアはヨーロッパの一員であり、あるいは西欧の主要国家の1つでありたいのかもしれない、ということを感じた。

 

図4.ロシア・ギジ島のカフェ&レストラン

 ギジ島の集落を見学に連れて行かされ帰りは、澄んだ空気の綺麗な田舎道だった。歴史建築家の先生と幸運にも帰りのバスが我々を拾ってくれたので、他の集団よりは先にカフェ&レストランについた。そこで食事前の酒の肴にありついたわけだ。もちろん海外の人たちがたくさん来るためか、食事の味は万民向きに癖がないロシア料理だったが。

 

図5.最近の機材システム

 図5は、オリンパス・システムから乗り換え最近多用しているプロユースの機材システム。私は研究のプロであって、写真のプロではありませんから、プロユースといっても、工学系の建築研究のプロ用、あるいはアートやデザインなどの芸術系の撮影機材です。それに写真のプロやアマチュアは、こんな面倒くさいシステムなんか使わないでしょう。

 この機材2台持ちを前提とするシステムの特徴が3点あり、1つはフィルムとデジタル機材のハイブリッド、2つは30mまで潜れるハウジングレスの水中機材、3つはこれらをどのように組み合わせても広角と望遠が使え、どのようにチョイスしてもOKという構成ができる軽量システム。

 そして単焦点レンズを主軸にしているのは、歪曲収差が少ないからです。ズームレンズで建築を撮ると一目瞭然で、もうぐにゃぐにゃに歪みます。元が歪んでいるのか、レンズの癖なのかがわからない場合もある。そんな歪んだ画像で建築を撮っていて平気のなでしょうか。

 そんなうるさいことに眼をつぶれば、iPhoneの画像でも結構使える。いつも必ず持ち歩くことができ、スッとポケットからとりだして撮影できる身軽さは、撮影機材の基本的な条件を満たしている。そう考えると撮影機材も、いつも持ち歩ける大きさや重さであることが必要条件に思われてくる。

 

iPhone7

ISO50,焦点距離3.99mm,露出補正0,f/1.8,1/15

ISO160,焦点距離4.12mm,露出補正0,f2.4,1/20

ISO50,焦点距離4.12mm,露出補正0,f/2.4,1/40

ISO,焦点距離4.12mm,露出補正0,f/2.4,1/40

ISO80,焦点距離3.99mm,露出補正0,f1.8,1/15

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ZEISSの空気46. コスプレの街

2019年02月09日 | Kyoto city

 

 これほど日本の着物を着てくれる外国人もいないだろう。中国、韓国、台湾からやってくるアジアからの外国人達の最近の定番メニューがコスプレだ。それに日本人同様に見分けが付かないぐらい街によく似合っている。もちろん柄は派手だけど、それも今風で面白いじゃないですか。そうしたコスプレ外国人達が観光バスで一斉にやってきて、くるわくるわ、みんな着物で。そして祇園の街に繰り出してゆく。だから表通りも裏通りも着物、着物、着物、これはすごいなぁー。ガイドさんも呆然だろうね。これだけ数が多いと、いやぁー迫力ありますよ。そしてみんな楽しそうで生き生きとしています。

 そんな街を散歩しながら、昨日のブログで書いた機材システムで撮影していた。

 レンズはライツ!。なにしろα6000につけると細身の鏡胴にぴったしのフードがついて大変格好がよい。解像力は格段に良いので人物を撮るときも大変シャープ。それだけでそっけないデザインのα6000も精悍にみえる。しかし時折光の状態次第で写り方が変わる大変気まぐれなレンズであり、時々眠くなるような描写は悲しいモノがある。ウチの機材もコスプレ感覚ですねん(笑)。

 当然マニュアルフォーカスだけど、距離計はファィンダーを拡大してピントを合わせるか、あるいはピーキング表示を使う。しかしそんな手間をかけていられる被写体ではないから後者の方法になるが精度が今ひとつ。だから機材は、コスプレ感覚では決められないわけであり、明日からはツァイス・レンズにしておこうという気分にもなる。そんなわけでタイトルも「ZEISSの空気」のままで。

 α6000は昨日のPhase Designのベルトで腰にぶら下げています。ブラブラしないのがとても具合がよい。西部劇のように腰からさくっ引き抜いてシュワッ!!と構えるですよ(笑)。

 

京都市花見小路通、2019年1月30日 

SONYα6000,Leitz Tele Elmarit90mm/F2.8

ISO400,露出補正-1,f/8,1/125 

ISO400,露出補正-1,f/8,1/125 

ISO400,露出補正-1,f/8,1/640 

 

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番外編400. 少し長い前置きとストラップの話

2019年02月08日 | Photographic Equipment

図1.デジタル機材システムと2種類のストラップ

 

 1つの撮影機材システムを処分すると、その代わりにフィールド調査にもってゆく新機材でどんなシステムが組めるかという試みをする。そこがシステム・フェチのささやかな道楽。

 でっ、フィールドワークでは、さすがにフィルム機材を持参する時間的、環境的ゆとりがないので、オールデジタル機材でシステムを構成する必要がある。そこで以下のシステム。

NikonDf,CarlZeiss Distagopn25mm/F2.8

SONYα6000,Leitz Tele Elmarit90mm/F2.8

 これにF2.0以上の明るい標準レンズでも1本加えておけば十分だろう。ニコンDfの発売開始が2013年11月、α6000が2014年3月と半年ほどの差があるが、ほぼ同時期に発売され、コンセプトの真逆な機材同士でシステム化するというのが、便利な側面もある。

 ツァイスの広角レンズとライツ望遠レンズの軽いシステムだ。かってこのブログで焦点距離135mmのレンズが必要だと力説したから、ライツ90mmレンズを持ち出してみた。SONYα6000のイメージセンサーはAPSサイズだから、90mmレンズは1.5倍に換算し調度ドンピシャで焦点距離135mmの本格的な望遠レンズになる。これで遠くに見える山間に展開する集落の全景が記録できる。なんとも使い勝手のよいプロダクトデザインかなぁーと自画自賛。

 まあ53年前のライツ・マニュアルレンズが面倒なときは、手元にあるSONY製のCarl Zeiss Vario-Tesser16-70mm/F4T*に置き換える2本体制なのだが、やはり色を除けばライツ・テレエルマリートの方がシャープさや解像度がはるかに高いことが一目瞭然だ。

 このSONYα6000というミラーレスボディが、大変コストパフォーマンスが高いことは力説しておきたい。ボディ価格は、量販店セール特価で3万円というのをみたが通例4万円前後であり、世の中の多くの素人向けコンパクトデジタルカメラと大差ない価格だが、小さく軽く、高性能で立派なミラーレス・デジタル一眼レフだ。

 それにこのシステムは、オートフォーカスのモーターを動かさないので、どちらの機材も比較的バッテリーの持ちが良いということもあげておこう。

 最近市販されている135mmのレンズは大口径化しているので大きく重たいのだが、ライツの小さく細く軽い望遠レンズは荷物の多いフィールドでは大変実用的だし、その姿にはしびれる。フィルム時代のミノルタ(今のSONY)CLEを思い出させるフィーリングがあると思う。こんなことを書いているとキリがない。

図2. ミノルタCLE(1981年発売)、レンズはLeitz Canada Elmarit28mm/F2.8

 

 本題に入ろう。

 フィールドでは機材のストラップが必要だけど、実はこれが大変邪魔だ。2台の機材をブラ下げるときにストラップの長さを変えておくことはもちろんしているが、それでも状態はブラブラであり、メジャーや野帳を持って建築の実測をするときには、ブラブラ機材が邪魔だ。フォトグラファーなら撮影機材だけもってゆけばよいが、デザインの研究者は、メジャーだ、野帳だ、資料だ、計測機械だ、現地人にあげるお土産だ、と様々な持ちものが必要になり、撮影機材だけで仕事をしているわけではないのだ。

 それに今のストラップが、1913年のオスカーパルナックのライツ以来、なんと100年以上デザインが変わっていない。そのこと自体が大変不思議なのだけど、なんでプロダクトデザイナーは、ここを改良してくれなかったのだろうか。

 そしたらアメリカ人が新しいストラップを開発した。Peak Designというブランドだ。やはりアメリカ人も使いにくかったのだろう。

 でっ図1の画像に戻るが、これらのボディにPeak Designのストラップをつけたた状態に2タイプある。肩からかけるタイプは、金物をボディ裏の三脚座のネジ穴に専用工具でつけ、もう一つはボディ肩の片側のフックに引っかけてからベルトを通す。腰にぶら下げるタイプは、専用金具をボディ裏の三脚座のネジ穴に専用工具でにつけて、ズボンのベルトにぶら下げた金物に差し込むスタイルであり、ロックが付いているので走り回っても落ちない。

 そして両タイプをぶら下げた状態は図3の画像になる。1台は肩にピタッと張り付くように担ぐもので、ベルトの長さをワンタッチで変えられて、さっと構えることができる、もう1つは腰からぶらさげておく方法だ。基本的に体にぴったり張り付いていてブラブラしない。腰にぶら下げるなんて西部劇のガンマンのようでもあり、このあたりの感覚がアメリカ的だけど大変使いやすい。

 このストラップの使い方を紹介したWEBのURLをあげておく。動画もアップされている。でっ私は、肩からニコンDfを、腰にはSONYα6000をぶら下げてフィールドへ行こうと目論んでいる。試写は明日のブログで・・・。

 

図3.Peak Designのストラップでぶらさげた状態

出典: http://lens-blog.jp/2018/04/09/peakdesignstrap/

 

Nikon W300

ISO400,焦点距離19.7mm,露出補正-0.7,f/4.8,1/15 

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Nikon Freak356. ニコンFフォトミックFTn ファインダー補足説明

2019年02月07日 | Photographic Equipment

図1. ニコンFフォトミックFTn+Carl Zeiss Distagon25mm/F2.8

 

 こんな機材で撮影をしたいですか?

 フィルム機材です。You TubeでニコンFフォトミックと検索すれば使い方の説明がなされています。そのYou Tubeをみていたらバッテリーのことがわかっていないようだ。マニアの映像だから肝心なことを説明していない。

 そこで、ニコンのフォトミックファィンダーは露出計内蔵だから、1)今入手できるバッテリーはどうするか、2)フィルム感度の設定をどうするか?、の2点ついてここで補足説明しておこう。

 

1.バッテリーについて

図2 バッテリーの状況

 図2は、ニコンFボディからフォトミックファィンダーを外して裏返しにした状態です。大きくくぼんでいて微かにバネ状のモノが見えるところが電池室です。図は電池室からバッテリーを順に取り出した状態です。

 当時の水銀電池は現在入手できません。そこでコンビニで入手できるLR44を2個使います。ただし水銀電池アダプターMR-9(注1)が2個必要です。アダプターは関東カメラ(注2)で発売していました。現在は生産終了なので在庫次第でしよう。LR44+水銀電池アダプター+LR44+水銀電池アダプター+黒いキャップの順に画像の向き通りに電池室にいれ、硬貨で黒キャップを締めます。

 

2.感度の設定方法

図3. フォトミック・ファィンダー

 図3はフォトミックファィンダーです。両指で白いダイヤルを上に持ち上げて回し、赤い矢印をフィルムの感度にセットします。これは僅かに上にあがるだけですし、さびていると大変堅いこともあります。また数字は減感で撮影する場合の目盛でしょうか。

 

3.その他 

 図4.ニコンFと露出計

 フォトミックファィンダー露出計の性能は個体差があります。私のフォトミック・ファインダーは、ネガフィルムであれば使えそうです。正確を期すならば専用露出計を使うか、デジタル一眼レフの露出を参考にする方がよいでしょう。

 露出計には入射式と反射式と測光方法が2種類あります。図4で示した露出計はどちらでも使えます。ただし既に生産終了です。

 では、フィルムを入れれば、あとはフィルムとレンズの性能が変数要素ですから、ボディは精度さえ出ていればどんなボディでも良いわけです。ただしニコンは古くても使うことができる丈夫さがあります。そして私のブログで紹介してきた沖縄のフィルム画像程度には撮影が可能です。

 こんな機材を使う人も大変少ないだろうから、今日は本当に冬枯れの話題だった。さて京都市内も今日一日は比較的寒さが和らぐが、明日からまた寒波がやってきて冬が続きそうだ。このブログも冬枯れの話題がしばらく続くだろう。

 そうか去年のこの時期は冬季オリンピックで盛り上がっていたのだ。仕事をしながらテレビをみていたから、冬の寒さを少し忘れていたのかもしれない。しかし、今年は冬忘れの話題がないから寂しい限りだ。だから布団にくるまって冬をやり過ごす、そんな気分だ。

 

注1)MR-9は、関東カメラのWEBサイトで形状から判断して確認しました。ただしWEBサイトにはフォトミック用と記載してありません。購入時は事前に確認してください。

注2)関東カメラ:http://www.kantocamera.com

SONYα6000,Carl Zeiss Vario-Tessar f4/16-70mm ZA OSS T*

1)ISO800,焦点距離70,露出補正-1,f/5.6,1/125

2)ISO1250,焦点距離60,露出補正+2,f/11,1/100 

 3)ISO6400,焦点距離60,露出補正+1,f/11,1/80

 4)ISO2600,焦点距離52,露出補正-0.3,f/10,1/80

 

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Nikon Freak355. 雪の降った日に

2019年02月06日 | Kyoto city

図1. 花見小路   この街には、いつも夕方に出かける。人でも多い頃だろう。

 

図2. 花見小路   このタクシーが、赤いホンダのスポーツカーだったらよかったのだが・・。もちろん車の入らないシーンも撮ったけど、こちらのほうがリアルでしょ。  

 

 雪が降ると伝統的建造物群保存地区も綺麗だろうと誰しもが思う。といってこの日はたいして降らなかったのであるが。大体京都で雪が降っている景観なんて、そんなのを期待する方が無理でしょう。

 まあそれでも、タップリ湿気を帯びた湿っぽい街の風景も、デザイナーの目には綺麗に見えるから、85mmのレンズで撮っておこうか。

 なにしろ東京・神楽坂の界隈に実家があるから、芸妓さんの姿には見慣れている。そんな芸妓さん達が仕事が終わると、夜遅く普段着に着替えて実家にやってきて、これから浅草へ行こうと、うちのお袋を誘ってくれるわけだ。するとお袋が、お前達そんなんの食べてないで、さっさと支度しな!。これからウナギだよ!!。・・・しかし私は夜の浅草に出かけた記憶がない。多分留守番をしていたのかもしれない。

 そんな芸妓さんは、いわばタレント予備軍だから、なにかの機会にテレビ局に仕事に出かける。おおっ!、演歌の芸能人で売り出そうというわけか。その後、テレビ局に仕事に行ったというメモは残っていたが、テレビに出たという記憶がない。多分静かに消えていったのだろう。その後我が家にもこなかった。きっと神楽坂の街を出たのだろう。あの世界は、そんな人たちの方が多い、と当時思った。

 今は、そんな芸妓さん達も神楽坂には、いないだろう。生活スタイルが変わったのである。

 

図3. 花見小路   舞妓さんは襟元を白く塗るが、こちらは生地仕上げ。芸妓さんの襟元がほのかに色っぽいから、体型はどんなんかなと芸術系の私の頭はクロッキーモードになり眼でデッサンしている。襟元から類推すると首が少し太そうだし丸っこい体のボリュームで少し古典的な体型ではないかい。日本髪だと頭でっかちになるからクローキーのように裸体はイメージしないほうがいいか、という結論に至る。

 

図4. 花見小路   雪が降っているところというのは、写らないと思ってよい。あの黒沢映画7人の侍、でも雨には墨汁を入れて使用したとどこかで読んだ。雪だって同じだ。もちろん1時間ほど降っても積もらない。ただただ寒いだけです。

 

図5. 八坂神社   ここのところ外国人の和服コスプレが圧倒的に多くなってきた。中国人とはいえ結構似合って着こなしている。それにしても、この寒いのに和服ですかと、こちらは感心する。このカップルが何を見ているかって、そりゃおみくじではなくスマホの写メだよ。

 

図6. 花見小路   ポコ、ポコという小さな音が背後から聞こえてきた。舞妓さんだな。あの人達は建物から1.5mぐらいのところを歩くから、こちらは電柱に身をよせてやりすごそう。やり過ごしてから後ろ姿を連写!。だけどニコンDfはピントを外してしまった。このあたりはEOS1Dsとは違うよなといってみたところでどうしようもない。

 舞妓さん達は、お茶会の席で1枚撮らせてくださいといえば、こころよくポーズをとってくれるけど、やはり街を背景にした方がいいよなと思いつつ。うち舞しかでけへんけど、これから商売ですねん、今日はどうやって稼ごうかな!、そんなことを考えながら仕事場に向かうのだろうと思って、私は見送った。

 日本文化とか日本情緒という言葉を聞くと、随分と手垢が付いたステレオタイプ化した言葉だと思われる。いかにも日本文化などを沢山披露して、さあ!、日本文化を感じてよ!!、というお仕着せがましいところが京都なのだろう。

 

図7. 宮川町   ここは観光客が来ないので静かで古都の空気を感じさせる・・・、ここまで書いてきて矛盾している話だと気がついた。古都を売り物にしているのに観光客が来なくてよいとは何事だ!。しかし花街は観光スポットではなく、昔から地元の人たちが通う街の飲み屋街だ。そうした街のライフスタイルが変わってしまったので、形骸化した様式だけが飛び交っていると理解した方がよさそうだ。こういうところで心地よくお酒を飲むのだったら、足繁く通い馴染みの店をつくることだね。

 

 ニコンDfで撮影した画像をPhotoshopで修正してもほとんど変化しない。最近の傾向だとはおもうが、ともかく適正な写り方をしているようだ。多分SONYのイメージセンサーを使っているからだろうと推測。これって結構使えるじゃんと思いつつ、寒すぎるので四条木屋町角のマックに避難した。

 

京都市祇園町南側、八坂神社、宮川町、2019年1月26日

NikonDf、AF-SNikkor85mm/F1.8G

1)ISO720, 露出補正-1,f/4,1/100

2)ISO3600, 露出補正-1,f/4,1/100

3)ISO4500, 露出補正-1,f/4,1/100 

4)ISO25600, 露出補正-1,f/4,1/160

5)ISO25600, 露出補正-1,f/2,1/1600

6)ISO25600, 露出補正-1,f/2,1/800

7)ISO25600, 露出補正-1,f/5.6,1/320

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Nikon Freak354. 窓辺の人々

2019年02月05日 | Kyoto city

図1. 祇園の町には、やはり東山が写っていないとアカンでしょう。だって「月はおぼろに東山・・・」という歌い出しの祇園小唄があるでしよう。舞妓さん達のおはこですね。そのメロディーを聞くと、何故かこちらは喉元が痒くなるんですが・・・。85mmレンズの望遠効果で東山をいれて・・・。

 

図2. 85mmのレンズってこんな感じで人物の表情も少し入れて撮りやすいのです。叔母半達は街がよく見える特等席だとおもっているでしょうけど、こちらからもよく見えるのです。都市景観というのは、片方だけ都合良くみえるなんてことはなくて、双方向から見えるわけです。当たり前の話だったか。

 

 図3. 色とりどりの提灯に眼がいったのでしょう。機材のレンズは赤い色が好きなんでしょう。85mmのレンズというのは、近すぎず、遠すぎず調度よいところで建築の窓辺を切り取ってくれます。村上重本店へゆく途中にある珉珉(みんみん)は、安くてそこそこに旨いB級グルメだというのが私の昔の記憶です。

 

 図4. 暗くてわかりにくいですが、右の建物の窓にコックさんが映っています。私もまだいったことはないですが木屋町通りの中華料理屋大傳月軒ですね。まあそのうちに北京ダックと小籠包でも・・・。この静かさが古都ですね。

 

図5. いつもの祇園町南側ですね。ここは相変わらず人手が多いのです。ニコンDfは本当に夜に強いですね。なんでバイクを入れたかって・・・。市川崑監督の古都という短編映画があるんです。古都の風景のなかをお坊さんが歩いている、そこへホンダの赤いスポーツカーが飛び出してくる、そんなリアリズムが欲しいなと思いつつ。

 

 酷寒のなかを85mmのレンズだけもって少しだけ街を徘徊した。といって歩いて行ける範囲だが。窓辺の景観をほどよく切り取ってくれる画角だ。京都の街を歩いていて思うのは、街が小さいから望遠レンズは不用、せいぜい標準レンズと、35mm程度の広角レンズがあれば良いかな。この街は、それ位で調度よい空間なのだろう。

 さて昨日の午前中は、暦通り立春の陽気だった。朝は南風だ。グァムやサイパンの空気を感じるといったら私の気のせいだろうか。天気図をみると南風をもたらした低気圧が去って、今度は中国から低気圧が押し寄せてくるので、また寒気にもどるのだろう。一瞬の春だった。立春ではなく瞬春だ。一寸春の風が吹いただけ。でも吹かないよりはよかろう、というわけだ。 

 

京都市祇園町南側、美濃屋町、2019年1月25日

NikonDf、AF-SNikkor85mm/F1.8G

1)ISO6400, 露出補正-1,f/8,1/40

2)ISO1600, 露出補正-1,f/2.2,1/30

3)ISO6400, 露出補正-1,f/5.6,1/80

4)ISO4000, 露出補正-1,f/4,1/100

5)ISO6400, 露出補正-1.33,f/8,1/60 

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Nikon Freak353. 今日は立春!

2019年02月04日 | Kyoto city

 

 今日は立春!、節分が終わり大寒が過ぎ去った。昔の暦では今日からが新年だ。これから暖と寒のせめぎ合いが続いて次第に暖かくなるのだろう。

 一昨日の朝のマッサージの帰りに、このまま七条から京阪電車に乗れば終点は出町柳だ。そこから歩いて節分で賑わう吉田神社にはゆける。ならば昼飯は進々堂にしよう、と突然散歩コースを思いつく。

 でっ京大前のクラシックな建物の進々堂へ。昔の観光ガイドを思い出すと、京大の先生が沢山の本を抱えて珈琲を飲みながら勉学に勤しむ文化の香りがする喫茶店・・・、等と紹介されていた。それは観光プロモーションのよくやる作文ね。

 いつも私は思うのだが、進々堂は京大前にありながら大学の先生が先ず来ない喫茶店だと思われる。というのも大学の先生は時間に追われてとても忙しいから、こんなところでお茶をしている暇なんかないでしょうというのが私の大学時代の経験だ。実際にいるのは、アカデミズムに縁のないシニアばかりだ。

 そう考えていたら1人黙々と外国語の文献を読んでいる神経質そうな年配の先生風情がいた。観光プロモーションのような文化の香りを味わいたいとする人間が本当にいたか!?。しかし今日は土曜日で大学はお休みだけどな。

 そんなヒューマンウォッチングをしながら、吉田神社の節分に足をのばす。あちゃー、人が多いではないですか。多分南風が吹き寒くはなかったのだろう。私は、人の多い境内を一周してそうそうに引き上げてきた。しまった!、おたきあげのお札を持ってくるのを忘れた・・・。

 さて久しぶりに経理関係の領収書の山も整理されてデスク上が片づいた。この数日来の嫌悪感は、この書類の山だったか。何しろ書類の上でマウスを動かしブログを書いていたぐらいだから、全くヤレヤレな話である。

 昨日は終日どんよりと曇り、それは冬のヨーロッパよりも陰湿な風景だったし、夕方から雨だ。首都圏では、インフルエンザが流行っているらしい。

 まれに東京へ行くと空からに乾燥した空気なんだよ。京都市内なら3方向に山が見えていて緑がすぐ側にあるから湿度もそこそこには確保されていると思うが、東京は身近に自然環境がないためもあって湿度が低いのだろう。

 そんなカラカラな空気、満員電車、そしてなんとオフィスがインフルエンザの感染をひろめている。つまりビルの廊下ってエアコンのリターン通路にしているわけ。各部屋からの廃棄エアを廊下で集めるんだよ。だから廊下はもう病原菌の巣窟なんですね。だから最近は、そのまま外へ排気してることの方が多いのかな。

 

京都市左京区吉田神社、2019年2月2日

NikonDf,AF-S Nikkor85mm/F1.8G

ISO200,露出補正-0.67,f/11,1/400

ISO220,露出補正-0.33,f/11,1/100

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Nikon Freak352. 85mmという画角

2019年02月03日 | field work

 

 

 

 このところ所用で大阪へ出かけることが多い。ならばとリュックの書類の間に撮影機材をしのばせ、仕事とフィールド徘徊とを同時にしようというわけだ。というのも大阪まででかけたら半日は時間がつぶれるので、ついでに街の徘徊を兼ねようというわけだ。

 さてライツでは90mm、ニコンでは85mmという焦点距離が絶妙な空間感覚を呼び起こしてくれると私は考えている。シネマ用レンズでも85mm相当の画角が、自然に撮れる望遠系のMaxだったと記憶している。

 というのも例えば椅子には、快適に座れる人体寸法があり、建築には必要な空間を確保するために無駄の少ない寸法が適用され、都市の道路幅も交互に通りやすくするための空間が設えられている。つまり家具や建築や都市には定量的なモジュールがある。古来からそうした人体や空間のモジュールで家具や建築や都市がつくられてきた。そうした空間のモジュールが集積した都市は、85mmというレンズの画角が経験的に収まりがよいのではないだろうか。つまり空間などのモジュールとレンズの画角とが合っている。

  また最近のデジタル機材は、機材のsRGBの設定がadobe Photoshopと同じなので、自動補正しても変わらない。使い勝手が随分と良くなっている。これと、その他に35mmレンズの2本があれば、大体の都市は納まりよく撮影ができそうだ。

 そんなわけで、大阪の都心徘徊なのだが、この街は意味的な空間が多い。意味的というのは歴史や来歴を知ればなるほどと思わせるが、知らなければ退屈でなんの変哲もない空間である。そんなのを画像に記録してもおもろうない。つまり徘徊のしがいのない街という印象の方がよそ者の私は強い。

 せいぜい大阪だと中崎町とか空堀商店街、それに鉄道沿線に残る古い街とか、街の中に僅かに残る家並みぐらいしか被写体にならない。まあそれだけ街がかわってしまったということ。既に大阪は変わりすぎなんだよ。

 そんな考え方を広げてゆくと、地球は撮り尽くされている。そうなると撮影機材もいらないという悲しい現実にたどり着く。せいぜいシステムフェチをしながら、夢をみているほかないかなぁー、と思ったりもする。映画のように環境をつくらない限り。

 残る被写体は、人間しかないだろうな。人間ならいろんなストーリーを持っているから。85mmというレンズは、まさにその人間を撮るための画角であることを思い出していた。

 

大阪市道頓堀川、新世界、北浜

NikonDf,AF-SNikkor85mm/F1.8G

1)ISO400,露出補正-0.3、f/8,1/100

2)ISO400,露出補正-0.3、f/8,1/320

3)ISO800,露出補正-0.67、f/2.5,1/200

4)ISO800,露出補正-0.67、f/2.5,1/400

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Nikon Freak351. 続々・ニコンに帰る+京都の節分行事

2019年02月02日 | Photographic Equipment

 昨日は、京都にも雪予報が出ていたが、10分ほど雪が舞ったけどあれのことかい。ほどなく晴天記号に変わってしまった。ただし朝の気温は-1°と寒い。それにしてもiPhoneの局地的な気象予報の最高気温が京都市3°、私のいる京都都心7°と随分開きがある。どこで測定しているのだろう。京都市といっても花脊の山中まで京都市だか、気象予報を行政区分に合わせる物理的な必然性は全くない。

 さて私のニコン機材には、もう一つのレンズシステムが構成できる。コシナ&ZEISS共同開発のCarl Zeiss Distagon25mm/F2.8とCarl Zeiss Makro Plenar100mm/F2.0だ。これに標準レンズを加えると焦点距離が倍々となる昔からの定番システムになる。そこで一寸ニコンFフォトミックFTnを加えたシステムにしてみた。露出の信頼性が薄いときはニコンDfを露出計代わりにすればよいしさ。

 昔、親父からのもらい物のカメラ(キャノン6L+50mm/F1.4)で撮影の基本を勉強をした。しかしもっと広角や望遠で撮りたい、だけど貧乏高校生では交換レンズが買えなかったし、当時一眼レフがすでに主流だったから、私のもらいものレンジファィンダー機材は相当に型遅れで使い勝手の悪いレンズを増やす意味も発展性もなく肩身が狭かった。

 二十歳の頃に、ようやくニコンFのボディと当時のニッコールレンズ2本(後にAiに改造した28mm/f3.5、105mm/f2.5)を調達した。当時の価格で10万円程度。これで肩身の狭いコンプレックスはなくなったが、初めての一眼レフは随分感覚が違うので慣れるのに随分と時間がかかった。

 それ以来四十数年のニコン・フリークである。そうなると撮影機材は一生ものか・・・。

  デジタル機材はイメージセンサーやカラープログラムに撮影画像が左右されるが、フィルム機材はメカとしての精度が出ていれば写りは無関係だ。変数要素はフィルムとレンズの性能次第というわけだ。そしてネガをデジタルデュープすればパソコンで扱うこともできる。そうなると撮影機材はなんでもよくなる。この四十数年間で撮影機材は何が変わったんだい!?。まあ精密機械は、日本のおはこ技術だから、我々はそれに大いに貢献したけどさ・・・。

 そんなわけで、この画像のシステムも今使おうと思えば使えるわけだ。再度慣れれば結構よい味方になるのだろう。

 さて2月3日の京都市内は、節分行事で目白押しだ。このときだけ壬生寺から吉田神社へ行く市営臨時バスも運行される。祇園祭が1社で一ヶ月やるのに対して、節分業行事は真逆で複数の社寺で1日でほぼ同時に行われる。行事は、同じ時間に重なるので全部は回りきれないだろうけど、やはり京都の代表的な行事の1つである。京都観光オフィシャルサイト(注)には、そうした節分のスケジュールが大方アップされている。

 私のブログでも、節分行事は随分取り上げた(注2)。ブログでは2008年2月5日〜8日、2010年2月8日〜15日と節分行事をとりあげている。まあ参考までに。

 

注)京都観光オフィシャルサイト:

http://kanko.city.kyoto.lg.jp/eventlist.php?search_type=event

SONYα6000,Carl Zeiss Vario-Tessar f4/16-70mm ZA OSS T*

ISO3200,焦点距離70mm,露出補正-0.7,f/6.3,1/125 

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Nikon Freak350. 続・ニコンに帰る

2019年02月01日 | Photographic Equipment

 さて待ち遠しい立春は、七十二候の第一候、東風解凍(はるかぜこおりをとく)、東風が厚い氷を解かし始める頃ですが立春まであと三日。ホントだろうかと思わせる冷たい気温が今日も続いています。今朝は氷が解けるどころか朝の気温は零下よ。夜半に京都市に雪予報がでていましたが、京都の都心部は当然ふりません。一体京都市とあるのはどこのことだい?。

 さて画像はこれまでのオリンパスシステムに変わる、今の私の撮影システムだ。画像右側のフィルム機材ニコンF3+MD4は、高そうに見えても今は、中古で一式3万円代で調達できる。もちろんジョルジェット・ジュージアーロのデザインが心地よい。プロダクトデザインとしてみても優れものだ。

 そして先日、業務用のカラーフィルム36枚撮り10本セット(期限は2021年)を4,500円で調達できた、これは安い買い物だ。だからカラーフィルムをしばらく使い続けるだろう。それに、最近リバーサルフィルム・エクタクロームが復活という話も聞いた。

 やはりデジタルの色に物足りない人たちがいると思います。さあ、安いいまのうちにニコンF3+MD4に標準レンズの一式3万円代で調達してはいかがですか。

 それはともかく、オリンパスEM1Mark2用の水中ハウジングが大きすぎるというのがケチの付けはじめ。ならば小さなPENで水中ハウジングにしようと思ったら廃盤になってしまった。ああっ!、オリンパスもついに小さく軽いという基本コンセプトを外れたか(最近登場予定の大きく立派な価格のE-M1Xをみると、小さく軽くリーズナブルとするコンセプトはどこへいったやらだ)。メーカーがコンセプトを変えたら、こちらはシステムを乗り換えようというわけだ。

 そこで、もうオリンパスは9年間ご苦労様でした!!、というわけで手元に揃っていた単焦点レンズなどをことごとく売り払った。そうすると手元で少し古いが機材が揃っているのがニコンだ。それに今はニコン機材が値下がりしているのも追い風。でっ、乗り換えたシステムがこれ。 

Nikon F3+MD4のボディに、AiAF Nikkor35nn/F2.0Dのレンズ。

Nikon Dfのボディに、AF-S Nikkor85mm/F1.8Gのレンズ。

 フィルムとデジタルのハイブリッド・システム。レンズは一番多用する焦点距離の2本だけ。実際にこのシステムの重量なら持ち歩くことができる上に、すべてF2.0以上の明るさでありストレスがない。

 実は、もちろん機能的な検討をした上でなんだけど、このハイブリッド・システムがやりたかったのは、WEB上にこの2つの機種が並んでいる画像があって見とれていたからだ。すごく格好いいじゃんというわけだ。つまり動機は単純。

 このAiAF35mm/F2.0Sは、いまも販売されており、25cmまで近寄れ、解像度も良く、撮るぞ!、なんて身構える必要もなく、ちゃんと撮れている。ただし最新のニコンシステムにすると(例えばNikonZ7やZ6)、オートフォーカスが使えずマニュアルピント合わせとなる(ボディ内モーターがなくなったからね)。最新型ボディはパスしよう。

 そんなわけで、再びニコン・システムに戻った。さしあたり、これで、今度の節分の吉田神社でフィールド調査に向けた試写をする目論見があるが、さて、冬の最後の悪あがきのようで肌を刺すような寒さだからねぇーーっ・・・。いや寒い!、ではなく正確には痛い!!、なんだよ。どうしたもんかねぇー・・・。

 

SONYα6000,Carl Zeiss Vario-Tessar f4/16-70mm ZA OSS T*

ISO2500,焦点距離70mm,露出補正-1,f/5.6,1/125 

 
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