“9時××分A駅発B学校行きの直行便”をやった時のこと。中途半端な時間なので、普段は学生が十数名乗れば多い方です。発車時刻まで10分ほどあったので、バスを降りて缶コーヒー(もちろん無糖ブラック!)を飲んでいました。すると、十数名のお年寄りがバスに乗り込んでいくではありませんか。見慣れない光景に不安を感じた私は、一緒にいた先輩運転士に「今日は何かあるんですかねぇ?」と尋ねました。すると「B学校から少し歩いたところに、ある花の景勝地がある」と言われ、私は安心して皆さんを終点のB学校まで乗せて行った。
それから約3時間後… 私がB学校のバス停で“12時○○分B学校発C駅行き”の発車時刻待ちをしていたところ、前方から見覚えのあるお年寄りたちが歩いてきました。当然“C駅行き”と出ている私のバスを素通りして“A駅行き”のバス乗り場へ行くものだと思っていたのですが、一人のおじいさんが「このバスはC駅行きだけど乗ろう乗ろう」と言うが早いか全員が乗り込んでしまいました。私は「気楽な散歩で時間もあるから、行きと帰りで違うルートを選んだのかな?」と思いました。バス車内はワイワイガヤガヤ… しかし、その中から妙な会話が聞こえてきました。一人のおばあさんの「ねぇ、これって本当にA駅へ行くの?」という疑問に対して、先程のおじいさんが「あぁ、A駅経由でC駅まで行くんだ」と答えていたのである。おいおい!! いつ誰がそんな路線を作ったんだ!? たまらず私は「このバスはA駅へは行きませんよ」と言いました。お年寄りたちは何やらブツブツ言いながら降りて行った… あのおじいさんは何を根拠にそこまで言い切れるのか… 三十年後には私もそうなっていたりして…