バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

PBその6「オッサンの嫌がらせ」

2008年04月22日 21時10分43秒 | バス運転士

朝の通勤時間帯でのこと。終点の駅近くで渋滞にはまり、到着が10分以上遅れてしまった。私のバスは次の発車時刻が迫っている… スムーズに降りる乗客たち… が、最後の一人となった男性が運賃箱の前で立ち止まった。そして、おもむろにポケットから財布を取り出し、念入りにお札のしわを伸ばしてから両替した。100円玉の枚数をゆっくりと確認すると、100円玉2枚を放り投げるように運賃投入口へ… 案の定、1枚が投入口を外れて床に転がった… 私は「このオッサンはバスが遅れた腹いせにやっているに違いない。次の電車までには時間があるから、私に嫌がらせでもしてやろうってところだろう。決してイライラした様子を見せてはいけない」と思った。だから私は彼の動きに合わせてゆっくりと駐車ブレーキを引き、エンジンを切り、帽子を外し… 床の100円玉を拾うオッサンの姿を冷めた目で見ていた。オッサンが降りた後、忘れ物チェックのために車内を見回るが、まだ慌てた様子を見せてはいけない。オッサンが遠くから見ているかもしれないからだ。結局、1~2分遅れて駅を発車したのだが、勝負は駅が見えなくなってから… 一気にエンジン全開~!!